回帰した最強の敗者──世界の理すら変える力で、今度は神をも跪かせて支配から自由を取り戻す──

よいち

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第2章 未来を変える学び舎

光なき場所で風が変わるときに微笑む影

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  研究室を後にして寮へと戻る足取りは重かった。教授の言葉が頭の中で反復している。

「圧倒的な力を示せ」

 試験まであと2週間。だが、その間に俺はどうやって圧倒的な強さを示すんだ?どんな力を使えば、自分の存在を証明できるのか?

 部屋に戻り、ベッドに腰を下ろすと、深く息を吐いた。考えるべきことは山ほどあった。力を示すだけじゃ意味がない。だが、力ってのは単なる暴力じゃない。

 俺の力は「概念を変える力」だ。そう考えれば、風をうまく使って相手に圧倒的な力を示せるんじゃないか?

「風をどう使うか……」

 これまでの力の使い方じゃ、教授が求める圧倒的な強さにはならない。だが、風をただ操るだけではダメだ。

 何か、もっと本質的な部分を変えなきゃならない気がする。視線を天井に向けると、はっと閃く。

「力ってのは、単に物理的な制御だけじゃない。風の概念そのものを変えるんだ。」

 そ概念を変える。俺はそれがどういう意味なのか、はっきりとはわからなかったが、なぜかそう感じた。

「風を消すってのは、ただの力じゃない…もっと深い意味があるのかもしれない。」

 俺は手をひらひらさせながら、無意識に風を呼び寄せる。

 まずは風を集めて、少しずつ強めていく。その途中で、風の流れが変わり、空気が不安定になるのを感じた。

 だが、その時、突然風が消えた。

「何だ、これは…?」

 呼吸がしにくく、周りの空気が重く感じる。息が詰まりそうだ。

「これが、風を消すことでおこることか……」

 混乱しながらも、力を収束させようとするが、すぐには元に戻らない。静まり返った部屋で、俺はその力をどう制御すればいいのか、考え続けた。

 時間が経つにつれて、次第に空気は元の状態に戻ったが、俺の頭の中はますます不安定になった。

「これをどう使えばいいんだ……?」

 風を消す、空気を変える。こんな力、戦闘でどう活かせる?

 もどかしい思いを抱えたまま、考えを巡らせていく。

 混乱しながらも、力を収束させようとするが、すぐには元に戻らない。静まり返った部屋で、俺はその力をどう制御すればいいのか、考え続けた。

 時間が経つにつれて、次第に空気は元の状態に戻ったが、俺の頭の中はますます不安定になった。

「これをどう使えばいいんだ……?」

 風を消す、空気を変える。こんな力、戦闘でどう活かせる?

 もどかしい思いを抱えたまま、考えを巡らせていく。戦闘で使える力だとしたら、どうすれば効果的になるのか。風を消したり、空気の流れを止めたりすることが、戦いにどう繋がるのか?

 今の俺にはその答えが見えてこない。だが、それが俺にとっての課題だ。この力を使いこなせるようになれば、試験での結果もおのずとついてくるはずだ。

 次の日、俺は授業中もそのことを考えていた。魔法学の授業が始まり、俺はいつも通り前の席に座っていたが、心ここにあらずという感じだ。講義が進んでいく中、俺の頭の中は昨日のことに占領されていた。

 教授が板に魔法の応用理論について書き始めると、クラスの他の生徒たちは興味津々でノートを取っていたが、俺はただその言葉をぼんやりと耳に入れていた。力の使い方、エネルギーの流れ、物理法則に基づいた魔法の応用。あまりにも抽象的な話に感じて、最初は興味を失いかけていた。

 しかし、ふと気づいた。教授が言った一言が、俺の頭をパッと照らすように閃いた。

「魔法の力を最大限に活かすには、エネルギーの伝達を制御することが大切だ。力を一方向に流すのではなく、どこでそのエネルギーを溜め、どこで放出するのか。そのコントロールが全てだ。」

 その瞬間、昨日の考えが頭の中で再生された。

「エネルギーの伝達……?」

 その言葉が引き金となり、急に閃いた。風の流れを完全に止めることに囚われていたが、そうではない。風を消すのではなく、空気の流れを一時的に「止める」だけなら、特定の場所だけで制御することができるのではないか?

 そして、エネルギーの伝達――つまり、風そのものの動きを意図的に「遅らせる」ことができるのでは? それがもしできれば、相手の動きに干渉して、自由に動けない状況を作り出せるかもしれない。

 授業中、無意識に手が動き、ノートにメモを取り始める。試験が近づいているとはいえ、今はその力をどう使うかを模索している段階だ。もしこの理論を実験に応用できれば、目の前の試験で圧倒的な結果を出せるかもしれない。

 授業が終わり、昼休みの時間がやってきた。オリビアとレオンが僕を待っている。二人と合流し、食堂に向かう。

 了解しました。オリビアの口調を反映し、地の文を「俺」にして続きます。

 授業が終わり、昼休みの時間がやってきた。オリビアとレオンが俺を待っている。二人と合流して食堂に向かう途中、昨日から続いている考え事が頭を離れず、無意識に歩きながらその思考を巡らせていた。

「今日も授業、難しかったね。」

 オリビアがため息をつく。

「そうだな。」

 レオンも肩をすくめる。

「あの魔法の応用理論、ちょっと難しすぎたんじゃないか?」

 オリビアがちょっと笑ってから言う。

「でも、フィリアスがあんなに集中してたのは珍しいよね。普段はそんなに真剣にノート取らないのに。」

 俺は少し驚いたようにオリビアを見た。

「え、俺が?」

 オリビアはにっこりと笑って、あたかも当然のことのように言う。

「うん、だよね~。今日、フィリアス、やけに真剣にノート取ってたし、なんか一生懸命だったじゃん。」

「いや、そんなことないだろ。」

 俺は軽く肩をすくめるが、心の中では少し恥ずかしい気持ちもあった。

 レオンがニヤリと笑う。

「お、フィリアス、やっぱり魔法のこと考えてたんだな。風を操る力に関して、あんまり教えてくれないけど、きっといろいろ考えてるんだろ?」

 俺は微妙な笑みを浮かべながら言う。

「まあ、そんなところかな。でも、今日はちょっと授業内容が難しくてさ、色々思いついたことがあって。」

 オリビアが興味津々で顔を近づける。

「へえ~、なんかいい感じのアイデアでも思いついたの?」

 俺はすぐに答えるのを避け、考えをまとめるように口をつぐむ。

「うーん、まだ確証はないけど、ちょっと実験してみる必要があるかもな。」

 レオンが目を輝かせながら言う。

「おお、なんか楽しそうな予感がするな!フィリアスなら、すごいことを思いついてるに違いない。」

 オリビアは笑いながら言う。

「それなら、私たちも応援するから、ぜひ試してみてよ!」

 俺は二人の言葉を聞きながら、心の中でその「思いついたアイデア」のことを反芻していた。風を完全に消すことではなく、エネルギーの伝達を遅らせるという方法。これが試せれば、俺の力は戦闘で使えるかもしれない。

「おう、試してみるよ。」

 俺は二人に向かって軽く頷き、心の中でその実験を決意した。午後の授業が始まる時間、俺は教室に向かっていたが、教室の前に立つと、ドアには「教授の都合により休講」の文字が掲示されているのが目に入った。俺は肩を落としながら、その掲示をじっと見つめる。

「……まじか。」

 教授が休むことはよくあることだが、今日はどうしても実験を進めたかった。授業がないなら、今のうちに自分で試すしかない。授業が終わると、みんな一斉に帰り始める。オリビアとレオンに声をかけられないよう、早めに学園を抜け出すことにした。

 そのまま足早に学園を抜け、学園の裏手にある広場に向かう。人目が少ない場所を選んで、自分の力を試すには最適だ。ここで風を操る練習をするのは初めてではないが、今日こそは風を遅らせる実験を本格的に試してみるつもりだ。

 広場に着くと、少し風が吹いていた。気温はやや低く、風が心地よく感じられる。俺は立ち止まり、深呼吸をした。

「よし、やってみるか。」

 意識を集中し、手を広げて風を感じ取る。今日は風を「遅らせる」ことに集中する。エネルギーの伝達を抑え、その流れを遅くするために、力を込める。最初は風がただ流れ続け、まるで意識したように遅くならない。しかし、俺は焦らず、少しずつ風の動きを感じ取ろうと試みる。広場に立ち、風を感じ取る。手を広げ、意識を集中させる。この試みがうまくいかなければ、次のステップには進めない。焦る気持ちを抑え、風の流れを遅くする感覚をつかむために、心を落ち着ける。

「よし、今度こそうまくいくはずだ。」

 だが、何も感じない。風はただ流れ続け、まるで自分が意識してもその流れに干渉できていないかのようだ。力を込めるものの、風は依然として強く、まったく変化を感じられない。

「ダメだ、全然うまくいかない…」

 再度集中し、風の流れに力を加えてみる。だが、その瞬間、風が強まりすぎて周囲の木々の枝が揺れる。体に痛みが走り、目を閉じる。力をコントロールできていないと感じるたびに、痛みが増していく。

「なんで、うまくいかないんだ…?」

 力を加えすぎたことが原因だとわかってはいる。だが、どこで力を抜けばいいのか、どれくらいの力を込めるべきなのかが掴めず、手探りで試すしかない。

 体に痛みが走り、息が乱れる。痛みを感じるたびに、その力が暴走し、再び周囲の空気が歪む。風は収束せず、ただ強くなるばかりだ。

「もう…だめか…?」

 そのとき、ふと思いついた。無理に力を込めるのではなく、力をもっと「引き寄せる」感覚を意識してみる。風そのものを止めようとするのではなく、風の流れを引き寄せ、その動きを遅くするように意識を変えるべきだ。

 再度、意識を集中させて試みる。だが、今度は力を引き寄せる感覚に注意を向けた途端、風の流れが急に変わり、体が痛みを感じる。またしても暴走してしまう。

「くっ……ダメだ、力が制御できない……」

 もう一度、呼吸を整え、心を落ち着けてから再挑戦。風の流れを穏やかに、確実に遅くする感覚を掴みたかった。だが、またしても失敗。

 今度は、風が急に強くなり、体がしびれるような痛みに襲われる。意識が遠くなるような感覚があり、力を込めすぎたことを反省する。無理に力を押し込めているわけではないのに、どうしても自分の力の制御がうまくいかない。

「なぜ、うまくいかない……?」

 その度に痛みが体を走り、冷や汗がにじむ。だが、焦りは禁物だ。少しずつでも確実に制御できるようにするしかない。力を使い続けることで、やっと少しずつ風の流れが遅くなる感覚がわかってきた。

 風の流れがわずかに鈍くなり、ようやく少しだけコントロールできたように感じる。だが、それはほんの一瞬のことだった。すぐに風が強くなり、また体に痛みが走る。

「これでうまくいくはずなのに……!」

 再度、意識を集中し、風の動きをつかみ取ろうとする。今度こそ、無理に力を加えずに、ゆっくりと風の流れを遅らせてみる。しかし、力を込めずにいると、逆に風が止まりすぎてしまい、完全に静寂が広がる。呼吸すらできないほど、空気が重く感じられる。

「うっ……!」

 体に不安を覚え、力を解除しようとするが、空気が元に戻るには時間がかかる。再び息苦しさを感じ、無理に力を抑え込んでしまう。思い通りにいかない自分に苛立ちを覚える。

「こんなことしてたら、試験に間に合わない……」

 失敗を繰り返しながらも、そのたびに新たな気づきがある。何度も力を使い、制御しようと試みる。だが、すぐにはうまくいかない。ほんの少しずつでも、力を使う感覚がつかめたような気がするが、それでも不安は消えない。

「次こそ、うまくいくはずだ。」

 また風を遅くする試みを続けるが、体はすでに疲れてきていた。次第に、少しずつ成果を感じられるようになるものの、今はまだ納得のいく結果は得られていない。

 広場での練習が終わり、少し体を休めていると、静かな足音が近づいてきた。振り向くと、そこにはダリアスが立っていた。レイピアを腰に差し、冷たい表情でこちらを見ている。

「フィリアス君。」

 彼の声はいつも通り、無感情で冷徹だ。

「ダリアスか。何か用か?」

 俺は少し気を抜いて答えた。今日も彼はあまり感情を表に出さず、どこか落ち着いた雰囲気を持っている。

 ダリアスは一歩近づき、俺の方をじっと見つめた。

「こんなところでなにしてるのかなって思ってね。」

 彼の目が、俺の手元や体の動きに注がれていることに気づく。

「風を操る練習だ。」

 俺は少し肩をすくめ、答えた。

「練習か。」

 ダリアスはそう言って、一歩踏み出す。

「君がそんなことをしているなんて意外だ。」

 その言葉に俺は少し眉をひそめた。彼は無表情のまま、俺を観察するように静かに立っている。

「意外だって、なんだ?」

 俺はその言葉に少しイラつきを覚えたが、あえて冷静を保つようにした。

 ダリアスは口元をわずかに引き上げる。

「別に、ただの興味だよ。君が力を持っていることには、前から気づいていた。でも、どうしてそれを使おうとしているのか、少し興味があっただけだ。」

 その言葉に俺は警戒心を抱いた。ダリアスの目に一瞬、鋭いものが宿ったのを見逃さなかった。何か裏がある。俺が試している力を、ただの好奇心で見ているわけではない。

「お前、俺の力に興味があるのか?ただ風を操る力だぞ?」

 俺は目を細めて尋ねた。

 ダリアスは無表情を崩さず、ゆっくりと答えた。

「風を操る力……ね。まぁ今はそう言うことにしとこうか」

 その言葉が頭に響いた。俺はダリアスの目をじっと見返しながら、内心で少し違和感を感じた。何か隠している。その視線に浮かぶ冷徹さに、どうしても引っかかるものがあった。

「どういうことだ?」

 俺はつい問い返すように言った。

「どうも、なんてことはないさ。」

 ダリアスは静かに歩き出す。その背中に俺の視線が追い付かず、気づけば彼の顔が一瞬だけ向けられていた。

「ただ、君が本気を出す前にどこまでできるか、それを見てみたかっただけだ。」

 その言葉に、俺の心がザワッとする。ダリアスは本気を出さない。もしかすると、今まで一度も全力を出したことがないのかもしれない。そのことが、俺の警戒心を一層強くさせる。

「お前はなぜ本気を出さないのか?」

 俺は思わず言葉を発していた。

 ダリアスは短く笑った。

「どうだろうな。本気を出す意味が無いから?かな」

 その言葉が引き金となり、俺の中で何かが警鐘を鳴らした。ダリアスが本気を出した時、どうなるのか。俺にはそれを知ることができなかった。しかし、これからのことを考えれば、彼が隠している何かを知っておく必要がある。

「頑張ってね、フィリアス君」

 ダリアスは振り返りながら、最後に俺に一言を残して去っていった。

 その冷ややかな笑みが、どこか不安を呼び起こす。

「あいつは一体どこまで理解しているんだ、警戒しなければ。」
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