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○月×日『差』★
しおりを挟む「ゃ、まって、ま……っ」
矢野くんとベッドの上。
ベッドに押し付けられて、矢野くんの体が上からのしかかる。
僕の意思は矢野くんに抑え込まれて、背後から挿入されて、ガツガツと腰を打ち付けられる。
「あっ、あっ」
力任せに根元まで入れられて、打ち付けられる度に激しくベッドが軋んだ。
「あっ、ゃ、いた、」
「痛くねぇだろ、すげぇよ、ゆずのここ…」
確かに、挿入に対する痛みはない。
けど、乱暴にされれば体は痛かった。
上から押さえつけられてて、体の自由はなかったから、矢野くんが好き放題にする。
「ゃ、さしく……して、っ」
顔をベッドに押し付けながらお願いしてみる。
「酷くしてないだろ?ゆずも気持ちいいだろ」
気持ちいいよ。
気持ちいいけど、
「ぁぁん……っ」
より一層激しく突かれて、射精した。
矢野くんが胎内から出ていって、背中に射精される。
ポタポタ飛沫が散って熱い。
「ぁ……はぁ、は……」
「大丈夫か?」
その気遣い、最中にできないのかな。
将平くんは僕の身体のいい所を探してくれる。
お互いが気持ちよくなるセックスをしてくれる。
矢野くんに仕返ししたくて始めた行為だから、気持ちよくなることが目的じゃないけど、将平くんはすごく優しくて、気持ちよくしてくれる。
比べるわけじゃないけど、セックスの質で言ったら矢野くんは将平くんの足元にも及ばない。
「大丈夫だよ」
矢野くんが僕の上からどいたのを確認してから体を起こす。
背中に射精されたのが気持ち悪い。
ティッシュを数枚取って手の届く範囲で拭いてみる。
「風呂入ってこいよ」
「そうする……」
矢野くんはベッドに寝転ぶとスマホゲームを始める。
精液つけたのは矢野くんなのに、放置って……。
渋々ベッドから下りると、下着だけつけて部屋を出た。
真っ直ぐ脱衣所にはいる。
今日は誰もいないからと矢野くんの部屋でした。
矢野くんのお父さんとお母さんは家にいることが少ないから心配はしてない。
けど、今は将平くんがいるから、少しだけドキドキする。
矢野くんのお兄さんだし、僕の協力者で、浮気相手だ。
鉢合わせはさすがに気まづい。
「はぁ……」
下着を脱いで、顔を上げると、正面にあった洗面台の鏡越しに青い瞳と目が合った。
「将……くん、」
「それ昂平がやったの?」
僕の背後に将平くんは立つと、ゆっくり舐めるように背中に視線を這わせてくる。
「うん……」
「昂平とセックスしてるんだ?」
「ん……」
そんなあからさまないやらしい視線で身体を眺められたら、恥ずかしい。
顔が熱い。
「ここ、きもちよかった?」
「ぁ、だめ……」
将平くんの手がお尻を撫でて、まだ濡れてるそこに指が侵入してくる。
「ゃ、ゃ……」
将平くんの指が動く。
グチュグチュ音が鳴る。
矢野くんが部屋にいるんだ、こんなことしちゃいけない。
だけど、気持ちが良くて、自分から腰を突き出して、もっといじって欲しくて脚を広げてしまう。
「ここ?」
将平くんが指を増やして、中を掻き回す。
「ぁぁ……そこ、そこ……っ」
洗面台にしがみついて、一生懸命声をかみ殺す。
それでも声が漏れてしまう。
「ほら、コレしゃぶってて」
将平くんが僕の口の中に指を入れる。
「んっんん、ぅ」
将平くんは僕のお尻を弄りながら、僕の舌も愛撫した。
将平くんの長い指に舌を絡ませて、一生懸命吸う。
唾液が零れて顎を伝うのも気にせず将平くんの指をしゃぶった。
「ほら、ィっていいよ」
グリグリと一番いい所を刺激されて、堪らず膝を震わせた。
お腹がビクビクと痙攣する。
「あ、すごい締め付けてくるなぁ。ちぎられちゃいそうだよ」
将平くんが耳元で囁く。
「あれ、沢山出たね。そんなに良かった?」
将平くんが僕の下半身を覗いて、色っぽい目で笑う。
「……よかった、」
口から指が抜かれると、素直な感想が溢れでる。
上目で将平くんを見ると、唇にキスされる。
「ん、」
心地よくて、将平くんの舌に自分の舌を絡ませる。
ズボン越しに将平くんの下半身に自分のお尻を擦り付けると、将平くんがキスしながら笑う。
「ダメだよ、さすがにコレ入れたら昂平にバレちゃうだろ」
そうだ。
将平くんのを入れられたら気持ちよくて、指やキスなんかじゃ口がふさがらないくらい喘いでしまいそうだ。
「ほしい……」
気持ちが口から出てしまう。
さっきまで矢野くんのが入ってたのに、今はこれが欲しくてたまらない。
でもダメなのはわかってる。
でも将平くんのが欲しくて、欲しくてたまらない。
どうしようもなくもどかしくて、僕は堪らずに将平くんの足元にしゃがみ込む。
「ちょっと、まこと…………はは、まったく、大胆だな」
将平くんのズボンに手をかけて、下着の中からそれを取り出すと、迷わず口にくわえた。
口内にそれを納めると、できるだけ喉の奥までくわえて、舌を絡めた。
将平くんのを頬張って、口の中が気持ちいい。
僕がこの行為をするとき、将平くんは髪を撫でてくれる。
髪を撫でながら、かわいいな、上手だよ、気持ちいいよって言ってくれて、僕はもっともっと将平くんを気持ちよくしたくなる。
「まこと、でるよ」
将平くんが予告してくれるけど、僕はそのまま行為を続けた。
将平くんはそんな僕の様子に、少し困ったよう笑ったけど、でも好きなようにさせてくれた。
「んむ、ぅ」
一番奥まで口の中に入れたところで、将平くんの腰が震えた。
口内に射精されて、えづきそうになったけど、頑張って耐えた。
「まこと、いいよ、」
射精し終わって、口から将平くんのが出ていくと、将平くんは僕の目尻に溜まった涙を拭ってくれた。
「無理しなくてよかったのに」
「……無理してないよ、したかったんだ」
本当はお尻に欲しかったけど……。
将平くんの手に自分の手を重ねた。
あったかくて心地いい。
「今度お返しするね」
将平くんがそう言いながら目を細めて笑う。
僕は恥ずかしくなって俯いた。
将平くんとの快楽に、どんどんハマっていってる。
前は、矢野くんがいるから嫌だと言っていたのが嘘みたいに、自分から将平くんを欲しがってる。
でも、これは仕返しなんだから、
仕返しなんだから、ハマらない程度には、繰り返し味わってもいいよね。
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