ジャージのおじさんチート異世界探検記

敗者の叫び

デンオークは絶対絶命のこのピンチになぜか勝ち誇った顔をしてこう言った。

「いいだろう。ゾンビ達の洗脳を解こう。だが、これだけは言っておく。洗脳を解く事はできても彼らの意思は変える事が出来ない。彼らの洗脳を解いて身体をゾンビから人間に戻せても一度壊された心は治らないんだよ。アマレット。」

そう言うとデンオークはゾンビ達の洗脳を解除した。

すると、ゾンビ達の死人のようだった顔色がどんどん良くなり、虚ろで白目を向いていた目も元に戻った。

しかし、洗脳から解放されたと言うのに人々の顔は暗いままだった。

そのなかには、涙を流し、アマレットに抗議する長身で頭に猫の耳を生やしたタレ目の女性がいた。

「なぜ、一思いに殺してくれなかったのですか。村を魔王軍に滅ぼされ、親も友人も失った私には生きる意味なんて無いんです。だけど私は自分で死ぬ勇気もなかった。だから、いっそゾンビになり、誰かに倒される事で皆の待つ天国に行こうと思ったのに。どうして
。」

アマレットは優しい口調でその女性に優しく語りかけた。