指名手配ヒーローマスクハンズの苦悩 マスクのむこうがわ

ビッグバン

文字の大きさ
1 / 10

序章

しおりを挟む
マスクそれはヒーロー達にとって命とも言える代物である。

ヒーロー達は象徴するシンボルでもあるそのマスクはヒーロー達にとって自分自身の存在そのものであり、むしろ、マスクが本体と言って良いほど重要なものである。

そんなヒーロー達の命であるマスクを一人剥ぎ取るヒーローがいた。

彼の名はマスクハンズ。世間からは怪人と言われ指名手配されながらも彼がなぜマスクを狩るのか。

今回はそんな彼の世間から被せられた怪人としてのマスクを剥がし、その素顔を迫ってみよう。

彼はいつも様子を伺っている次なるターゲットを探し闇に身を潜めてじっとその時を待っている。

そんな時、ターゲットとなるヒーローがやってきた。彼の名は剛力ヒーローマキシマム。
誰もが認める一流のヒーローで。真っ赤な炎の形の目と額に力コブの形のシンボル。ド派手な真っ赤なボロボロのマントをまとい、ムキムキの体に傷だらけの衣装がその強さを物語っている。

しかし、そんな彼ももう年であり、そろそろ引退しても良い年なのだが、彼のプライドが許さないのか。引退をしないのだ。

私がそんな事を考えているとついに奴が現れた。マスクを剥ぎ取る怪人マスクハンズ。彼のマスクは毎回違い剥ぎ取ったヒーローの物を身につけている。今回は最近失踪したベテランヒーロースカルビーの骸骨の額に蜂の紋章が入ったマスクをかぶっている。頭はスカルビーそのものだが明らかに違うものがあるそれは胴体だ。胸にはマスクの紋章にバツマークの付いたマスクハンズのマークがついている。それがオリジナルとは違う事を物語っていた。

マスクハンズはゆっくりとマキシマムに近づくと彼に向かってこう言った。

「マキシマム。お前にはもうそのマスクは似合わない。自分でもわかってるだろう。マキシマム。昔みたいに身体が動かない事に。年々弱くなって行く自分に。昔は絶対に揺らぐ事はなかった自信が最近は揺らいでいる事に。」

マスクハンズはマキシマムの目をじっと見つめなだめる様にこう言った。

「マキシマム。お前はもう十分頑張った。もういいんだ。誰かと戦わなくも良い。もう恐怖で引きつる顔や涙をマスクで隠さなくても良いんだ。お前のヒーローとしての誇りは後は私が受け継ごう。マスクを渡せ。お前には、素顔のお前を待つ家族がいるだろ。家族はマキシマムじゃなく素顔のお前を待っているんだ。マキシマムじゃなくなっても何も心配は要らん。さあマスクを渡せ。マキシマム」

マキシマムはマスクハンズを睨つけこう言った。

「誰にもの言ってやがる若造。俺は剛力ヒーローマキシマムだ。人々の希望であり、心の支えだ。俺が生きてる限り引退なんてできねぇよ。それでもこのマスクが欲しいってんなら力づくで奪ってみな。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...