十二支vs十二星座

誰のための戦い

その頃、会場ではとんでもない事が起こっていた。

どう言うつもりかな。か弱い少女をおっさん二人が取り囲んで。

西洋の最高神ゼウスは自慢のどんな敵も打ち倒すカミナリをオーディンの喉元に突き付けながらこう言った。

そして、イザナギも世界の創造に使ったと言われている矛をオーディンの背中に向けながらこう言った。
それはこちらのセリフだ。オーディン。我らの神聖な戦いに下品な刺客を送り込んでルールを破り、神聖な戦いを汚すとはどう言うつもりだ。

この戦いは12神の代表と相手の12神の代表合計24神で行うの決まりの儀式だぞ。そのルールを破った今、この戦いは意味をなさなくなった。これが意味する事の重大さがわかっているのか？オーディン。

オーディンは相変わらず緊張感のない顔でヘラヘラと笑いながらこう言った。

おーこわいねえ。そんなに怒らなくても良いじゃない。そもそもあの三名は僕の刺客でもなんでもないよ。無関係。攻めるならあそこの解説席に座ってるロキくんを攻めてよ。息子なんだからおっと一名にとっては母親だったか。

そもそもねえ。この戦い自体が間違ってると僕おもうんだよねえ。だって人間達の未来を決める戦いだって言うのに。肝心の人間達は何もしないわけでしょ。何もかも他人任せでこの戦いの主役の人間達が何もしないんじゃ。誰のための戦い？誰のための未来？ってなるでしょう。人間達の未来は人間達で掴んでもらわなくちゃね。

だから、結果的に良かったんじゃない。この一年間は我々神の力が直接下界に対して使えないわけだけど。ある意味それが当たり前だよね。自分達の未来は自分達で決めるすごく当たり前のことじゃないか。

その時、伝令の神であるヘルメスが慌ててこう言った。

大変です。ゼウス様、下界に神の力がばら撒かれ新たな神が地上で誕生しています。