十二支vs十二星座

鳥の手口 新たな戦い

ヘルメスは興奮した様子でこう言った。 
「皆さん、下のモニターをご覧下さい。 あまりの現実離れした光景に私も機械の故障かと思いましたが、これは現実です。最新の技術によって写し出された鳥の戦士鳥居 酉の真の姿なのです。」

そこにはあの十二支の中でもスピードにおいては一番と言われている。猪より早く動き、まるで鳥以外の時間が止まっている様な次元の違う素早さを見せている鳥がそこには写されていた。

これには会場中の神が我が目を疑い、機械の故障ではないかと思い、目の前の真実を疑った。仲間である東洋の神さえ、大口を開けて間抜け面を晒すほど驚いてる。普段鳥を臆病物と称して馬鹿にしている西洋側の神はこの事実を認められず、インチキだ反則行為を行ったんだと東洋側の神大黒天に抗議し始めた。西洋の神々はプライドが非常に高く、一度自分達より下に見た物を再評価したりする事できない。それは自分がその人物の事を過小評価していた事を認める事になる。それは、自分達の間違いを認めた事になる為、決して鳥を認めるわけにはいかないのだ。

ヘルメスはそんな西洋側の様子を見かねたのか大声で諭す様にこう言った。

「静粛に。皆さん席に戻って下さい。皆さんの言いたい事はよくわかります。自分達が普段馬鹿にしていた敵側の選手が思わぬ活躍を見せ、受け入れられないのよく分かります。ですが、だからと言って、敵チームに抗議するのは間違っています。むしろ、皆さんここは敵ながら、味方をも欺き、臆病物と蔑まれようが国の為に戦ってきた鳥に賞賛の言葉を送るはべきです。彼はそのあまりの速さからこの場にいる神々をすべて騙し、味方からも評価されず馬鹿にされ続けてきました。しかし、今回の大会においてカメラ機能の改善により遂にあの見向きもされなかった鳥の戦士にスポットライトが当たったんです。皆さん、敵ながら天晴れなこの男に拍手を送りましょう。」

すると、会場中から鳥に向けて拍手が送られた。それは、鳥の影の活躍が認められた瞬間だった。

会場がヘルメスの演説により暴動が収まり静かになったのを見計らい、大黒天はおそるおそる解説を再開した。
「ヘルメスさん。素晴らしい演説でした。ありがとうございました。ここからは東洋側の実況担当の大黒天の解説と予想を述べさせてもらいます。」

大黒天がヘルメスから解説役を引き継いだのは先ほどの暴動を抑える為に大声であんな長い演説を行って疲れているであろうヘルメスを気遣っての事だった。ヘルメスは大黒天のこの行為に感謝して、解説役を大黒天に任せた。

大黒天は慎重に言葉を選びながら解説し出した。

「皆さん、下のモニターをご覧ください。」　
そこにはすごい速さで鳥が動き、リブラを自分がいた位置まで運び込み、すごい速さでリブラのいた位置まで戻り、風圧に受け身を取りながらダメージを抑えながら吹き飛んで行く鳥の姿が映し出されていた。一方のリブラは一瞬で移動させられた事にに気付いたのか、目の前に槍が迫っているというのに一切顔色を変える事なく槍を回避しようとしたが、かわしきれずに微かに脇腹に槍がかすったとっさに瞬間移動をして、ダメージを抑えた様だ。

それを見た大黒天はこう言った。

「見てください。この鳥の勇姿を。見てくださいこの鮮やかな手口を。まるで一流のマジックを見ている様な見事な戦いぶりでした。そこからは、あの臆病物といわれ、動きも遅く、頭も悪く三歩歩けばすべて忘れると言われていた。鳥の姿はどこにもありません。」

そして、大黒天は補足説明を始めた。

「それでは、ここでルールのおさらいと選手のライフポイントの確認をいたします。今大会の勝利条件は4つ制限時間1日以内に相手チームのハチマキをすべて取るか、試合終了時に相手チームのハチマキをより多く取っていること。そして、相手に大ダメージを与え、ライフポイントをゼロにし、相手チーム全員を倒すか、試合終了時に生き残っているメンバーが相手より多ければ勝利となります。
ここで今重要なのはライフポイントとなります。マックスが10これがゼロになると自動的に失格となります。それではこれより以下に12支や12星座の残りライフを表示いたします。」

天秤座ライフ1ひんし
雄羊座羊に敗れ失格
水瓶座イノシシの攻撃に巻き込まれダメージを負うライフ7
以下の戦士は交戦していないため無傷

12支
イノシシリブラとの交戦によりライフ5

鳥攻撃をすべてかわしていたためライフ10

牛無傷ライフ10

羊 雄羊座を無傷で倒しライフ10

以下交戦していないため無傷となっております。

以上の様な結果となっております。

おっと、ここで新たに戦いが起きた様です。どうやら、次の対戦は蟹座と猿の様です。