十二支vs十二星座

楽園からの追放

その後、人類による謎の反乱は巳によって一瞬で鎮圧され、エデン史上初の反乱は呆気なく終わりを迎えた。

そして、このエデン始まって以来の大事件の責任を巡って西洋の神々の間で会議が行われた。

その会議は1神からしたら1時間程度にあたる10年間にわたって行われた。

西洋の神々はエデンの最高神のご機嫌をとるため、最高神が作り出した最高傑作である人類が誰かの手引きなしに間違いを犯すばすが無いと決め付けた。そして、西洋の最高神はさらに、調子に乗り、これは私を陥れる策略に違い無いと言い始めた。その結果、心の中ではよそ者で自分達より出世した巳を妬んでいた西洋の神々は、すぐに結託して巳の責任にしようと巳の陰謀に違い無いと最高神に訴え始めた。

巳は周囲の変貌ぶりに驚きながらも反論し、自分の無実を証明する為に、人類に直接事件に関する事について聞く事を提案した。

巳の提案は認められ人類の代表アダムに事件に関する事柄についての事情聴取が行われた。

人類代表のアダムは自分達を傷つけた巳を恨んでおり、密かに復讐の機会を伺っていた。人類はこのチャンスを逃すまいと最高神に向かってこう言った。

「最高神様。私達は騙されたのです。そこいる蛇道様（巳）に。我ら人類は蛇道様に最高神様によってあの禁断の果実を食する権利を与えられたと言われて食べたのです。すると、身体が勝手に動き出して動物達を傷つてしまったのです。蛇道様は自ら私達を唆して事件を起こし、それを解決したのです。全ては蛇道様の自作自演なのです。私達は操られていただけなんです。どうか、最高神様。こんな哀れな我らを許してください。」

この証言が決定的な決め手となり、会議の結果、巳は最高神の最高傑作である人類に過ちを犯させる事により、最高神の評判を下げ、さらに、自ら事件を解決する事により、自らの評判を上げ、最高神の座を奪おうとしたとされ、身体の手足を削ぎ落とされ、人類とともにエデンを追放されたのだった。

楽園を追放された巳はその当時、東の神々が気まぐれで創造し、失敗作を捨てるゴミ捨て場とかしていた現在の地上に人間達と共に廃棄された。

地上に廃棄された人類は自分達を倒した巳に復讐するチャンスを見逃さなかった。そして、手足をもがれ、地面を這うことしか出来ないほど弱った巳はなすすべもなく人類にさまざまな拷問を受ける事となった。

そして、神である巳は死ぬ事も出来ず、毎日人類に想像を絶する死ぬよりも辛い拷問を受けることとなった。

それは、何世代にも渡る長い時間休む事なく、行わられた。

その結果、巳の口は叫び過ぎにより耳まで裂け、その体はあざが鱗の様に固くなり、化け物の様な姿となった。

そして、その心も見た目以上に変わってしまっていた。

巳の変わり果てた姿を見た人間達はその姿に恐怖し、仲間達に話す事でその不安を和らげ用とした。その結果、巳の恐怖は次々と感染していき、巳の姿を見た事がない物にもその恐怖は伝わった。

しかも、人々は勝手に想像を膨らませ、巳の頭は8つあるだとか、山のように巨大で口から火を吐くだとか、勝手に付け足していき、最悪の怪物をつくりだしてしまった。その想像が現実になるとも知らずに。