最後の晩餐レストラン

ビッグバン

文字の大きさ
6 / 7

お子様ランチ 後編

しおりを挟む
それから僕は見た事ない初めての料理をお腹いっぱい食べて信号機見たいなお姉ちゃんと折り紙をしたりお手玉をしたかくれんぼや鬼ごっこをして遊んだ。

まだまだ遊んでいたいけどだんだん眠くなって来た。ああ。幸せだな。

坊主。そろそろ。風呂に入って寝るです。ほら一緒に入るです。

じゃあワシも一緒に。

セクハラ撲滅。

いべあ。冗談状態だから目にツノを突き刺さないで。
 
さあ。セクハラ親父は置いといて。早く行くです。店の奥が温泉になってるです。

言われるがままにキッチンの奥にある扉を開けるとそこは脱衣所だった。

ほら脱ぐです。バンザイ。

ちょっと。それぐらい自分でできるよ。

そうですか。それじゃあ。先に行って待っててやるです。

えっ。もう脱いだの早っ。ちょっ。置いてかないでよ。

ムノーは扉を開けて入って来た少年の身体を見てこう言った。

どうしたんです。その身体。全身あざだらけじゃないですか。

少年は不気味に笑いながらこう言った。

ああこれ。仕方ないんだよ。お父さん。機嫌が悪かったり。僕が体調崩してせきしたりすると殴ってくるんだ。  

仕方ないんだよ。僕は所詮家族じゃないから。自分では生きていけない程弱いから。耐えて笑うしか出来ないんだ。

それは辛かったですね。辛い事を思い出す時ぐらい泣いてもいいですよ。昔泣けなかったなら今ここで泣けばいいです。

泣ける時にないておかないと感情がなくなるです。顔が表情を作るのを忘れてしまうです。

ありがとうお姉さん。何で僕にここまで良くしてくれるの。

ムノーは身体に巻いていたバスタオルを投げてこう言った。

私も同じだからです。

ムノーの身体には少年より酷いあざがビシッリと刻まれ、色が変わり鋭い刃物で切り裂かれた様な傷が全身に広がっていた。

それを見た少年は涙を流しながらこう言った。

ありがとう。お姉ちゃん。僕を気づかってくれてこんな傷だらけでお姉ちゃんの方が僕よりずっと辛いのに。

ムノーは少年を抱きしめてこう言った。
優しいですね。呆れるほど。私何かの為に涙を流す何て。

お姉さん程じゃないよ。こんなケガしてるのに。僕の心配する何て。

ムノーはそっと少年の頭を撫でながらこう言った。

好きなだけ泣くがいいです。

少年は今まで心に貯めていた悲しみを吐き出す様に激しく泣き始めた。

ムノーはギュッと少年を抱きしめながらこう言った。

それで良いです。どんな悲しみも私が受け止めてあげるです。だから涙枯れるまで私はの胸で泣くがいいです。

胸?お姉ちゃん胸ないじゃん。

あっ。ちょっとごめん。痛い。痛いってば。

少年が泣き止むとムノーは少年の体と頭を洗い温泉に浸かって着替え寝室に向かった。

さあねるですよ。

布団は敷いてあるです。君の布団はそこです。じゃあ私は自分の部屋に戻るです。

あのお姉ちゃん。

何ですか。

わがまま言っても良いかな。

構わないですよ。何ですか。

一緒に寝てくれないかな。

良いですよ。

そう言うとムノーは少年の布団にそっと入った。

ありがとうお姉ちゃん。最後に名前呼びながら頭撫でてもらって良い。

良いですよ。名前は何ですか。

僕の名前は竜一。今日はありがとうお姉ちゃん。

さあ寝ますよ。明日になったら店の手伝いをして貰いますからね

お休みなさい。竜一

しかし、竜一は朝になると姿を消していた。

竜一は悔いが無くなり成仏したのだ。

ムノーは何事もなかった様に朝の身支度を済ませて店に向かった。

おはよう。アレムノーちゃん。昨日のお客様は。

竜一君ならお帰りになりましたよ。

えっ。そうなの。残念だなあ。今日は朝早くあの子の為にお子様ランチ作ったのに。はあ。うまく出来たのに。

それ。私がいただくです。

えっ。ムノーちゃんが。ムノーちゃん。お子様扱いされるの大嫌いじゃなかった。

良いからよこすです。それとちゃん付けするな。それに、お前床にめり込んだ出るのにどうやって料理したですか。


ああ。それはねワシ腕とか伸びるからね。料理はできるのよ。はっ。これ使って床から出ればよかった。よいしょ。やっと床から出れた。ムノーちゃん。それにしても珍しいね。マネキン見たいな君がここまで人に執着した姿が見れるなんて、はっさては恋でもしちゃった。お子様どうしでお似。

よこべし。ギャアァ。ムノーちゃん。だから目を目を角でつかないで。メガアメガアメガア。メガバイト。

ギャアァ。貴様的確に同じ所を。これツッコミなの。トドメなの。

ムノーはお子様ランチを食べながらこう思った。

竜一。おめでとうです。生き返れて良かったです。次はもっと大人になって楽しんでからくるですよ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

✿ 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 

設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀ 結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。 結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。 それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて しなかった。 呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。 それなのに、私と別れたくないなんて信じられない 世迷言を言ってくる夫。 だめだめ、信用できないからね~。 さようなら。 *******.✿..✿.******* ◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才   会社員 ◇ 日比野ひまり 32才 ◇ 石田唯    29才          滉星の同僚 ◇新堂冬也    25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社) 2025.4.11 完結 25649字 

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

処理中です...