暗渠 〜禁忌の廻流〜

角田智史

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 幾度となく、迷った。

 彼女がそこにいる事が僕に知れてからというもの、その気になれば、彼女とそんな事ができる。
 男であれば当然、それは考えるものであって、尚且つ、もう3年、思いを寄せている、そんな彼女がそこにいる事は、僕を平常心ではいられなくしていた。

 HPでそれを確認する度に、緑色のストーリーズが上がる度に、僕の心は揺れ動いていた。

 大事に思っていた。

 僕は正直、彼女と家庭を築く事、それも視野に入れていた。
 
 彼女と一緒にいたいというその気持ちは、会う度に変わる事はなかった。

 当然、そうなれば今の家庭を壊してまで一緒になる、そんな話であって、更には相手の3人の子供、更には母親の事も考慮しなければならない、僕にそんな大それた事ができるはずもなく、手も足も出ない、そんな感覚でいながらも、僕は会う度に、彼女を愛おしく感じていたである。
 それは何も単純に言葉で伝えきれるものでもなく、説明できるはずもない感覚ではあるけれども、どこか既に家族的な感覚も持ち合わせながら、男女としての、彼女の僕とどこか「違う」感覚に惹かれている事も間違いなかったし、一緒に何かをやろうとした時のピッタリと何かがハマるような感覚、馬が合う、そんな感覚も少なからずお互いに感じている部分でもあった。

 何より、自分自身がどうしたいのか。

 それを様々な物事で天秤にかけていくと、好きだという言葉も簡単に持ち出せるものではなかった。
 そんな言葉を投げかける事、そしてそれ以降、恋人のような存在になる事は夢見はするけれども、いざそうなった時の事が恐ろしくて仕方なかったのである。それはもう、僕自身が何も見えなくなる程に彼女を愛してしまう事が、分かり切っていたからだった。 
 そして更に、彼女の方もまた、僕に対しての距離間が詰まっていっている事が感覚として見てとれる中で、ほんの少しの一言や、ほんの少しの所作でも、発展していくその事を、僕は望みながらも、そうなった場合の事も頭によぎっていて、到底そういった類のアクションを起こす事は、僕から進んではできなかったのである。

 そんな中で知った彼女の今の仕事はこれ以上なく僕を悩ませた。
 単なる客として、金銭のやり取りを使って、そういった事をするのか、ではなくこのままの流れでそういった発展をさせていくのか。
 単なる客として対応すれば、先述した無用の悩みから解放されるような気もしていた。
 しかしながら僕の本当の心はどこに向かっているのか、それも分からなかった。天秤にかけていくその中で、どちらが正解で、どちらが不正解なのかなんて知る由もなかった。
 3年前のように抑えきれないような気持ちがあるわけでもなかった。ただそれでも、彼女と一緒になる、そんな未来を描いてしまっている自分も確かにいて、どれだけ考えを巡らせても、僕の中の何もかもがぶつかり合って、一向に答えは出てこなかったのである。
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