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この赤信号がいつまでもこのまま変わらなければいいのに。
朦朧とした頭の中でそんな事を思っていた。
僕の腕の中の白いダウンジャケット。すぐ下に見えるストレートの綺麗な黒髪からほのかにしてくるさおりの香り。
僕の胸にすっぽりと収まった彼女を強く抱きしめた。
この信号が青に変わってしまったら、さおりは横断歩道を渡っていってしまう。
「ねえもう信号変わっちゃうよ?」
「うん」
赤信号から青信号へ。
青信号が点滅して赤信号へ。
午前3時。
人気のない交差点で何度も繰り返すチカチカする青い光と、ぼんやりと淡く薄く照らす赤い光とが交互に切り替わる度に、僕はそれに気付いていても、いつまでもさおりを離さなかった。
朦朧とした頭の中でそんな事を思っていた。
僕の腕の中の白いダウンジャケット。すぐ下に見えるストレートの綺麗な黒髪からほのかにしてくるさおりの香り。
僕の胸にすっぽりと収まった彼女を強く抱きしめた。
この信号が青に変わってしまったら、さおりは横断歩道を渡っていってしまう。
「ねえもう信号変わっちゃうよ?」
「うん」
赤信号から青信号へ。
青信号が点滅して赤信号へ。
午前3時。
人気のない交差点で何度も繰り返すチカチカする青い光と、ぼんやりと淡く薄く照らす赤い光とが交互に切り替わる度に、僕はそれに気付いていても、いつまでもさおりを離さなかった。
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