或る数篇の恋の詩

永本雅

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逃げ水

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夢の中で私は貴方の夢を見る。
光と影と朝と夜。流れていく時間の約束。工事現場と君の傘。
返らない時間は桜と共に流れてサグラダファミリアの喧騒にかき消された。
十一桁の数字たちはクシャリと曲がってる。
夢が覚めたときに私は夢の傷を引きずって臆病で君の愛想笑いを満面の笑みと見間違う。
そんな勘違いをする僕だから覚めない夢を現実だなんて思ってる。
君が笑って手を引いて、夕日の沈む海岸を僕は笑って眺めては反対車線の事だと車が来るまで気付かない。
そうして車が来た時に僕は君を失いたくなくてそっち側に駆けていく。夕日が僕の影を作ったらまた反対車線に君がいた。
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