貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

文字の大きさ
9 / 370

作戦会議2

しおりを挟む
  外に出るとさっきまで集まっていた国民たちはバラックの下でみんな横になっていた。私の姿を見るとみんな立ち上がろうとするので「休んでて!命令よ!」と王族の権限を使って休ませた。

  畑に向かいもう一度トウモロコーンを詳しく見てみると、生育状況からやはり水も栄養も足りないようだ。しゃがんで土を掘ってみると細かな砂状で、どこまでもサラサラとした土と呼んでいいのか分からない赤い土が続いている。水分もほとんどない。

「カレン、何か分かったのか?」

  いつの間にか家族とじいやが後ろに立っていて、お父様に質問された。

「……土が悪すぎる。土を変えなきゃ植物は育たない。あと水が足りない」

  至極当たり前のことを言ったつもりだったけどみんなに驚かれた。かなり豊かな森に住んでいたせいか、土に良し悪しがあるのを知らなかったようだ。そしてそれなりの降水量のあった場所にいたので、植物に水をやるという感覚もなかった。

「なるほど……土の色が違うだけかと思っていたら、そんな違いもあったのか……」

「うん。森の土は黒かったんじゃない?土には目に見えない小さな微生物ってのがいて、それらが朽ちた木や葉っぱを分解して栄養にしてくれているの。でもこの土にはほとんどいないと思う」

  そう言うとみんなが驚きと無念さが入り交じったため息を吐いた。

「……大丈夫。私、決めた。この土地に森を作る。その為に土を作るよ!そしたら作物もぐんぐん育つから!」

「そんなに簡単に土が作れるのか?」

  決意を口にしても信じられないようで、お父様に聞かれる。

「簡単ではない……かな。でもいくらかは木が生えていたんでしょう?可能ならその切り株や根を掘り起こしたい。あとは今生きている植物や木を探したい」

「そうか……カレンがそう言うのならやろう。最近では体力を使わないように水汲み以外動かないようにしていたが、少し遠くまで行ってみるか。なんたって食事も一日三回に減っていたからな」

  ん?

「食事が減って一日三回?」

  そう聞けば元々の食事量は一日に五回~六回だったそうだ。どんだけ!?と思っていると、太陽がほとんど動いていないことに気付いた。一日の時間を聞くと四十八時間と言う。地球の二倍じゃん!さらに平均寿命を聞くと、この世界では二百歳前後と言うけどこの国には百歳を超える人がほとんどいなくなってしまったと言うじゃない!弱っている人から亡くなっているんだな……。私には貧乏暮らしのノウハウが豊富にある。やってやろうじゃない!

「そういえば、このトウモロコーンの葉っぱや茎はどうしているの?」

「茎は水分補給の為にかじっております。……ほとんど水分はありませんが……。葉っぱは尻拭きに使っておりますよ?」

  そうだ!トイレに行くとなんか使いにくいと思ってた!そうだ!トイレも考えなきゃ!なんか穴掘ってしてたよね?

「紙はないの?」

「紙など!高級すぎて王室くらいしか使えませんよ!シャイアーク国の王室ですらほとんど石版に文字を刻んでおりますよ?」

  まさかの文字版かー!うん……材料さえ確保したら作ってやるわよ……トイレもね。考えることが増えてキャパオーバーした私は唐突に話題を振った。

「今から川に行くことは出来る?」

「カレン……頭が疲れちゃったんだね」

  苦笑いのスイレン。さすが双子の弟だけあって見抜かれてる。

「ちちち違うわよ!川を確認したいだけよ!」

  そう強がれば、お父様とじいや、そして見たことのないものを見たいというスイレンと行くことになった。私は歩くと駄々をこねたけど、病み上がりだからと説得され使い込まれた荷車の荷台にスイレンと一緒に乗せられた。荷台には水を入れる為の革の袋の他に、私が何かを見つけ持ち帰る為の袋や入れ物を用意してもらった。初めての外の世界を怖がることなくはしゃぐスイレンと一緒に川にレッツゴーよ!
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...