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ジョーイさんの店へ
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カーラさんたちの話し合いの邪魔にならないよう少し離れた場所にいたが、無事に話し合いが終わったのかカーラさんを含めたみんながこちらに来た。いつの間にかニコライさんも話し合いに参加していたようである。
「カレンのおかげでお互いに有益な話し合いが出来た」
クジャは満足そうにそう言う。クジャとニコライさんが言うにはハーザルの街は小さいとはいえ市場のある街なので店の数は多いが、値段が高くて粗悪品を売っていたりボッタクリをするような店が多いらしく、取引はしているがあまり良い印象はないらしい。
そしてテックノン王国とリーンウン国も取引をしていることからいつもハーザルの街で待ち合わせをしていたが、二人ともこのリトールの町が大変気に入っているので次回からはここで待ち合わせをして取引をすることになったようだ。この町だけに品物を卸してハーザルの街や他の町の人間が来てしまわないように、ハーザルの街にも今まで通り物は卸すが値段はあちらの方を高くし、この町には格安で卸すという約束までカーラさんとしていた。それを聞いた町長のペーターさんは白目を剥きそうになっている。
「ニコライはな、手当り次第女を口説くどうしようもない奴だが、持ってくる品物に関してはどれも素晴らしく、とてつもなく目利きの力を持っているのだ」
それを聞いたカーラさんは「あたしはいつ口説かれるんだい?」と言って周囲を笑わせている。
「あぁカーラさん残念だ!先程『新婚旅行』という言葉を言っていたので、あなたはもう他の男のものだ。私なんかがつけ入る隙がない!」
とニコライさんも応戦し漫才のようになっている。
「クジャク嬢に褒められ私も鼻が高いです。そんな私が今一番注目しているのがやはりカレン嬢が持って来るものですね」
ひとしきり笑いあった後にニコライさんは語る。
「カレン嬢の作る物や持って来る物はどこにもない唯一無二の物が多い。そして性能や品質、使い勝手がとても良い。元々森の民の皆さんが器用なのもあるのでしょうが、どの物も素晴らしいのですよ」
と真面目な顔で語られ、気恥ずかしさでおどおどとしてしまう。そんな私をクジャは微笑んで見ていたけれど「自信を持て」と励まされた。
「さぁ次へ行くぞ」
ペーターさんにそう言われ私たちは移動をする。何軒かお店を見てエルザさんのお店にも寄ったが、エルザさんもまたその昔リーンウン国に行ったことがあるらしくクジャと会話が盛り上がっていた。そして最後に着いたのがジョーイさんのお店だ。
何やら真剣に黒板に文字を書いているようだが、ペーターさんが声をかけるとようやくこちらに気付く。だけど最初に目に入ったのが私とニコライさんだったからかまくし立てるように話し始めた。
「カレンちゃん!あの履物と帽子の注文がたくさん入ってるんだけど、今度はいつ来るの!?ニコライさんも!あの脱穀機が欲しいって反響がすごいよ!」
その言葉を聞いたクジャが一歩前に出るとジョーイさんはようやくクジャに気付いたようで、やはり見惚れて口を開けている。
「ジョーイ、こちらはリーンウン国の姫だ」
何回目か分からないクジャを紹介する言葉を聞く。するとジョーイさんは我にかえったようで口を開いた。
「リーンウン国!?……是非ともうちと取引をお願いします!」
腰を直角に折って頭を下げるジョーイさんを見てクジャは少し困ったように口を開いた。
「先程カーラ殿と話をまとめてしまってのぅ……」
「えぇ!?……ちなみに何を……?」
控え目に、でも恨めしそうにジョーイさんが聞くと、クジャは調味料や薬だと答え、それを聞いたジョーイさんは「カーラめ……!」激しく悔しがっている。そんなジョーイさんを苦笑いで見ていたクジャは店をみまわしジョーイさんに声をかけた。
「この店は雑貨を主に扱っておるのじゃな」
「あぁ、はい。……何でも売れる物は売る店です」
あまりにも正直すぎる返答にみんなが吹き出す。
「好みがあるので売れるかは保証できぬが、茶と茶器を売ってみる気はないか?」
茶という言葉に私が反応する。
「茶って、葉っぱを乾燥させたりしたもの?」
「そうじゃな。乾燥もさせるが蒸したり焙じたりもするが……それも知っておるのか」
クジャは呆れたように笑う。だけれど今の話を聞くと日本茶のように種類もあるようなのでジョーイさんに話しかける。
「ジョーイさん、絶対に買いよ。渋みや苦味、甘みを感じる飲み物で、口をさっぱりさせるから脂っこい食べ物を食べる時に飲むと良いわ。むしろ私が欲しいわ」
それを聞いたジョーイさんはすぐに「是非ともお願いします」と頭を下げた。クジャは笑って「あい分かった」と頷いている。
ヒーズル王国もだけれど、この町も嗜好品が広がって町の人が喜んでくれたら嬉しいわ。
「カレンのおかげでお互いに有益な話し合いが出来た」
クジャは満足そうにそう言う。クジャとニコライさんが言うにはハーザルの街は小さいとはいえ市場のある街なので店の数は多いが、値段が高くて粗悪品を売っていたりボッタクリをするような店が多いらしく、取引はしているがあまり良い印象はないらしい。
そしてテックノン王国とリーンウン国も取引をしていることからいつもハーザルの街で待ち合わせをしていたが、二人ともこのリトールの町が大変気に入っているので次回からはここで待ち合わせをして取引をすることになったようだ。この町だけに品物を卸してハーザルの街や他の町の人間が来てしまわないように、ハーザルの街にも今まで通り物は卸すが値段はあちらの方を高くし、この町には格安で卸すという約束までカーラさんとしていた。それを聞いた町長のペーターさんは白目を剥きそうになっている。
「ニコライはな、手当り次第女を口説くどうしようもない奴だが、持ってくる品物に関してはどれも素晴らしく、とてつもなく目利きの力を持っているのだ」
それを聞いたカーラさんは「あたしはいつ口説かれるんだい?」と言って周囲を笑わせている。
「あぁカーラさん残念だ!先程『新婚旅行』という言葉を言っていたので、あなたはもう他の男のものだ。私なんかがつけ入る隙がない!」
とニコライさんも応戦し漫才のようになっている。
「クジャク嬢に褒められ私も鼻が高いです。そんな私が今一番注目しているのがやはりカレン嬢が持って来るものですね」
ひとしきり笑いあった後にニコライさんは語る。
「カレン嬢の作る物や持って来る物はどこにもない唯一無二の物が多い。そして性能や品質、使い勝手がとても良い。元々森の民の皆さんが器用なのもあるのでしょうが、どの物も素晴らしいのですよ」
と真面目な顔で語られ、気恥ずかしさでおどおどとしてしまう。そんな私をクジャは微笑んで見ていたけれど「自信を持て」と励まされた。
「さぁ次へ行くぞ」
ペーターさんにそう言われ私たちは移動をする。何軒かお店を見てエルザさんのお店にも寄ったが、エルザさんもまたその昔リーンウン国に行ったことがあるらしくクジャと会話が盛り上がっていた。そして最後に着いたのがジョーイさんのお店だ。
何やら真剣に黒板に文字を書いているようだが、ペーターさんが声をかけるとようやくこちらに気付く。だけど最初に目に入ったのが私とニコライさんだったからかまくし立てるように話し始めた。
「カレンちゃん!あの履物と帽子の注文がたくさん入ってるんだけど、今度はいつ来るの!?ニコライさんも!あの脱穀機が欲しいって反響がすごいよ!」
その言葉を聞いたクジャが一歩前に出るとジョーイさんはようやくクジャに気付いたようで、やはり見惚れて口を開けている。
「ジョーイ、こちらはリーンウン国の姫だ」
何回目か分からないクジャを紹介する言葉を聞く。するとジョーイさんは我にかえったようで口を開いた。
「リーンウン国!?……是非ともうちと取引をお願いします!」
腰を直角に折って頭を下げるジョーイさんを見てクジャは少し困ったように口を開いた。
「先程カーラ殿と話をまとめてしまってのぅ……」
「えぇ!?……ちなみに何を……?」
控え目に、でも恨めしそうにジョーイさんが聞くと、クジャは調味料や薬だと答え、それを聞いたジョーイさんは「カーラめ……!」激しく悔しがっている。そんなジョーイさんを苦笑いで見ていたクジャは店をみまわしジョーイさんに声をかけた。
「この店は雑貨を主に扱っておるのじゃな」
「あぁ、はい。……何でも売れる物は売る店です」
あまりにも正直すぎる返答にみんなが吹き出す。
「好みがあるので売れるかは保証できぬが、茶と茶器を売ってみる気はないか?」
茶という言葉に私が反応する。
「茶って、葉っぱを乾燥させたりしたもの?」
「そうじゃな。乾燥もさせるが蒸したり焙じたりもするが……それも知っておるのか」
クジャは呆れたように笑う。だけれど今の話を聞くと日本茶のように種類もあるようなのでジョーイさんに話しかける。
「ジョーイさん、絶対に買いよ。渋みや苦味、甘みを感じる飲み物で、口をさっぱりさせるから脂っこい食べ物を食べる時に飲むと良いわ。むしろ私が欲しいわ」
それを聞いたジョーイさんはすぐに「是非ともお願いします」と頭を下げた。クジャは笑って「あい分かった」と頷いている。
ヒーズル王国もだけれど、この町も嗜好品が広がって町の人が喜んでくれたら嬉しいわ。
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