貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

文字の大きさ
127 / 370

休日②

しおりを挟む
 昼食が終わると午後からはどうしようかという声が上がる。昼寝をしたらどうかと提案したが、大人たちは「働いてもないのに寝れない」などと言う。基本的に真面目な民族なのだと改めて認識する。
 ただ農作業チームは受粉や収穫をしないといけない物があると思い出したように言い始め、子どもやお年寄りたちは昼寝を、大人たちは総出で農作業の手伝いをすることになった。ただし休日なのといつもよりも人数がいるので働くのは一時間と決め、ニコライさんから貰った砂時計を準備し昼寝と農作業が始まった。

────

「みんな!時間よ!」

 私は大声で畑に向かって叫ぶ。子どもたちは昼寝とは言ったが、私とスイレンはこの一時間リバーシの勝負をしていた。やはりスイレンは頭が良いので、数手先まで考えてコマを置く。私はやり慣れている分対策をするが、それでもスイレンとの勝率は五十パーセントである。

 私とスイレンは有意義な時間を過ごし、大人たちは収穫の喜びを楽しみ、子どもたちは昼寝から起きてくる。その子どもたちにまだ遊べるほど元気があるかと聞くと全員が肯定してくれる。

「よし!鬼ごっこをしましょう!」

 子どもの遊びの定番である鬼ごっこを提案すると「オニゴッコ?」と全員が首を傾げる。種類もあればご当地ルールもあるのでどうしようかと思ったが、美樹が住んでいた地域でのオーソドックスな鬼ごっこの説明をする。まずは鬼の役割について説明し、次にルールを説明する。

「まずは鬼を一人決めて全員が逃げるの。鬼に触られた人は新たに鬼となってみんなを追いかける。最後まで鬼にならずにいた人が勝ちよ」

 逃げる範囲はこの広場だけと言い、私が鬼となって実際にやり始めた。秒でスイレンをタッチし鬼にし、子どもたちを追いかけ回す。キャー!ワー!と騒ぐ子どもたちは楽しそうだ。そして今度は逃げるほうをやったが「鬼の美樹に逃げの美樹」と呼ばれていた私は最後まで逃げ残る。

 次に提案したのは助け鬼だ。これもご当地ルールがあるだろうが、美樹の地域では鬼がタッチすると子はアジトに連行され、連行された子たちは手を繋いで助けを求める。アジトには見張りの鬼がいるが、その見張りの隙をついて逃げている子が捕まっている子をタッチすると、タッチされた子までが逃げられる。

「実際にやってみましょう」

 スイレンを見張り役にし、まずは一人捕まえる。アジトはデーツの木にした。

「誰か助けに来るまでこの木から手を離せないの。逃げている誰かがあなたに触ったら、あなたは逃げられるわ」

 そうして始まった助け鬼だったが、運動神経がよろしくないスイレンは助けを捕まえることが出来ずに子たちはみんな逃げるので大いに盛り上がる。
 しかしこれを見ていたお父様がウズウズとし始めたようだ。

「私もやるぞ!」

 と突如逃げる子として乱入してきた。私たちとしてはやることは変わらないので受け入れたが、お父様の身体能力が凄すぎてタッチが出来ないのだ。追い詰めたと思ってもバック転や側転で逃げ、驚異的なスピードで走り回り子たちを助ける。体力のないスイレンは肩で息をし疲れきっている。

「一度休憩しましょう!」

 果実を食べながら休憩をしていると、見ていた大人たちも混ざりたいと言う。なので範囲を広げ森と畑、民たちの家とナーの花畑までの広範囲を使ってやることにしたが、私はじいやに鬼になって欲しいと頼んだ。シャガは自分から鬼になりたいと志願してきた。イチビは子をやるようだ。
 そして始まった助け鬼だが、大人が入ったことにより本気度が増す。私とシャガが子たちを追い、疲れきったスイレンはただ見ている見張りになり、じいや一人で鉄壁の守りをしている。その守備はさすがである。

 休憩前から走っている私もついに体力が尽きてじいやと見張りを交代した。するとじいやはとてつもないスピードで走り出し、次から次へと子たちを捕まえる。捕まえながらも見張りの補助までし、ついに私とスイレンとシャガの三人で見張りをすることになった。捕らえられた子たちは長い列となっているが、現在残りの子はお父様だけとなりじいやと攻防を繰り広げている。
 二人は私たちを飛び越え、空中ですら一応鬼ごっこをしようとしている。じいやが手を伸ばせばお父様は空中であろうとも体をひねりそれを躱す。地上に降り立つと、もはや何の映画を見ているんだろうというくらいじいやは手と足を駆使しお父様に触れようとするがお父様は見事にそれを避ける。私たちはただただ呆然とそれを見ているだけだ。

「……何をしているんだ?」

「お!?タデ!鬼ご「隙あり!」」

 戻って来たタデの一言でこうして鬼ごっこは終わった。じいやは全国民から賞賛の嵐を受け、悔しがったお父様はタデに八つ当たりの攻撃をし始め、今度はお父様とタデの攻防戦が始まったのだった。
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...