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カレンのお料理教室
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お母様たちは次はどんなことをするのかと目を輝かせ私の作業を見ている。けれど私はまずは収穫に行くことにする。
「少し畑に行ってくるわ」
そう言うとお母様たちは収穫を手伝ってくれると言う。見学していた民たちに盗み食いしないようにと冗談交じりに話し、畑で大量のトマトことトゥメィトゥを収穫し、追加で玉ねぎことオーニーオーンもいくつか収穫して広場へと戻る。
広場へ戻った私はオーニーオーンの皮を剥きみじん切りにしていく。お母様たちも手伝ってくれるがみんなで涙をにじませながら作業をするものだから、私たちはお互いを見て泣き笑いをする。そしてニンニクことガンリックも一つ一つ丁寧に皮を剥き、これもみじん切りにしていく。
次は主役のトゥメィトゥの番だ。たくさんのボウルなどを用意し、ヘタの部分だけ取り除いてひたすらざく切りにしていく。トゥメィトゥから出た水分もなるべくこぼさないようにボウルへと入れていく。
「さぁ次の工程に進むわよ」
リトールの町で購入した中華鍋をかなり大きくしたようなものを用意し火にかける。少量の油を入れて熱し、そこにみじん切りにしたガンリックを入れる。ジュワッという音と共にガンリックの香りが辺りに漂い、これだけで食欲をそそる。そこにみじん切りにしたオーニーオーンを投入する。鍋も大きければ量も多いので、大きめの木のしゃもじで焦げ付かないように注意しながらひたすら混ぜていき、オーニーオーンが透明になったところにざく切りにしたトゥメィトゥを全て入れる。
「この後が想像出来ないわ」
お母様たちは交代で混ぜるのを手伝ってくれるが、鍋を見ながら口々にそう言っている。
「でしょうね」
そういたずらっぽく言いながら先程作ったまだ味付けをしていないコンソメスープを投入する。周りで見学している民たちも「トゥメィトゥの汁物なんですね」などと言っているが違うのだ。意味ありげに微笑んであえて私は何も言わず、みんなでおやつの果実を食べながら鍋を見張る。
トゥメィトゥから水分が出て来るが混ぜながら煮詰め、また少しのコンソメスープを投入し塩胡椒で味付けをする。煮詰めるので薄味で大丈夫なのだが、味見をしたお母様は心配そうに鍋を見つめている。みんなが心配そうに見つめる中ひたすら加熱しある程度水分が飛んだところでみんなで鍋を降ろした。
「ちょうど昼時に完成したわね!」
鍋を見て喜ぶナズナさんだが、まだまだ完成ではないと告げると周りの人たちも「えぇ!?」と驚いていた。いつものようにシンプルな昼食を食べ終えたところで気合いを入れる。ここからはある意味力仕事だ。
タデに石臼を作ってもらってからは毎日誰かしらがムギンをムギン粉にしているので、物置小屋にはたくさんのムギン粉が保管されている。最初に育てていたムギンは粉にすると中力粉に近いのだが、育てていた期間が長い分、特にこれが余ってきているのだ。新しく購入したムギンも早いものはもう粉にし始めている。強力粉に近いものも少し持ち出した。
「さぁ力仕事の開始よ!」
民たちの夕食として出すのでものすごい量のムギン粉を前にまた気合いを入れる。たくさんのボウルを用意してもらい中力粉を入れ、少しの強力粉を混ぜる。完全に目分量だが細かいことは気にしない。一度フォークや箸などで軽く混ぜそこに塩と油を少量注ぎ、そして水を入れてまた混ぜる。少しずつ水を入れながらボウルの中でひたすら捏ねているとお母様たちも手伝ってくれる。絶対に水を入れすぎないように伝え無言で捏ねる。
手の空いている者にまな板でも乾燥した木の板でも良いので持ってきてもらうようにお願いし、布巾で拭いてからある程度まとまった生地を板に載せてさらに捏ねる。手伝ってくれているお母様たちはその生地の固さに不安から水を足そうとするがそれを止めて捏ね続け、丸くまとめてボウルに戻し濡れ布巾で蓋をする。
その間にまたムギン粉から同じものを作るので、捏ね続けている私たちは汗だくだ。二巡目の作業が終わる頃には最初の生地を休ませるのに良い時間が経っており、生地と生地とを入れ替える。木の板の上に打ち粉をまぶし、麺棒のような棒で生地を伸ばしていく。見たことのない料理の仕方にお母様たちは動揺を隠せないでいる。
最後に伸ばした生地を折り畳み包丁で切っていく。私は細いほうが好みだが、この量を切るには少々つらいので太めのサイズで切り揃え麺にする。全てを切り終える頃には夕食にちょうどいい時間となっていた。
湯を沸かし塩を入れ麺を茹でる。そうだ、作っているのはパスタだ。卵を使わなくても生パスタは作れるのである。二~三分茹でると麺が茹で上がり、湯切りしてトマトソースに入れる。この時にバジルことべージルを切って混ぜ合わせるが、苦手な人もいるかもしれないので寄せられるように大きめに切った。冷めてしまったトマトソースを加熱しながらパスタと混ぜれば、なんちゃってトマトソースのパスタが出来上がる。気付けば私の周りは見物人でごった返していた。
「こうやって食べると食べやすいのよ」
フォークでパスタをくるくると巻き口に入れる。少ない食材で作った割りにはかなり美味しい。作業の工程を最初から見ていたお母様たちは、全て見慣れたものから作られた全く見たことのない料理を「信じられない」と言いつつもペロリと平らげてくれた。でもみんなの分を作るとなると一日がかりなのは大変ね。疲れた分とても美味しく食べることができたわ。
「少し畑に行ってくるわ」
そう言うとお母様たちは収穫を手伝ってくれると言う。見学していた民たちに盗み食いしないようにと冗談交じりに話し、畑で大量のトマトことトゥメィトゥを収穫し、追加で玉ねぎことオーニーオーンもいくつか収穫して広場へと戻る。
広場へ戻った私はオーニーオーンの皮を剥きみじん切りにしていく。お母様たちも手伝ってくれるがみんなで涙をにじませながら作業をするものだから、私たちはお互いを見て泣き笑いをする。そしてニンニクことガンリックも一つ一つ丁寧に皮を剥き、これもみじん切りにしていく。
次は主役のトゥメィトゥの番だ。たくさんのボウルなどを用意し、ヘタの部分だけ取り除いてひたすらざく切りにしていく。トゥメィトゥから出た水分もなるべくこぼさないようにボウルへと入れていく。
「さぁ次の工程に進むわよ」
リトールの町で購入した中華鍋をかなり大きくしたようなものを用意し火にかける。少量の油を入れて熱し、そこにみじん切りにしたガンリックを入れる。ジュワッという音と共にガンリックの香りが辺りに漂い、これだけで食欲をそそる。そこにみじん切りにしたオーニーオーンを投入する。鍋も大きければ量も多いので、大きめの木のしゃもじで焦げ付かないように注意しながらひたすら混ぜていき、オーニーオーンが透明になったところにざく切りにしたトゥメィトゥを全て入れる。
「この後が想像出来ないわ」
お母様たちは交代で混ぜるのを手伝ってくれるが、鍋を見ながら口々にそう言っている。
「でしょうね」
そういたずらっぽく言いながら先程作ったまだ味付けをしていないコンソメスープを投入する。周りで見学している民たちも「トゥメィトゥの汁物なんですね」などと言っているが違うのだ。意味ありげに微笑んであえて私は何も言わず、みんなでおやつの果実を食べながら鍋を見張る。
トゥメィトゥから水分が出て来るが混ぜながら煮詰め、また少しのコンソメスープを投入し塩胡椒で味付けをする。煮詰めるので薄味で大丈夫なのだが、味見をしたお母様は心配そうに鍋を見つめている。みんなが心配そうに見つめる中ひたすら加熱しある程度水分が飛んだところでみんなで鍋を降ろした。
「ちょうど昼時に完成したわね!」
鍋を見て喜ぶナズナさんだが、まだまだ完成ではないと告げると周りの人たちも「えぇ!?」と驚いていた。いつものようにシンプルな昼食を食べ終えたところで気合いを入れる。ここからはある意味力仕事だ。
タデに石臼を作ってもらってからは毎日誰かしらがムギンをムギン粉にしているので、物置小屋にはたくさんのムギン粉が保管されている。最初に育てていたムギンは粉にすると中力粉に近いのだが、育てていた期間が長い分、特にこれが余ってきているのだ。新しく購入したムギンも早いものはもう粉にし始めている。強力粉に近いものも少し持ち出した。
「さぁ力仕事の開始よ!」
民たちの夕食として出すのでものすごい量のムギン粉を前にまた気合いを入れる。たくさんのボウルを用意してもらい中力粉を入れ、少しの強力粉を混ぜる。完全に目分量だが細かいことは気にしない。一度フォークや箸などで軽く混ぜそこに塩と油を少量注ぎ、そして水を入れてまた混ぜる。少しずつ水を入れながらボウルの中でひたすら捏ねているとお母様たちも手伝ってくれる。絶対に水を入れすぎないように伝え無言で捏ねる。
手の空いている者にまな板でも乾燥した木の板でも良いので持ってきてもらうようにお願いし、布巾で拭いてからある程度まとまった生地を板に載せてさらに捏ねる。手伝ってくれているお母様たちはその生地の固さに不安から水を足そうとするがそれを止めて捏ね続け、丸くまとめてボウルに戻し濡れ布巾で蓋をする。
その間にまたムギン粉から同じものを作るので、捏ね続けている私たちは汗だくだ。二巡目の作業が終わる頃には最初の生地を休ませるのに良い時間が経っており、生地と生地とを入れ替える。木の板の上に打ち粉をまぶし、麺棒のような棒で生地を伸ばしていく。見たことのない料理の仕方にお母様たちは動揺を隠せないでいる。
最後に伸ばした生地を折り畳み包丁で切っていく。私は細いほうが好みだが、この量を切るには少々つらいので太めのサイズで切り揃え麺にする。全てを切り終える頃には夕食にちょうどいい時間となっていた。
湯を沸かし塩を入れ麺を茹でる。そうだ、作っているのはパスタだ。卵を使わなくても生パスタは作れるのである。二~三分茹でると麺が茹で上がり、湯切りしてトマトソースに入れる。この時にバジルことべージルを切って混ぜ合わせるが、苦手な人もいるかもしれないので寄せられるように大きめに切った。冷めてしまったトマトソースを加熱しながらパスタと混ぜれば、なんちゃってトマトソースのパスタが出来上がる。気付けば私の周りは見物人でごった返していた。
「こうやって食べると食べやすいのよ」
フォークでパスタをくるくると巻き口に入れる。少ない食材で作った割りにはかなり美味しい。作業の工程を最初から見ていたお母様たちは、全て見慣れたものから作られた全く見たことのない料理を「信じられない」と言いつつもペロリと平らげてくれた。でもみんなの分を作るとなると一日がかりなのは大変ね。疲れた分とても美味しく食べることができたわ。
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