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メメたんの怒り
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メザシと別れた俺氏は、メメたんを自宅の中へと紳士的に案内した。実は女の子を家に入れたのは初めてだ。ドキドキと胸が高鳴る俺氏は、居間の座布団の上に座るメメたんに熱い視線を送る。
正直、土足で家に入ろうとしたメメたんに驚きつつも、絨毯となってあの足に踏まれたいと思ったが、そんなことは口が裂けても言えない。
メメたんは興味深そうに、静かに座りながらもあちこちをキョロキョロと見回している。俺氏もメメたんの視界に入りたいものだ。メメたんは俺氏を視界には入れてくれない。
そういえば俺氏は実況をしていたことを思い出した。パソコンは二階の自室にあるため、メメたんの向かい側に座りながらスマホで「兄ちゃん」を立ち上げた。
─────────────────────────
0817:真の紳士:20**/05/** 03:06:23
こちらスネーク
0818:真の紳士:20**/05/** 03:06:52
キタ━(゚∀゚)━!
0819:真の紳士:20**/05/** 03:07:09
イッチ無事か!?
0820:真の紳士:20**/05/** 03:07:25
はよ釣り宣言しろ
─────────────────────────
釣り宣言にイラっとした俺氏は証拠の画像を貼ろうと思ったが、さっき貼ったものしか最新の画像がなく少々落ち込んでしまう。
しかしほとんどの紳士たちは俺氏の帰還を喜んでくれ、俺氏はニヤけてしまう。
「……何ヲ先程カラ気持ちノ悪い顔デ見ているのデスカ?」
メメたん……気持ちの悪い顔って……。俺氏はメメたんの言葉責めに、新たな性癖を見出してしまう。
「あ、あのね、僕『兄ちゃん』って言う大型掲示板にメメたんの乗ってきたUFOを載せたんだけど……大丈夫だよ……ね……?」
俺氏が話していると、みるみるうちにメメたんは憤怒の表情になる。俺氏の言葉は恐怖から、最後の方は尻すぼみになり小声で震える。
「アナタは何ヲしているのデスカ!? 貸しなサイ!」
突如立ち上がったメメたんは、俺氏から強引にスマホを奪い取ると『兄ちゃん』を見ているようだった。真顔のメメたんの心中を察することは出来ないが、目に見えないオーラが感じられ、どうやら焦りと怒りが支配しているようだ。おもむろにメメたんは顔を上げる。
「……通信ハ……電波? ……ドコ……?」
メメたんはブツブツと呟きながら、何かを探るような仕草を見せルーターへと歩み寄った。
「コレカ……あァまどろっこシイ!」
そう叫ぶと壁のモジュラージャックからLANケーブルを引っこ抜き、自分の髪を突っ込んだ。そしてメメたんは目を瞑り眉間に皺を寄せて真剣な表情をしている。ツッコミを入れたいところだが、そんな雰囲気ではなくそっとメメたんに近付く。
メメたんの隣に俺氏のスマホが落ちているのを見つけそっと手に取ると、画面には『兄ちゃん』が表示されていた。
俺氏はメメたんが困るほどに相当ヤバいことをしてしまったのだとようやく気付き、どうしようかとただただ画面とメメたんを交互に見ていた。気付いたところで気の利かない俺氏にはどうすることも出来ないのだが。
数秒後、画面内の変化に気付いた。レス番の若い順から全て『あぼーん』と変化していってる。『あぼーん』で埋め尽くされたスレに事の重大さを再確認させられる。そして全レスが『あぼーん』に変わると、スレ自体が消えてしまった。ありえない現象に俺氏はカタカタと震え始めた。
しかしメメたんは「……マダ」と呟き、さっきよりも眉間に深い皺を寄せる。不安と恐怖で震えることしか出来ない俺氏はメメたんを見つめることしか出来ない。そのまま三十分ほどが経ち、グスグスと半べそをかいていると、持っているスマホが段々と熱くなり始めた。
気のせいかと思っていたが、もはや素手で触るのが困難になってきた。そう思っていると、二階の自室から「ボンッ」と何かが爆発する音がした。それと同時にスマホも高熱で触ることが出来ず、思わず下に落としてしまった。
「……任務完了……」
小さく呟いたメメたんはモジュラージャックから髪を抜き、こちらに振り返った。
「……メメたん? 何を……?」
そう震える声で問いかけると、険しい表情でメメたんは口を開いた。
「アノ画像を全テ消去しまシタ。保存した画像モされた画像モ全てデス。量が多すギテ見た人ノ記憶消去マデは出来ませんデシタ」
「メメたん……ごめんね……」
反省からしゅん……と俯いた俺氏だったが、光速で顔を上げる。
「メメたん……? 今、画像消去って言った……? それと記憶消去って……」
なんだろう、猛烈に嫌な予感がする。
「ネットワークに繋がっタおかげデ言葉モだいブ覚えまシタ。アノ画像を保存シタハードディスクといウモのを全テ再起不能にしまシタ。スマートフォンは全画像を完全消去しまシタ」
「…………」
俺氏は突っ込むことも聞き返すことも出来ず、複雑な気持ちのまま呆然とするしかなかった。
俺氏のパソコンはハードディスクの破裂で済んだが、全国のあの画像を保存したり見た人の大多数はハードディスクやスマホが謎の現象で燃え上がったらしく、後にニュースになるくらいまさに本当の炎上騒ぎとなった。
正直、土足で家に入ろうとしたメメたんに驚きつつも、絨毯となってあの足に踏まれたいと思ったが、そんなことは口が裂けても言えない。
メメたんは興味深そうに、静かに座りながらもあちこちをキョロキョロと見回している。俺氏もメメたんの視界に入りたいものだ。メメたんは俺氏を視界には入れてくれない。
そういえば俺氏は実況をしていたことを思い出した。パソコンは二階の自室にあるため、メメたんの向かい側に座りながらスマホで「兄ちゃん」を立ち上げた。
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こちらスネーク
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キタ━(゚∀゚)━!
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イッチ無事か!?
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はよ釣り宣言しろ
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釣り宣言にイラっとした俺氏は証拠の画像を貼ろうと思ったが、さっき貼ったものしか最新の画像がなく少々落ち込んでしまう。
しかしほとんどの紳士たちは俺氏の帰還を喜んでくれ、俺氏はニヤけてしまう。
「……何ヲ先程カラ気持ちノ悪い顔デ見ているのデスカ?」
メメたん……気持ちの悪い顔って……。俺氏はメメたんの言葉責めに、新たな性癖を見出してしまう。
「あ、あのね、僕『兄ちゃん』って言う大型掲示板にメメたんの乗ってきたUFOを載せたんだけど……大丈夫だよ……ね……?」
俺氏が話していると、みるみるうちにメメたんは憤怒の表情になる。俺氏の言葉は恐怖から、最後の方は尻すぼみになり小声で震える。
「アナタは何ヲしているのデスカ!? 貸しなサイ!」
突如立ち上がったメメたんは、俺氏から強引にスマホを奪い取ると『兄ちゃん』を見ているようだった。真顔のメメたんの心中を察することは出来ないが、目に見えないオーラが感じられ、どうやら焦りと怒りが支配しているようだ。おもむろにメメたんは顔を上げる。
「……通信ハ……電波? ……ドコ……?」
メメたんはブツブツと呟きながら、何かを探るような仕草を見せルーターへと歩み寄った。
「コレカ……あァまどろっこシイ!」
そう叫ぶと壁のモジュラージャックからLANケーブルを引っこ抜き、自分の髪を突っ込んだ。そしてメメたんは目を瞑り眉間に皺を寄せて真剣な表情をしている。ツッコミを入れたいところだが、そんな雰囲気ではなくそっとメメたんに近付く。
メメたんの隣に俺氏のスマホが落ちているのを見つけそっと手に取ると、画面には『兄ちゃん』が表示されていた。
俺氏はメメたんが困るほどに相当ヤバいことをしてしまったのだとようやく気付き、どうしようかとただただ画面とメメたんを交互に見ていた。気付いたところで気の利かない俺氏にはどうすることも出来ないのだが。
数秒後、画面内の変化に気付いた。レス番の若い順から全て『あぼーん』と変化していってる。『あぼーん』で埋め尽くされたスレに事の重大さを再確認させられる。そして全レスが『あぼーん』に変わると、スレ自体が消えてしまった。ありえない現象に俺氏はカタカタと震え始めた。
しかしメメたんは「……マダ」と呟き、さっきよりも眉間に深い皺を寄せる。不安と恐怖で震えることしか出来ない俺氏はメメたんを見つめることしか出来ない。そのまま三十分ほどが経ち、グスグスと半べそをかいていると、持っているスマホが段々と熱くなり始めた。
気のせいかと思っていたが、もはや素手で触るのが困難になってきた。そう思っていると、二階の自室から「ボンッ」と何かが爆発する音がした。それと同時にスマホも高熱で触ることが出来ず、思わず下に落としてしまった。
「……任務完了……」
小さく呟いたメメたんはモジュラージャックから髪を抜き、こちらに振り返った。
「……メメたん? 何を……?」
そう震える声で問いかけると、険しい表情でメメたんは口を開いた。
「アノ画像を全テ消去しまシタ。保存した画像モされた画像モ全てデス。量が多すギテ見た人ノ記憶消去マデは出来ませんデシタ」
「メメたん……ごめんね……」
反省からしゅん……と俯いた俺氏だったが、光速で顔を上げる。
「メメたん……? 今、画像消去って言った……? それと記憶消去って……」
なんだろう、猛烈に嫌な予感がする。
「ネットワークに繋がっタおかげデ言葉モだいブ覚えまシタ。アノ画像を保存シタハードディスクといウモのを全テ再起不能にしまシタ。スマートフォンは全画像を完全消去しまシタ」
「…………」
俺氏は突っ込むことも聞き返すことも出来ず、複雑な気持ちのまま呆然とするしかなかった。
俺氏のパソコンはハードディスクの破裂で済んだが、全国のあの画像を保存したり見た人の大多数はハードディスクやスマホが謎の現象で燃え上がったらしく、後にニュースになるくらいまさに本当の炎上騒ぎとなった。
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