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事業計画〜猫カフェ・猫耳喫茶編〜
①
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「猫カフェはご存知だと思いますが、それを猫又さんに頼もうと思っています。普通の猫ではないので、まさに猫なで声で人に媚びて集客アップ大作戦です。最近は野良猫生活をしていると、保健所の人たちが来るそうで……野良で生きにくいという猫又さんの意見を聞きました……」
「確かになぁ~……」
猫又問題を聞き、考え込むゴンさんです。
「なので猫カフェにいれば、人のいる間は外とは違う狭い場所に閉じ込められますが、ご飯も食べれて居場所もできるのでwin-winかと……」
「win-winか……」
「あ……利害が一致と言いますか……」
「あぁ。元々ビジネス用語だ。知っている」
え? win-winってビジネス用語なんですか? 知りませんでした……。
「それで、猫耳喫茶とは?」
話しやすいようにサラッと話を振ってくれるゴンさんです。
「あ……はい。人型猫又さんを雇おうと思います。実は人間に憧れて人型になったものの、やっぱり人間の生活に慣れない猫又さんもいるらしいんです。
戸籍も取ったものの、人間社会の中で生活が困難だったりする猫又さんは、ホームレスになっちゃったりしているみたいなんです。全国の行方不明者リストの数パーセントは、戸籍を取った猫又さんや他の妖怪との噂も……」
統計を取ったわけではないですが、戸籍を取って行方不明になる妖怪はけっこういるらしいです。
「そんなことがあるのか……」
「なので、人間の生活に上手く溶け込んでる猫又さんと、そうじゃない困っている猫又さんを一緒に雇い、人間社会に適応できるようにするというか……私が言うなって話ですけど……。
そして人型猫又さんの一番の悩みが、気を抜くと耳が出ちゃうんですって。なので……耳を出したまま働けばいいと思いまして……」
「斬新すぎるだろう!」
それはもう大爆笑のゴンさんです。
「ゴンさんの会社で作ったリアル猫耳おもちゃとか言って、それを付けて働いてますって体にすればいいと思いました……」
「わはははは!」
笑いすぎて涙が出ているゴンさんです。
「エステもカフェも特別な資格がいらないからな! よし! 面白い! 採用!」
「……は?」
え? 聞き間違いですか? 今、採用って言いました?
「え?……えぇ!? でもまだ全部の内容を伝えてないですー!」
「なんだね? もっと面白い話があるのかい?」
まだ笑っているゴンさんですが、笑い上戸でしょうか?
「今はエステと美容院、猫カフェ等の話を優先的に進めたいんですが、何か他の仕事を思いついたら、その都度妖怪さんたちと話合ってお店をやろうと思っています。最終的には現代の妖怪横丁を目指してます」
あ、ゴンさんが真面目顔になりました。
「そしてその横丁で働くみんなが和気あいあいとすぐに集まれるように、そして出勤もラクになるように、働く場所の近くに妖怪長屋というか、妖怪マンションを作りたいなぁ~……なんて……」
興奮して話してしまいましたが、我にかえり段々と語尾が小さくなっちゃいます。
「ほ~……大きく出たなぁ……」
!! つい話に夢中になり熱く語ってしまいましたが、その『大きく出た』という言葉に反応してしまい、一気に普段の私に戻ります……。
「あの……あの……すみません……」
「なぜ謝るんだい? いいかい桃田さん? 夢や希望というのは、待ってたら叶うものではない。自分で動かなければ叶わないんだ。今までニートとして生活していたのなら、それを良く分かっているはずだ。
きっかけは無理やり家を出された事だが、そのおかげで妖怪たちと出会えて仕事をしようと思った。そしてトップクラスの妖怪のサポートもある。
そしてなにより、私と出会えた事で他のニートよりも夢を叶えられる可能性が格段に高くなった。チャンスを生かすんだ」
真面目に話してくれるその内容に、涙が出そうになります……。
「百合子。妖怪の総大将のワシと出会ったのも大きいぞ。友好的な妖怪はみんなワシと百合子の味方だ。一緒に頑張ろうじゃないか」
今までずっと話を聞いていたぬんさんが会話に入って来ました。その言葉を聞いて、ポロリと涙がこぼれてしまいました。するとポンっと現れる福の神さんですが、私を見てあたふたしてます。
「百合ちゃ~ん、泣かないで~」
「ぬん! ゴン! 百合子を泣かせるな!」
それまで大人しく座っていた萌さんとユキさんも、私のために騒ぎ始めました。それが嬉しくて、また涙がポロポロとこぼれます。
「も、桃田さん! 泣かんでくれ! 私は女性の涙に弱いのだ! それ以前に、コイツらが勘違いして暴れそうだ」
え? と顔を上げて見回すと、ゴンさんに対して皆さんは戦闘態勢です……。
「ちょちょちょ……ちょっと待ったー! ゴンさんに手を出したらダメです」
「でも百合子を泣かせた!」
目に見える位の冷気を纏ったユキさん。口元は笑っているけど目は笑っていない、尻尾を九本出した萌さん。真顔だけどいつもと纏う空気の違うぬんさん。そのぬんさんの肩の上でファイティングポーズの福の神さん。
これは全力で止めなければいけません。
「違いますから! 嬉し涙ですから! ゴンさんに何かしたら、皆さん絶交ですよ!」
「「「それは困る!」」」
皆さんはどうにか落ち着いてくれたようです。
「はぁ……桃田さん、薄々感づいてると思うが……こいつらには振り回されるぞ」
苦笑いで忠告をしてくれるゴンさんです。
「いえ……むしろ人間よりも裏表がなくて分かりやすいので、ある意味やりやすいです……」
私も苦笑いで返します。
「どういう意味「よ?」「だ?」「じゃ?」
褒めたつもりでしたが、三人は不満そうです。
「お前たち、落ち着け……。まだ桃田さんとの話は終わってないんだ……」
皆さんはハッとし、おとなしく席に座ってくれました。
「確かになぁ~……」
猫又問題を聞き、考え込むゴンさんです。
「なので猫カフェにいれば、人のいる間は外とは違う狭い場所に閉じ込められますが、ご飯も食べれて居場所もできるのでwin-winかと……」
「win-winか……」
「あ……利害が一致と言いますか……」
「あぁ。元々ビジネス用語だ。知っている」
え? win-winってビジネス用語なんですか? 知りませんでした……。
「それで、猫耳喫茶とは?」
話しやすいようにサラッと話を振ってくれるゴンさんです。
「あ……はい。人型猫又さんを雇おうと思います。実は人間に憧れて人型になったものの、やっぱり人間の生活に慣れない猫又さんもいるらしいんです。
戸籍も取ったものの、人間社会の中で生活が困難だったりする猫又さんは、ホームレスになっちゃったりしているみたいなんです。全国の行方不明者リストの数パーセントは、戸籍を取った猫又さんや他の妖怪との噂も……」
統計を取ったわけではないですが、戸籍を取って行方不明になる妖怪はけっこういるらしいです。
「そんなことがあるのか……」
「なので、人間の生活に上手く溶け込んでる猫又さんと、そうじゃない困っている猫又さんを一緒に雇い、人間社会に適応できるようにするというか……私が言うなって話ですけど……。
そして人型猫又さんの一番の悩みが、気を抜くと耳が出ちゃうんですって。なので……耳を出したまま働けばいいと思いまして……」
「斬新すぎるだろう!」
それはもう大爆笑のゴンさんです。
「ゴンさんの会社で作ったリアル猫耳おもちゃとか言って、それを付けて働いてますって体にすればいいと思いました……」
「わはははは!」
笑いすぎて涙が出ているゴンさんです。
「エステもカフェも特別な資格がいらないからな! よし! 面白い! 採用!」
「……は?」
え? 聞き間違いですか? 今、採用って言いました?
「え?……えぇ!? でもまだ全部の内容を伝えてないですー!」
「なんだね? もっと面白い話があるのかい?」
まだ笑っているゴンさんですが、笑い上戸でしょうか?
「今はエステと美容院、猫カフェ等の話を優先的に進めたいんですが、何か他の仕事を思いついたら、その都度妖怪さんたちと話合ってお店をやろうと思っています。最終的には現代の妖怪横丁を目指してます」
あ、ゴンさんが真面目顔になりました。
「そしてその横丁で働くみんなが和気あいあいとすぐに集まれるように、そして出勤もラクになるように、働く場所の近くに妖怪長屋というか、妖怪マンションを作りたいなぁ~……なんて……」
興奮して話してしまいましたが、我にかえり段々と語尾が小さくなっちゃいます。
「ほ~……大きく出たなぁ……」
!! つい話に夢中になり熱く語ってしまいましたが、その『大きく出た』という言葉に反応してしまい、一気に普段の私に戻ります……。
「あの……あの……すみません……」
「なぜ謝るんだい? いいかい桃田さん? 夢や希望というのは、待ってたら叶うものではない。自分で動かなければ叶わないんだ。今までニートとして生活していたのなら、それを良く分かっているはずだ。
きっかけは無理やり家を出された事だが、そのおかげで妖怪たちと出会えて仕事をしようと思った。そしてトップクラスの妖怪のサポートもある。
そしてなにより、私と出会えた事で他のニートよりも夢を叶えられる可能性が格段に高くなった。チャンスを生かすんだ」
真面目に話してくれるその内容に、涙が出そうになります……。
「百合子。妖怪の総大将のワシと出会ったのも大きいぞ。友好的な妖怪はみんなワシと百合子の味方だ。一緒に頑張ろうじゃないか」
今までずっと話を聞いていたぬんさんが会話に入って来ました。その言葉を聞いて、ポロリと涙がこぼれてしまいました。するとポンっと現れる福の神さんですが、私を見てあたふたしてます。
「百合ちゃ~ん、泣かないで~」
「ぬん! ゴン! 百合子を泣かせるな!」
それまで大人しく座っていた萌さんとユキさんも、私のために騒ぎ始めました。それが嬉しくて、また涙がポロポロとこぼれます。
「も、桃田さん! 泣かんでくれ! 私は女性の涙に弱いのだ! それ以前に、コイツらが勘違いして暴れそうだ」
え? と顔を上げて見回すと、ゴンさんに対して皆さんは戦闘態勢です……。
「ちょちょちょ……ちょっと待ったー! ゴンさんに手を出したらダメです」
「でも百合子を泣かせた!」
目に見える位の冷気を纏ったユキさん。口元は笑っているけど目は笑っていない、尻尾を九本出した萌さん。真顔だけどいつもと纏う空気の違うぬんさん。そのぬんさんの肩の上でファイティングポーズの福の神さん。
これは全力で止めなければいけません。
「違いますから! 嬉し涙ですから! ゴンさんに何かしたら、皆さん絶交ですよ!」
「「「それは困る!」」」
皆さんはどうにか落ち着いてくれたようです。
「はぁ……桃田さん、薄々感づいてると思うが……こいつらには振り回されるぞ」
苦笑いで忠告をしてくれるゴンさんです。
「いえ……むしろ人間よりも裏表がなくて分かりやすいので、ある意味やりやすいです……」
私も苦笑いで返します。
「どういう意味「よ?」「だ?」「じゃ?」
褒めたつもりでしたが、三人は不満そうです。
「お前たち、落ち着け……。まだ桃田さんとの話は終わってないんだ……」
皆さんはハッとし、おとなしく席に座ってくれました。
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