11 / 21
桜のあと
しおりを挟む
「3人で行きたい。2人なら力のある男性の方が良いかも。車椅子の遠出は初めてだから。」
と私は紙に書いた。
「そうね。力が強い人の方が安心かも。」
「じゃあ、僕行く。」
「行ってらっしゃい。」
春山さんに見送られて、櫻川さんと私は車椅子でお散歩に出かけた。
「検査以外で病棟から出たことないもんね。この辺も見たことないよね。ここはねー、いろんな備品が置いてあるところ。」
「なるべく人がいない所をいくよ。ここからでられるんだ。」
「ここの廊下は絵がたくさんあるよね。土曜だから誰もいない。」
櫻川さんの声は、後ろから優しく響いて途切れる事はなかった。今日の櫻川サンの声は軽やかで、少しはずんでいるみたい。
正面玄関にも人はまばらだった。
「やっぱり外はいいね。日に当たると暑いから、、この辺が良いかな。」
櫻川さんと私は、桜の季節が終わった後の、木々の呼吸感じながら、やわらかな風に吹かれていた。
ありふれた日常の景色も、安心できる人が側にいてその人が笑っていたらどこか華やぐのだ。
櫻川さんは、私の写真を1枚撮ってこう言った。
「HCUでの思い出ができたね。」
HCUへの帰り道も、櫻川さんはお話してくれた。HCUへ帰ってナースステーションの前を通ると、みんなが出迎えてくれた。
「えっ、外に行けたの?良かったね。」
「うん、うん、櫻川さんと一緒でよかったね。」
妊婦の長丘さん、小野さん、下沼さん、百瀬さんみんな優しい。
「あれ?写真1人で写ってる。櫻川さんと撮ってもらいなよ。」
「とってあげる。」
櫻川さんと私は小さな枠の中に収まった。
と私は紙に書いた。
「そうね。力が強い人の方が安心かも。」
「じゃあ、僕行く。」
「行ってらっしゃい。」
春山さんに見送られて、櫻川さんと私は車椅子でお散歩に出かけた。
「検査以外で病棟から出たことないもんね。この辺も見たことないよね。ここはねー、いろんな備品が置いてあるところ。」
「なるべく人がいない所をいくよ。ここからでられるんだ。」
「ここの廊下は絵がたくさんあるよね。土曜だから誰もいない。」
櫻川さんの声は、後ろから優しく響いて途切れる事はなかった。今日の櫻川サンの声は軽やかで、少しはずんでいるみたい。
正面玄関にも人はまばらだった。
「やっぱり外はいいね。日に当たると暑いから、、この辺が良いかな。」
櫻川さんと私は、桜の季節が終わった後の、木々の呼吸感じながら、やわらかな風に吹かれていた。
ありふれた日常の景色も、安心できる人が側にいてその人が笑っていたらどこか華やぐのだ。
櫻川さんは、私の写真を1枚撮ってこう言った。
「HCUでの思い出ができたね。」
HCUへの帰り道も、櫻川さんはお話してくれた。HCUへ帰ってナースステーションの前を通ると、みんなが出迎えてくれた。
「えっ、外に行けたの?良かったね。」
「うん、うん、櫻川さんと一緒でよかったね。」
妊婦の長丘さん、小野さん、下沼さん、百瀬さんみんな優しい。
「あれ?写真1人で写ってる。櫻川さんと撮ってもらいなよ。」
「とってあげる。」
櫻川さんと私は小さな枠の中に収まった。
11
あなたにおすすめの小説
十年目の結婚記念日
あさの紅茶
ライト文芸
結婚して十年目。
特別なことはなにもしない。
だけどふと思い立った妻は手紙をしたためることに……。
妻と夫の愛する気持ち。
短編です。
**********
このお話は他のサイトにも掲載しています
桜のあと 私の推しの美男子看護師さん番外編(リハビリ)
中川四角
ライト文芸
桜のあと 私の推しの美男子看護師さんの中に出てきたリハビリさんや、その上司の又モンとの楽しいリハビリ、低迷期の葛藤。いつも見守ってくれたイケメン琥太朗先生、そしてお別れの日。
僕の主治医さん
鏡野ゆう
ライト文芸
研修医の北川雛子先生が担当することになったのは、救急車で運び込まれた南山裕章さんという若き外務官僚さんでした。研修医さんと救急車で運ばれてきた患者さんとの恋の小話とちょっと不思議なあひるちゃんのお話。
【本編】+【アヒル事件簿】【事件です!】
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
白衣の下 第一章 悪魔的破天荒な医者と超真面目な女子大生の愛情物語り。先生無茶振りはやめてください‼️
高野マキ
ライト文芸
弟の主治医と女子大生の甘くて切ない愛情物語り。こんなに溺愛する相手にめぐり会う事は二度と無い。
お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。
可愛い上司
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
case1 先生の場合
私が助手についている、大学の教授は可愛い。
だからみんなに先生がどんなに可愛いか力説するんだけど、全然わかってもらえない。
なんで、なんだろ?
case2 課長の場合
うちの課長はいわゆるできる男って奴だ。
さらにはイケメン。
完璧すぎてたまに、同じ人間か疑いたくなる。
でもそんな彼には秘密があったのだ……。
マニアにはたまらない?
可愛い上司2タイプ。
あなたはどちらが好みですか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる