30 / 35
恋をしたら美しくなれる
しおりを挟む
琴は飛行機の中にいた。5日間の休みを取って来た。急な休みで上司や周りの人達は、困惑気味だったが、遠山恋奈が、できる限り琴のシフトに入ると申し出てくれたことで休みがもらえたのだ。
琴は、患者さんから貰った本をまた開いていた。
~ 魂の約束の相手なら、何があっても結ばれる。
琴はその1文が好きだ。主人公のデルフィンに自分を重ね合わせて、最後のハッピーエンドを噛み締める。この本をくれた患者さんは、
「何度もハッピーエンドを体感したようにイメージすると良いよ。」
と、琴に伝えていたのだ。琴は本を開いたまま、少しの間うとうとしていた。まどろみの中で誰かの声を聞いたような気がした。
「本当の自分になる時が来たのです。人目を気にしたり、周りに合わせてばかりでは、いつか苦しくなってしまうから。自信を持って。本当のあなたは美しい。」
そして、開かれた本の中から金色の粉のようなエネルギーがふわっと流れ出て、琴を包んだかと思うとサッと消えた。
七宮十斗は、打ち合わせで大忙しだった。夜は4時間寝られれば良い方だ。十斗は子供の頃から何不自由なく育ち欲しいものは何でも手に入った。だがそれは親から与えられたもの。十斗は今、自分の力で仕事を成功させる事に必死だった。
十斗の真剣さに、スタッフの士気も上がっていた。
パリに着いた琴はその足で、十斗の宿泊しているホテルに向かった。ホテルに着いたのは夕方だった。ホテルの部屋は空いておらず、冷たくあしらわれたが、七宮十斗の連れであると伝えると、ひとまず荷物だけは預かってくれる事になった。
ホテルの人は十斗に電話してくれたが繋がらす、連絡が取れたら琴にも連絡をくれる事になった。
琴はホテルの向かいのカフェで、飲み物を適当に頼んだ。飲み物が運ばれてくると、それが牛乳だとわかって苦笑いをする。
化粧室に向かい席にもどるとテーブルの上の携帯が無くなっていた。バッグは持って行ったので大丈夫だった。
琴はギャルソンにスマホが無くなった事を身振り手振りと英単語で伝えたが冷ややかな反応しか帰って来ない。
仕方なく十斗の泊まっているホテルとホテルの電話番号、自分の名前などを書いた紙をギャルソンに渡して、携帯が見つかったら連絡して欲しいと片言の英語で伝えたが伝わったかは定かではない。
カフェを出ると外はもう暗くなっていた。地図を見ながら交番?らしき場所を目指すが、ショートカットしようとして迷ってしまったみたいだ。何人かの人に道を聞こうと話しかけた。
知っているフランス語はアンフィルミエールくらいで、話せない。
琴はさらに細い路地に迷い込み、誰かに腕を引っ張られた。
琴は、患者さんから貰った本をまた開いていた。
~ 魂の約束の相手なら、何があっても結ばれる。
琴はその1文が好きだ。主人公のデルフィンに自分を重ね合わせて、最後のハッピーエンドを噛み締める。この本をくれた患者さんは、
「何度もハッピーエンドを体感したようにイメージすると良いよ。」
と、琴に伝えていたのだ。琴は本を開いたまま、少しの間うとうとしていた。まどろみの中で誰かの声を聞いたような気がした。
「本当の自分になる時が来たのです。人目を気にしたり、周りに合わせてばかりでは、いつか苦しくなってしまうから。自信を持って。本当のあなたは美しい。」
そして、開かれた本の中から金色の粉のようなエネルギーがふわっと流れ出て、琴を包んだかと思うとサッと消えた。
七宮十斗は、打ち合わせで大忙しだった。夜は4時間寝られれば良い方だ。十斗は子供の頃から何不自由なく育ち欲しいものは何でも手に入った。だがそれは親から与えられたもの。十斗は今、自分の力で仕事を成功させる事に必死だった。
十斗の真剣さに、スタッフの士気も上がっていた。
パリに着いた琴はその足で、十斗の宿泊しているホテルに向かった。ホテルに着いたのは夕方だった。ホテルの部屋は空いておらず、冷たくあしらわれたが、七宮十斗の連れであると伝えると、ひとまず荷物だけは預かってくれる事になった。
ホテルの人は十斗に電話してくれたが繋がらす、連絡が取れたら琴にも連絡をくれる事になった。
琴はホテルの向かいのカフェで、飲み物を適当に頼んだ。飲み物が運ばれてくると、それが牛乳だとわかって苦笑いをする。
化粧室に向かい席にもどるとテーブルの上の携帯が無くなっていた。バッグは持って行ったので大丈夫だった。
琴はギャルソンにスマホが無くなった事を身振り手振りと英単語で伝えたが冷ややかな反応しか帰って来ない。
仕方なく十斗の泊まっているホテルとホテルの電話番号、自分の名前などを書いた紙をギャルソンに渡して、携帯が見つかったら連絡して欲しいと片言の英語で伝えたが伝わったかは定かではない。
カフェを出ると外はもう暗くなっていた。地図を見ながら交番?らしき場所を目指すが、ショートカットしようとして迷ってしまったみたいだ。何人かの人に道を聞こうと話しかけた。
知っているフランス語はアンフィルミエールくらいで、話せない。
琴はさらに細い路地に迷い込み、誰かに腕を引っ張られた。
10
あなたにおすすめの小説
繰り返す夜と嘘 〜【実録】既婚の僕と後輩の彼女、あの夜のキスから始まった13年の秘密〜
まさき
恋愛
結婚して半年の僕と、同じ職場の彼女。
出会った頃は、ただの先輩と新入社員だった。
互いに意識しながらも、
数年間、距離を保ち続けた。
ただ見つめるだけの関係。
けれど――
ある夏の夜。
納涼会の帰り道。
僕が彼女の手を握った瞬間、
すべてが変わった。
これは恋でも、友情でもない。
けれど理性では止められない、
名前のない関係。
13年続いた秘密。
誓約書。
そして、5年の沈黙。
これは――
実際にあった「夜」の記録。
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)
Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
《完結》追放令嬢は氷の将軍に嫁ぐ ―25年の呪いを掘り当てた私―
月輝晃
恋愛
25年前、王国の空を覆った“黒い光”。
その日を境に、豊かな鉱脈は枯れ、
人々は「25年ごとに国が凍る」という不吉な伝承を語り継ぐようになった。
そして、今――再びその年が巡ってきた。
王太子の陰謀により、「呪われた鉱石を研究した罪」で断罪された公爵令嬢リゼル。
彼女は追放され、氷原にある北の砦へと送られる。
そこで出会ったのは、感情を失った“氷の将軍”セドリック。
無愛想な将軍、凍てつく土地、崩れゆく国。
けれど、リゼルの手で再び輝きを取り戻した一つの鉱石が、
25年続いた絶望の輪を、少しずつ断ち切っていく。
それは――愛と希望をも掘り当てる、運命の物語。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる