龍青学園GCSA -ぷち-

楓和

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第4章の11・条件はたったひとつだ…の ぷち話し

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ゴンザはここまで失敗続きだった。
しかしこの最終戦『ドッヂボール対決』でGCSAメンバーの内、一人でも痛め付ける事が出来れば作戦は成功と言える。

 〝おのれ竜沢、とことん馬鹿にしおって。奴だけは必ず倒す!〟

馬鹿にされた事に腹を立てているゴンザ。

 〝それに奴を倒せば川波のショックは大きい。与えられた任務を成功させる事にもなるしな〟

ゴンザは竜沢を痛め付ける作戦を練っていた。

 〝しかし我らの調べでは奴は痛みにすこぶる強い…〟

ちょっと違う。

 〝肉体的ダメージは効果なしかもしれぬ…〟

そうでもない。

 〝狙うは精神的ダメージだ。…ふっふっふっ、女を痛め付ければ奴は苦しむ〟

それは正解。

 〝つまり…裏切り者の女(くのいち)と天野流香を痛め付ければいい!〟

それって初めに言った『奴だけは必ず倒す』とはズレてますが。

 〝さすが頭領〟

とどめは自画自賛かよ。


 ドッヂボール対決の準備中、応援側に居る七月は、思考しているゴンザの方を見ていた。

 「…ん?どうしたんだ、七月。」

ジッと何かを見ている七月に気付いた学美は、七月の目線の先を見た。

 「…ゴンザ?」

ここで学美はやっと気付いた。そう、ゴンザは忍者姿なのだ!そして七月は忍者好き!

 「ま、まま、ま…まさか…!」
 「え?何?」

自分を指差してうろたえている学美に、不思議顔の七月。

 「あんたまさか!」
 「い、いや、だから何?」
 「忍者なら何でもいいのか?!」
 「………」

学美の言いたい事を理解した七月は、冷静に言い放つ。

 「敵忍者は皆クソよ。」
 「言い方ひでぇ…」

口の悪い七月に、ホッとするのを通り越して呆れる学美であった。
七月の両親よ、娘にもう少し柔らかい話し方を教えた方が良い。


 そしてドッヂボール対決が始まり、つくしや流香を攻撃しようとするゴンザ達だったが…

 〝くぅ!だ、駄目だ!〟

ことごとく失敗。もう避ける事で精一杯のゴンザ。

 〝と、とにかく避ける!〟

まぁそれしか出来ないな。

 〝か、必ず好機は来る!奴らの打ち合いにズレが生じれば…必ず!〟

セリフだけ見るとちょっとカッコ良い。
しかし…身体能力は高いが思考能力は低いゴンザは、避ける事に集中している内にそれだけが目的になってしまい、挙句の果てに甲の蹴りから放たれた凄まじいスピードのボールを避けた時にはドヤ顔までする始末。

 〝どうだGCSA!〟

どうもこうもない。
目的を見失ったゴンザは、結局誰一人痛め付ける事が出来ないまま、鏡の放った凄まじい威力のボールを顔面に食らい大きく宙を舞った。
ブラックマスクよ、彼には運動の前にもう少し勉強させた方が良い。


 一方、ゴンザが宙を舞う姿を目の当たりにした七月は、興奮して言い放つ。

 「よっしゃ!クソざまぁ!」
 「分かるけど…言い方ひでぇ。」

またも口の悪い七月に、呆れる学美であった。
七月の両親よ、娘にもう少し優しい言葉遣いを教えた方が良い。
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