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第5章の9「次は誰ですか?」
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鏡は左腕を押さえ、踊り場に立っていた。
足元には道後、階段上には早川、宇賀が倒れている。ついでに結構前にやられたゴンザは道後の近くに倒れている。
「あと二人…本当にすげぇ奴だな。」
利也は感心していた。いや、感心を通り越して畏怖すら感じていた。
「はぁ、はぁ…」
鏡に笑顔は無く、やや息が荒い。
鏡の左側にはすねに鉄甲を付けた男・荒銀(あらがね)、右側には両手に短刀を持つ男・羽田(はねだ)が構えている。
数分前…
「おうっ!」
階段上で、鏡に向かって右の飛び蹴りを出す道後。ここで鏡は、普通では考えない攻撃を出す。何と道後の右足にアッパーを当てたのだ。それと同時に、左側に体を素早くスライドした。
「ぬわっ?!」
意表を突かれた道後は空中でバランスを崩して上体から落下し、階段を転がり落ちる。
踊り場まで転がった道後を追い、階段をある程度下ってからジャンプする鏡。そして仰向けになった道後の腹部に左の拳を入れた。
「ぐぼぉおっ…!」
道後は動かなくなった。
「攻撃が単調になりましたね。」
鏡が呟く。利也はそれでやっと理解した。何故竜沢がわざわざ道後を怒らせたのかという事を。
「怒らせて初手を単調にさせた…そういう訳か。」
「一番大変そうな人を楽に倒せました。さて、次は誰ですか?」
鏡は無防備に、再び階段を上る。
「川波鏡と言えばボクシングが得意…なのに敢えて足場の悪い階段を上ってるって事は…てめぇら、なめられてるぞ。」
利也が早川ら四人を指す。
「さて、この失態…どうすんだ?」
利也に睨まれ、気を引き締める早川ら四人。
「く…確実に倒す!」
早川が出る。階段を少し下りた所でブーメランを右から左へ振る。投げるのではなく、鏡の頭部を殴り付けるつもりか。
これを軽くダッキングでかわしつつやや左側に動く鏡に、早川の後方から時間差で突っ込んで来ていた宇賀が、さすまたの様な武器で突いてきた。ダッキング後に頭を上げた鏡の首を狙っている。
その鋭く正確な突きを逆手に取り、頭を後方に下げつつ右腕を上げて右手首でさすまたを受けた鏡。正確過ぎて受け止め易かったのだ。
そして受けた瞬間手首を返してさすまたを握る。武器をつかまれた宇賀は階段に着地した後さすまたを思い切り引く。宇賀の方が鏡より一回り体が大きい事もあり、若干力負けした鏡は体勢を崩された。しかしそれでも武器を離さず、無理な体勢から左手のジャブを繰り出す鏡。顔、胸、腹にジャブをくらう宇賀。
その時、下からブーメランが飛んで来た。さすまたを持ったままの鏡の右腕にブーメランがヒット。
ブーメランをかわす為にさすまたを離すより、さすまたを離さずに宇賀に攻撃した方が確実に仕留められると判断した鏡は、ブーメランを受けた右腕の痛みに耐え、また、左腕の痛みにも耐えながら捻りを加えた左ストレートを宇賀の腹に叩き込む。
そこに、階段を駆け下りて近付いて来ていた荒銀の右上段蹴りが鏡の頭部目掛けてくる。左腕で防御するしかない。鏡は蹴りを受ける際、確実に来る痛みに対して構える。そう、左腕は亀裂骨折しているのだ。
宇賀を殴った時の数倍の痛みが鏡の左腕を襲う。一瞬鏡の顔が苦痛に歪むが、動きを止める訳にはいかない。階段下からは早川が階段に落ちているブーメランを拾い上げ、攻撃を仕掛けてきているからだ。
またもブーメランを右下から左上に振って来る早川。狙いはやはり鏡の頭部。
〝腕狙いの連発ですか〟
鏡は敵の狙いを分析していた。そう、早川達の真の狙いは鏡の頭部ではなく両腕。鏡の最強の武器が腕である事は明白。そこを潰せば、最悪自分達が負けても利也が容易に勝てる…そう考えている。
鏡は右手に持つさすまたの様な武器でブーメランを受け止めた。
「何っ?!」
驚く早川。さっきの左ストレートで宇賀は沈黙していたのだ。
宇賀から奪った武器で早川の武器に対応。若干さすまたの様な武器は折れ曲がったが右腕へのダメージは軽減。武器の威力が無くなるその刹那のタイミング…右手の武器を離し、体を捻った鏡はそのままの勢いで早川の顔面に左ストレートを入れた。鏡の表情が曇る。吹っ飛んで階段の手すりに激突する早川。
そこへ荒銀の左上段蹴りが来た。ストレートを入れた後の不利な体勢で右肩に蹴りを受けた鏡は、バランスを崩して踊り場まで落ちる。
そこに両手に短刀を持つ羽田が、階段上に倒れた宇賀と階段下に倒れているゴンザの体を飛び越えて踊り場に着地し、転げながらも受け身を取って直ぐに立ち上がる鏡の右側についた。
一定の距離を保ちながら後ろに下がる羽田と、少しずつ右に移動する鏡。階段上から徐々に下りて来て鏡の左側に来る荒銀。
「はぁ、はぁ…」
左腕を押さえる鏡の息が上がっていた。
そして今…
呼吸を合わせ、羽田と荒銀が同時に鏡に襲い掛かる。
「…はぁっ!」
鉄甲が鏡の頭部目掛けて近付く。荒銀の右上段回し蹴りだ。更に鏡の腹部目掛けて短刀が迫る。羽田の鋭い突きだ。
鏡は正面を向いたまま鉄甲をギリギリかわす程度に体を前屈し、同時に短刀で突いてきた羽田の左手首を右肘と右膝で挟む!
「うぐっ!」
左手首に激痛が走り、短刀を落とす羽田。
そして蹴りを空振りした荒銀は一回転して正面を向いた瞬間、鏡の左裏拳を顔面に受ける。裏拳にはそこまで威力は無かったが荒銀は一瞬怯んだ。
そこへ鏡の右足の前蹴りが腹部に炸裂。間髪入れずに振り向いた鏡は、右手で持つ短刀で突いてきた羽田の攻撃の軌道を冷静に見極め、上体を軽く右に曲げて空振りさせた後、左脇で羽田の腕を挟む。そして飛び膝蹴りを羽田の腹に入れる。腕を離すと羽田は後方によろけた。その羽田の顔面に鏡の右回し蹴りがヒットする。羽田は宙を一回転して踊り場から階段へ転がる。
荒銀は足がガクガクしており、最後は両膝を地に着いてゆっくりと前のめりに倒れた。
「川波鏡、噂を遥かに超える強さだな。」
もう利也に余裕は無く、その表情は険しくなっていた。
「だが…腕、もうまともに動かねぇようだな」
今の荒銀、羽田との戦い方で腕が思うように動かなくなっていると見極める利也。
「さて、どうでしょうかね。」
「最終ラウンド…やろうか。」
満身創痍の鏡に利也が近付く。
足元には道後、階段上には早川、宇賀が倒れている。ついでに結構前にやられたゴンザは道後の近くに倒れている。
「あと二人…本当にすげぇ奴だな。」
利也は感心していた。いや、感心を通り越して畏怖すら感じていた。
「はぁ、はぁ…」
鏡に笑顔は無く、やや息が荒い。
鏡の左側にはすねに鉄甲を付けた男・荒銀(あらがね)、右側には両手に短刀を持つ男・羽田(はねだ)が構えている。
数分前…
「おうっ!」
階段上で、鏡に向かって右の飛び蹴りを出す道後。ここで鏡は、普通では考えない攻撃を出す。何と道後の右足にアッパーを当てたのだ。それと同時に、左側に体を素早くスライドした。
「ぬわっ?!」
意表を突かれた道後は空中でバランスを崩して上体から落下し、階段を転がり落ちる。
踊り場まで転がった道後を追い、階段をある程度下ってからジャンプする鏡。そして仰向けになった道後の腹部に左の拳を入れた。
「ぐぼぉおっ…!」
道後は動かなくなった。
「攻撃が単調になりましたね。」
鏡が呟く。利也はそれでやっと理解した。何故竜沢がわざわざ道後を怒らせたのかという事を。
「怒らせて初手を単調にさせた…そういう訳か。」
「一番大変そうな人を楽に倒せました。さて、次は誰ですか?」
鏡は無防備に、再び階段を上る。
「川波鏡と言えばボクシングが得意…なのに敢えて足場の悪い階段を上ってるって事は…てめぇら、なめられてるぞ。」
利也が早川ら四人を指す。
「さて、この失態…どうすんだ?」
利也に睨まれ、気を引き締める早川ら四人。
「く…確実に倒す!」
早川が出る。階段を少し下りた所でブーメランを右から左へ振る。投げるのではなく、鏡の頭部を殴り付けるつもりか。
これを軽くダッキングでかわしつつやや左側に動く鏡に、早川の後方から時間差で突っ込んで来ていた宇賀が、さすまたの様な武器で突いてきた。ダッキング後に頭を上げた鏡の首を狙っている。
その鋭く正確な突きを逆手に取り、頭を後方に下げつつ右腕を上げて右手首でさすまたを受けた鏡。正確過ぎて受け止め易かったのだ。
そして受けた瞬間手首を返してさすまたを握る。武器をつかまれた宇賀は階段に着地した後さすまたを思い切り引く。宇賀の方が鏡より一回り体が大きい事もあり、若干力負けした鏡は体勢を崩された。しかしそれでも武器を離さず、無理な体勢から左手のジャブを繰り出す鏡。顔、胸、腹にジャブをくらう宇賀。
その時、下からブーメランが飛んで来た。さすまたを持ったままの鏡の右腕にブーメランがヒット。
ブーメランをかわす為にさすまたを離すより、さすまたを離さずに宇賀に攻撃した方が確実に仕留められると判断した鏡は、ブーメランを受けた右腕の痛みに耐え、また、左腕の痛みにも耐えながら捻りを加えた左ストレートを宇賀の腹に叩き込む。
そこに、階段を駆け下りて近付いて来ていた荒銀の右上段蹴りが鏡の頭部目掛けてくる。左腕で防御するしかない。鏡は蹴りを受ける際、確実に来る痛みに対して構える。そう、左腕は亀裂骨折しているのだ。
宇賀を殴った時の数倍の痛みが鏡の左腕を襲う。一瞬鏡の顔が苦痛に歪むが、動きを止める訳にはいかない。階段下からは早川が階段に落ちているブーメランを拾い上げ、攻撃を仕掛けてきているからだ。
またもブーメランを右下から左上に振って来る早川。狙いはやはり鏡の頭部。
〝腕狙いの連発ですか〟
鏡は敵の狙いを分析していた。そう、早川達の真の狙いは鏡の頭部ではなく両腕。鏡の最強の武器が腕である事は明白。そこを潰せば、最悪自分達が負けても利也が容易に勝てる…そう考えている。
鏡は右手に持つさすまたの様な武器でブーメランを受け止めた。
「何っ?!」
驚く早川。さっきの左ストレートで宇賀は沈黙していたのだ。
宇賀から奪った武器で早川の武器に対応。若干さすまたの様な武器は折れ曲がったが右腕へのダメージは軽減。武器の威力が無くなるその刹那のタイミング…右手の武器を離し、体を捻った鏡はそのままの勢いで早川の顔面に左ストレートを入れた。鏡の表情が曇る。吹っ飛んで階段の手すりに激突する早川。
そこへ荒銀の左上段蹴りが来た。ストレートを入れた後の不利な体勢で右肩に蹴りを受けた鏡は、バランスを崩して踊り場まで落ちる。
そこに両手に短刀を持つ羽田が、階段上に倒れた宇賀と階段下に倒れているゴンザの体を飛び越えて踊り場に着地し、転げながらも受け身を取って直ぐに立ち上がる鏡の右側についた。
一定の距離を保ちながら後ろに下がる羽田と、少しずつ右に移動する鏡。階段上から徐々に下りて来て鏡の左側に来る荒銀。
「はぁ、はぁ…」
左腕を押さえる鏡の息が上がっていた。
そして今…
呼吸を合わせ、羽田と荒銀が同時に鏡に襲い掛かる。
「…はぁっ!」
鉄甲が鏡の頭部目掛けて近付く。荒銀の右上段回し蹴りだ。更に鏡の腹部目掛けて短刀が迫る。羽田の鋭い突きだ。
鏡は正面を向いたまま鉄甲をギリギリかわす程度に体を前屈し、同時に短刀で突いてきた羽田の左手首を右肘と右膝で挟む!
「うぐっ!」
左手首に激痛が走り、短刀を落とす羽田。
そして蹴りを空振りした荒銀は一回転して正面を向いた瞬間、鏡の左裏拳を顔面に受ける。裏拳にはそこまで威力は無かったが荒銀は一瞬怯んだ。
そこへ鏡の右足の前蹴りが腹部に炸裂。間髪入れずに振り向いた鏡は、右手で持つ短刀で突いてきた羽田の攻撃の軌道を冷静に見極め、上体を軽く右に曲げて空振りさせた後、左脇で羽田の腕を挟む。そして飛び膝蹴りを羽田の腹に入れる。腕を離すと羽田は後方によろけた。その羽田の顔面に鏡の右回し蹴りがヒットする。羽田は宙を一回転して踊り場から階段へ転がる。
荒銀は足がガクガクしており、最後は両膝を地に着いてゆっくりと前のめりに倒れた。
「川波鏡、噂を遥かに超える強さだな。」
もう利也に余裕は無く、その表情は険しくなっていた。
「だが…腕、もうまともに動かねぇようだな」
今の荒銀、羽田との戦い方で腕が思うように動かなくなっていると見極める利也。
「さて、どうでしょうかね。」
「最終ラウンド…やろうか。」
満身創痍の鏡に利也が近付く。
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