異世界をつなぐ契約者

楓和

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第2章・第8話「空から聞こえる」

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 ロックの我儘からしばらく休憩をとった一行は、また川沿いを上流へ向かって歩き出していた。
上流まではまだ距離もあり、イオンも一心に進んでいたが、突然頭の中に声が聞こえて来た。

 《……て》
 「ん?今…」

イオンは、誰かが語り掛けているのを感じた。

 《…て……ここ》
 〝この頭に直接響いてくる感じ…。ミズリ様、何か聞こえませんか?〟
 《ん?》
 〝ミズリ様には聞こえてないんだ。誰だろう?ミズリ様の声は低くてよく響く声だけど、今の声は少し高くて綺麗…でも、何となく苦しそうな…〟

 《ここに…》
 「誰?!」

イオンが突然声を出したので、ジュウビ達は驚いた。

 「どうした、イオン。」
 「デカい虫でもいたか?!」

何故かちょっと笑顔のロック。

 「いえ…声が、聞こえるんです。」
 「声?」

ジュウビ達も立ち止まり、耳を澄ます。

 「…何も聞こえねぇぜ?」

一瞬で諦めるロック。

 「もう少し待って…」

その時、今度ははっきりと聞こえた。

 《ここに、きて》
 「今、ここに来てって聞こえましたよね!」

イオンがテンション高めに聞くも、誰もその声を聞いていなかった。

 「…イオン、どんな感じの声だ。」

ジュウビは疑う事無く、イオンに尋ねる。

 「ミズリ様達と同じ様に、頭に直接響くような…」
 《誰か聞こえたか?》
 《いや》
 《うーん、聞こえないー》
 《僕も》
 《何も聞こえないわね》

ミズリ様の問いに答えるカウム達。精獣達も聞こえていなかった。

 「私にだけ聞こえた…?」
 「…イオン、集中してもう一度聞いてくれ。」

ジュウビが信じてくれている事がちょっと嬉しいイオン。

 「うん。」

しばらくすると、また聞こえた。

 《ここに来て。手を貸して》
 〝ここって…どこですか?あなたは誰?〟
 《ここは空。私は…ソクギ》
 「空?!」

イオンは空を見上げた。何も見えなかったが、確かにその声は空から聞こえて来ていた。

 「空?!イオン、いったい…」
 「ソクギ…そう言ってました。」
 《ソクギだと!》

ミズリが驚き、カウム達は耳を疑った。

 《ソクギといえば、今迄誰もその声を聞いた事が無い、無音の精獣…》
 「え?」
 《本当にイオンが聞いた声がソクギだとしたら…》

ミズリはそこで話しを止めた。

 「だとしたら?ミズリ様?」
 《…イオン、お前はやはり異世界の》

ミズリがそこまで話した時、ジュウビ達は寒気が走るほどの気配を感じた。

 「何だ?!」
 「くっ!」

ロックとジュウビが気配がした上流の方を向いて構えた。

 《離れろ!》

ミズリが叫ぶ。その声に反応するも、既に遅し。
物凄い衝撃がジュウビ達を襲った。
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