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第十六章
道具を使った開発
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なんだかこのメンツ、久しぶりだな……。ドワーフ戦でドームランを調べた時だっけ? 俺はそう思いながら、作戦室に集まって貰ったステフ、スワッグ、アカリ、サオリといった面々を見渡した。
「……とまあこういう訳だからさ。取りあえずステフがこれを試してよ」
時刻は二日目の練習中、ガンス族戦で出た課題の克服を選手たちが頑張っている最中だ。作戦の説明を終えた俺は、懐から例の道具を取り出して潜入工作に長けたダスクエルフ、ステフに突きつける。
「なんでアタシなんだ?」
「いや身体の形状的に」
俺は彼女以外の面々を再度、見渡して当然だろ? という顔をする。
「なんかイヤだ。恥ずかしいし」
「それは最初だけだって! 大丈夫!」
「ステフならやれるぴよ」
気の良いグリフォン、その実体は風の精霊王の子、スワッグが相棒を勇気づけるかのように口添えをする。しかしステフは親友をむしろ裏切り者でも見るかのような目で睨んだ。
「気楽に言うな! あんなものを……敏感な場所に突っ込まれるんだぞ!?」
「もちろん、粘膜を傷つけないように慎重に挿入するよ」
「本当か? ちょっと……形、グロいぞ……」
「ああ、もう面倒くさいっすね。サオリ、やるぞ」
「お、おう!」
俺の道具との邂逅を拒むステフを見て、身体は長い癖に気は短いゴルルグ族が素早く動いた。
「ちょ! 何をすんだよ!」
「こっ、これで動けないでしょ」
「さあ、それぶっさしてやってください」
アカサオは滑らかな動きでステフの背後に周り、抵抗する少女を羽交い締め状態にした。
「くそ、変装を見破った時の意趣返しか!?」
「べっべつにそんなんじゃ……」
「これはあくまでも施術ですからねー。大丈夫ですよー」
ステフは必死に振り解こうとするが、尻尾まで使ってからみつくゴルルグ族を引き剥がすなど簡単な事ではない。
「じゃあ、入れるね……」
しかしこんんな状態で三本の首が言い合っていると、宇宙怪獣みたいだなあ、と思いながらも俺は道具をステフの穴に突き刺した。
「いやん、やだぁ! 中で動かさないでぇ!」
「そうは言ってもちゃんとポジションが決まらないとさ。あ、こうかな?」
「ぶえ!? あん、なんか出る!? 出る!?」
「そうだよ、ステフ。ぶわっと出しちゃえ」
「ちょおおおおとショーちゃん! 何を始めちゃってるのー!」
いい感じにステフの逆の鼻の穴から液が出始めた所で、そんな絶叫と共にシャマーさんが作戦室に乱入してきた。
~インセクターvsエルフ戦後。宮殿にて。その2~
「鼻の掃除……とな?」
「そー。ステフの右の鼻の穴にながーい管をさして、ふいごみたいなので液体を流し込んで、逆の穴から出してたの!」
「はっはっは! まさか『はなうがい』! 地球から異世界にやってきて、ヒロインにそんな事をさせる奴がいようとわな!」
「私、ショーちゃんが道具を使ったマニアックなプレイを、しかもステフ相手にやってるんだと思ってびっくりしちゃった」
「確かに声だけ聞いたらそうかもかのう。しかし何の為なのじゃ?」
「鼻の通りを良くして、匂いが分かるようにーとか」
「なるほど! いやはやショーキチ君はおもしろいなあ」
「笑い事じゃないわよ、ボクシー? 貴女たちに秘密、ショーちゃんが薄々気づいているってことだよ?」
「秘密……なあ。秘密にしとる訳でもないし、それに対して何かできるという訳でもなし。……できるのかや?」
「それがね……」
片方の鼻に穴に管を指し、逆の穴から液体――ちなみに中身は魔法の水薬、いわゆるヒーリングポーションなので安全である――と体液と諸々を吹き出しているステフの事情をシャマーさんに説明するのはなかなかに苦労した。
「えっと。つまりインセクターは女王が匂い……フェロモンって言ったっけ? で選手たちに指示を出している可能性があって、それをステフやアカサオに調べて欲しくて、それに際して鼻が利くようにステフの鼻を薬で洗浄して、私の体臭を嗅ぎ分けられるか試す予定だったのね?」
うわっ飲み込み早っ! 説明は大変だったけどシャマーさんの理解は恐ろしく簡単だった。
「あ、でも体臭の為だけにシャマーさんに来て貰った訳じゃないんですよ? ステフやアカサオの任務の際に、匂いを分析できる魔法の道具……なんかお持ちでないかな? と」
俺がそう訊ねると、シャマーさんは何時もの様に唇を摘みながらしばらく考え込み、口を開いた。
「無くはないわ。魔法の触媒にはしばしば香料なんかを使うし、その品質が一定であるか、比重や粒度や魔法伝導率が基準に合うものか調べる装置はあるから」
「えっ、そんなめんどくさい事してんの? 魔法なんてぶわーっとやってがーだろ?」
鼻から液体をぶわーっとやってがーっとしたダメージから少し回復したステフが茶化すように言う。お前、やっぱタフだな。
「存在そのものが魔法みたいなダスクエルフと一緒にしないでー。でも知ってどうするの?」
言葉の前半はステフに、後半は俺に向けてシャマーさんは言った。
「もしフェロモンを分析できたら、ピッチの選手より先にそれを察知して手を打ったり、或いは……こちらで別の匂いを発生させて、指揮系統に混乱を与えることができるかもしれないんです」
俺は分析の為に観た試合を思い出しながら説明を始めた。
「……とまあこういう訳だからさ。取りあえずステフがこれを試してよ」
時刻は二日目の練習中、ガンス族戦で出た課題の克服を選手たちが頑張っている最中だ。作戦の説明を終えた俺は、懐から例の道具を取り出して潜入工作に長けたダスクエルフ、ステフに突きつける。
「なんでアタシなんだ?」
「いや身体の形状的に」
俺は彼女以外の面々を再度、見渡して当然だろ? という顔をする。
「なんかイヤだ。恥ずかしいし」
「それは最初だけだって! 大丈夫!」
「ステフならやれるぴよ」
気の良いグリフォン、その実体は風の精霊王の子、スワッグが相棒を勇気づけるかのように口添えをする。しかしステフは親友をむしろ裏切り者でも見るかのような目で睨んだ。
「気楽に言うな! あんなものを……敏感な場所に突っ込まれるんだぞ!?」
「もちろん、粘膜を傷つけないように慎重に挿入するよ」
「本当か? ちょっと……形、グロいぞ……」
「ああ、もう面倒くさいっすね。サオリ、やるぞ」
「お、おう!」
俺の道具との邂逅を拒むステフを見て、身体は長い癖に気は短いゴルルグ族が素早く動いた。
「ちょ! 何をすんだよ!」
「こっ、これで動けないでしょ」
「さあ、それぶっさしてやってください」
アカサオは滑らかな動きでステフの背後に周り、抵抗する少女を羽交い締め状態にした。
「くそ、変装を見破った時の意趣返しか!?」
「べっべつにそんなんじゃ……」
「これはあくまでも施術ですからねー。大丈夫ですよー」
ステフは必死に振り解こうとするが、尻尾まで使ってからみつくゴルルグ族を引き剥がすなど簡単な事ではない。
「じゃあ、入れるね……」
しかしこんんな状態で三本の首が言い合っていると、宇宙怪獣みたいだなあ、と思いながらも俺は道具をステフの穴に突き刺した。
「いやん、やだぁ! 中で動かさないでぇ!」
「そうは言ってもちゃんとポジションが決まらないとさ。あ、こうかな?」
「ぶえ!? あん、なんか出る!? 出る!?」
「そうだよ、ステフ。ぶわっと出しちゃえ」
「ちょおおおおとショーちゃん! 何を始めちゃってるのー!」
いい感じにステフの逆の鼻の穴から液が出始めた所で、そんな絶叫と共にシャマーさんが作戦室に乱入してきた。
~インセクターvsエルフ戦後。宮殿にて。その2~
「鼻の掃除……とな?」
「そー。ステフの右の鼻の穴にながーい管をさして、ふいごみたいなので液体を流し込んで、逆の穴から出してたの!」
「はっはっは! まさか『はなうがい』! 地球から異世界にやってきて、ヒロインにそんな事をさせる奴がいようとわな!」
「私、ショーちゃんが道具を使ったマニアックなプレイを、しかもステフ相手にやってるんだと思ってびっくりしちゃった」
「確かに声だけ聞いたらそうかもかのう。しかし何の為なのじゃ?」
「鼻の通りを良くして、匂いが分かるようにーとか」
「なるほど! いやはやショーキチ君はおもしろいなあ」
「笑い事じゃないわよ、ボクシー? 貴女たちに秘密、ショーちゃんが薄々気づいているってことだよ?」
「秘密……なあ。秘密にしとる訳でもないし、それに対して何かできるという訳でもなし。……できるのかや?」
「それがね……」
片方の鼻に穴に管を指し、逆の穴から液体――ちなみに中身は魔法の水薬、いわゆるヒーリングポーションなので安全である――と体液と諸々を吹き出しているステフの事情をシャマーさんに説明するのはなかなかに苦労した。
「えっと。つまりインセクターは女王が匂い……フェロモンって言ったっけ? で選手たちに指示を出している可能性があって、それをステフやアカサオに調べて欲しくて、それに際して鼻が利くようにステフの鼻を薬で洗浄して、私の体臭を嗅ぎ分けられるか試す予定だったのね?」
うわっ飲み込み早っ! 説明は大変だったけどシャマーさんの理解は恐ろしく簡単だった。
「あ、でも体臭の為だけにシャマーさんに来て貰った訳じゃないんですよ? ステフやアカサオの任務の際に、匂いを分析できる魔法の道具……なんかお持ちでないかな? と」
俺がそう訊ねると、シャマーさんは何時もの様に唇を摘みながらしばらく考え込み、口を開いた。
「無くはないわ。魔法の触媒にはしばしば香料なんかを使うし、その品質が一定であるか、比重や粒度や魔法伝導率が基準に合うものか調べる装置はあるから」
「えっ、そんなめんどくさい事してんの? 魔法なんてぶわーっとやってがーだろ?」
鼻から液体をぶわーっとやってがーっとしたダメージから少し回復したステフが茶化すように言う。お前、やっぱタフだな。
「存在そのものが魔法みたいなダスクエルフと一緒にしないでー。でも知ってどうするの?」
言葉の前半はステフに、後半は俺に向けてシャマーさんは言った。
「もしフェロモンを分析できたら、ピッチの選手より先にそれを察知して手を打ったり、或いは……こちらで別の匂いを発生させて、指揮系統に混乱を与えることができるかもしれないんです」
俺は分析の為に観た試合を思い出しながら説明を始めた。
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