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ろ、ろろろ……ロリコンちゃうわ!
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……結局、弟子入りさせるしかないかと、諦めた俺である。
「……はぁ。とりあえず、お前の気持ちは分かったが、最低3年、下手すりゃもっと長く一緒に暮らさなきゃならんが、本当にいいの?」
「うんっ!わたし、お兄ちゃんとずっと一緒にいたいし!およめさんになるもん!」
眩い笑顔で可愛く言う幼女であった。
あれ?お嫁さんってなに?弟子になるんじゃないの?
「……あー、お嫁さんはどうか知らんが、取り敢えず弟子入りは認めようかと思う。だから、お前の名前を教えてくれるか?」
ここに来て俺ってば、この幼女の名前も知らねーわ。大丈夫なの?
「わたしのなまえはるい。神代 瑠依(かみしろ るい)です!」
元気よく、可愛らしく答える幼女……もとい、神代 瑠依。元気があってよろしい。
「……なるほど。ちなみに何才?」
「9さいですっ」
まさかの1桁だった。
……まぁ、このクソッたれな世界で魔法使いが能力に目覚めるのは大体、それくらいらしいし、問題ないとは思うが。
…….いや、やっぱり俺が弟子を持つとか、しかもそれが可愛い幼女であるとか、問題しかないわ。マジでクソッたれ。
「よし、じゃあ、神し「るいですっ」」
「……神しr「るいっ」」
「かm「るい」」
……なんなの?仮にも弟子入りしようとしてるんじゃないの?なんで、食い気味に名前で呼ばせようとするの?めんどくさい。
「わたしのことは、るいって呼んでくださいっ!」
追い討ちですか。そうですか。
「……瑠依」
「はいっ」
ようやく笑顔で返事をしたところで、俺はどこからともなく、一枚の紙を出現させ、瑠依へと手渡す。
「これに名前を書いて。一応聞くけど、字は書ける?」
「かけるよっ。きちんと漢字でかけるっ!おとうさんとたくさん練習したもんっ」
「……さいですか。じゃあ、頼むわ。ペンは使わず、指で書けばいいから」
「はぁい」
俺が瑠依に手渡したのは、国へと提出する書類である。
魔法使い師弟関係締結届
魔法使いが弟子をとる時、必ず提出しなければならないのだ。
……まさか、俺がこれを国へと提出する日がくるとは。
ちなみに、届出書は紙で出来てはいるが、魔法が施されており、破れないし、汚れない。
ペンを使わずとも、記入者の能力に反応して文字が浮かびあがり、書き損じた時は数回その部分をこすれば消えるが、書き終わり、拇印を押すと決して消えることはないと言う全く以て意味不明なものである。
「かけたよー!!」
どうやら瑠依は自分の名前をきちんとミスらずに書けた様で、どこか得意気に俺に用紙を突き付きけるのであった。
「うい。ちょっと確認するわ」
可愛いな、なんて思いながら用紙を受け取り、目を通す。
文字は丸みを帯びてはいるが、年の割には多分、上手に書けてると思われる。神代 瑠依と書くらしい。聞いた時から思ってはいたが、実際に文字で見ると凄い名前だな。
瑠依の記入を確認したあと、俺も自分の名前を右手の人差し指で書いて、人差し指の腹を押し付けた後、瑠依にも右手の人差し指の腹を同じ様に押し付けさせて届出書の記入は無事に完了したのであった。
それと同時に届出書はすぅっと目の前から消失する。
自動的に国の機関へと届けられたのだ。
「……あぁ、あれだ。一応、決まりだから言っておく。風祭 慶一郎は神代 瑠依を弟子として受け入れ、魔法やその他諸々を学ばせ、護り、鍛えることを特級魔法使いとして誓い、これを遵守する。今、ここに師弟の契は結ばれた」
……結ばれてしまったわけである。
☆
「とりあえず、瑠依の魔法のことを教えてもらえる?何ができんの?」
弟子となった幼女、瑠依へと問いかける。
「えっとね、言ったことが本当になるの」
返ってきたのはそんな言葉でした。
は?なに?言ったことが本当になる?
何それチート?
「……例えば?」
「えっとねー、いま、わたしがお兄ちゃんのでしになれたこととか」
ん?俺の弟子になれたことだと?
「は?俺の弟子になれたこと?」
思わず言葉を漏らしてしまった俺に対して瑠依は上機嫌に、そして少し得意気に返してくる。
「うん!だって、お兄ちゃん、わたしをでしに……ううん、誰もでしにする気なんてなかったでしょ?でも、わたしは言ったとおりお兄ちゃんのでしになれたよ?」
お、おう。なるほど……。
でも、魔法を使ったなら、俺、気付くし、俺に効かないんだけどな。
「なるほどな……。ってことはなに?俺のお嫁さんになるとかいうのもガチでヤバイ系なの?」
「えへへっ」
あまりの衝撃に焦る俺の言葉に満面の笑みを浮かべて返す瑠依ちゃん(9)。
……ま、なんとかなるだろ。まだまだ結婚出来る歳じゃないし、本当に好きになる相手が出てくるだろうし。
なんて、やり取りをしていたら、来客を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「はぁい!」
すると、瑠依が玄関へと向かって走ってゆく。
まぁ、郵便が宅配かなんかだろうと安心して、慢心し、瑠依の小さな背中を見送った自分自身を助走をつけて力いっぱいぶん殴りたい。
「ねぇ、この子、あんたのお嫁さんになるとか目をキラキラさせて言ってるけど、あんたってロリコンなの?」
ゴミを見るかのような冷たい視線を俺に向けてそんなことを言う、瑠依が迎え入れた顔見知りの女に向けて俺はこう返す。
「ろ、ろろろ、ロリコンちゃうわ!」
「……はぁ。とりあえず、お前の気持ちは分かったが、最低3年、下手すりゃもっと長く一緒に暮らさなきゃならんが、本当にいいの?」
「うんっ!わたし、お兄ちゃんとずっと一緒にいたいし!およめさんになるもん!」
眩い笑顔で可愛く言う幼女であった。
あれ?お嫁さんってなに?弟子になるんじゃないの?
「……あー、お嫁さんはどうか知らんが、取り敢えず弟子入りは認めようかと思う。だから、お前の名前を教えてくれるか?」
ここに来て俺ってば、この幼女の名前も知らねーわ。大丈夫なの?
「わたしのなまえはるい。神代 瑠依(かみしろ るい)です!」
元気よく、可愛らしく答える幼女……もとい、神代 瑠依。元気があってよろしい。
「……なるほど。ちなみに何才?」
「9さいですっ」
まさかの1桁だった。
……まぁ、このクソッたれな世界で魔法使いが能力に目覚めるのは大体、それくらいらしいし、問題ないとは思うが。
…….いや、やっぱり俺が弟子を持つとか、しかもそれが可愛い幼女であるとか、問題しかないわ。マジでクソッたれ。
「よし、じゃあ、神し「るいですっ」」
「……神しr「るいっ」」
「かm「るい」」
……なんなの?仮にも弟子入りしようとしてるんじゃないの?なんで、食い気味に名前で呼ばせようとするの?めんどくさい。
「わたしのことは、るいって呼んでくださいっ!」
追い討ちですか。そうですか。
「……瑠依」
「はいっ」
ようやく笑顔で返事をしたところで、俺はどこからともなく、一枚の紙を出現させ、瑠依へと手渡す。
「これに名前を書いて。一応聞くけど、字は書ける?」
「かけるよっ。きちんと漢字でかけるっ!おとうさんとたくさん練習したもんっ」
「……さいですか。じゃあ、頼むわ。ペンは使わず、指で書けばいいから」
「はぁい」
俺が瑠依に手渡したのは、国へと提出する書類である。
魔法使い師弟関係締結届
魔法使いが弟子をとる時、必ず提出しなければならないのだ。
……まさか、俺がこれを国へと提出する日がくるとは。
ちなみに、届出書は紙で出来てはいるが、魔法が施されており、破れないし、汚れない。
ペンを使わずとも、記入者の能力に反応して文字が浮かびあがり、書き損じた時は数回その部分をこすれば消えるが、書き終わり、拇印を押すと決して消えることはないと言う全く以て意味不明なものである。
「かけたよー!!」
どうやら瑠依は自分の名前をきちんとミスらずに書けた様で、どこか得意気に俺に用紙を突き付きけるのであった。
「うい。ちょっと確認するわ」
可愛いな、なんて思いながら用紙を受け取り、目を通す。
文字は丸みを帯びてはいるが、年の割には多分、上手に書けてると思われる。神代 瑠依と書くらしい。聞いた時から思ってはいたが、実際に文字で見ると凄い名前だな。
瑠依の記入を確認したあと、俺も自分の名前を右手の人差し指で書いて、人差し指の腹を押し付けた後、瑠依にも右手の人差し指の腹を同じ様に押し付けさせて届出書の記入は無事に完了したのであった。
それと同時に届出書はすぅっと目の前から消失する。
自動的に国の機関へと届けられたのだ。
「……あぁ、あれだ。一応、決まりだから言っておく。風祭 慶一郎は神代 瑠依を弟子として受け入れ、魔法やその他諸々を学ばせ、護り、鍛えることを特級魔法使いとして誓い、これを遵守する。今、ここに師弟の契は結ばれた」
……結ばれてしまったわけである。
☆
「とりあえず、瑠依の魔法のことを教えてもらえる?何ができんの?」
弟子となった幼女、瑠依へと問いかける。
「えっとね、言ったことが本当になるの」
返ってきたのはそんな言葉でした。
は?なに?言ったことが本当になる?
何それチート?
「……例えば?」
「えっとねー、いま、わたしがお兄ちゃんのでしになれたこととか」
ん?俺の弟子になれたことだと?
「は?俺の弟子になれたこと?」
思わず言葉を漏らしてしまった俺に対して瑠依は上機嫌に、そして少し得意気に返してくる。
「うん!だって、お兄ちゃん、わたしをでしに……ううん、誰もでしにする気なんてなかったでしょ?でも、わたしは言ったとおりお兄ちゃんのでしになれたよ?」
お、おう。なるほど……。
でも、魔法を使ったなら、俺、気付くし、俺に効かないんだけどな。
「なるほどな……。ってことはなに?俺のお嫁さんになるとかいうのもガチでヤバイ系なの?」
「えへへっ」
あまりの衝撃に焦る俺の言葉に満面の笑みを浮かべて返す瑠依ちゃん(9)。
……ま、なんとかなるだろ。まだまだ結婚出来る歳じゃないし、本当に好きになる相手が出てくるだろうし。
なんて、やり取りをしていたら、来客を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「はぁい!」
すると、瑠依が玄関へと向かって走ってゆく。
まぁ、郵便が宅配かなんかだろうと安心して、慢心し、瑠依の小さな背中を見送った自分自身を助走をつけて力いっぱいぶん殴りたい。
「ねぇ、この子、あんたのお嫁さんになるとか目をキラキラさせて言ってるけど、あんたってロリコンなの?」
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