ある日、幼女が弟子にしろと言ってきたのだが

まさ☆まさお

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幼女最強伝説の幕開け

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1人で行きたいと言う願望は儚くも叶わず、結局全員で行くことになった魔獣狩り。

迷いの森までは距離が近いため、歩いて向かうこととなり、今、まさに幼女2人+JC2人+俺と言う傍から見れば久々に集まった親戚の女の子たちの買い物に荷物持ちとして駆り出された哀れな男みたいなパーティで歩いている。

瑠依とあい、よく似た見た目の小さな2人に挟まれて歩く俺の少し後ろを上栫、有栖川の2人が歩く構図である。

「ししょー!かわいいうさぎさんが見たいです!ふわふわもふもふしたいです!」

「うん、見れるし、ふわふわもふもふできるよ」

俺の手をくいくいと引っ張った瑠依は、キラキラと瞳を輝かせながらワクワクドキドキと遊園地に向かうこどもの様な表情を浮かべて言ってきたので、俺は普通に答えた。

口に出して言ったら、確定事項なんだもん。

「やったー!!たのしみです!ししょー、はやくいくです!はやくはやく」

瑠依は俺の返した言葉が嬉しかったのか、ぴょんぴょんはねながらそう言うと、グイグイと俺の手を引っ張りながら駆け出す。

しかし、イケナイ!!

「あー、瑠依。危ないから走っちゃダメだぞ。走ったらうさぎ逃げちゃうからな」

適当なことを言って俺は瑠依を落ち着かせることにした。

だって、瑠依、あい、上栫が怪我したら、タダ働きだもの。
絶対役人どもは戦闘で負った傷じゃないって言っても、あーだこーだ言って認めないし。

「うぅ……うさぎさんにげちゃやだから、はしらないです」

俺の言葉を信じた瑠依は、しょぼんと少し残念そうな表情を浮かべて走るのをやめた。

……おうふ。何この罪悪感。

国め!絶対に許さない!

「ふふっ、瑠依はお子様だな。私はうさぎより、ドラゴンを平伏せた後、その背中に乗って飛び回りたいわ」

理不尽な国に対して、俺の怒りのボルテージが急上昇している時、瑠依とは逆側の俺の手を握るあいはそう言った。

ちなみに恋人つなぎである。俺がさせた訳では決してない。

つか、あいなら普通にやりそうだからこわい。

「なぁ、家を出る前にも言ったけど、お前ら戦闘禁止だからな?」

俺はそんなあいを含めた4人に言葉を投げる。

当たり前である。有栖川はかすり傷までなら瞑目するとか条件出てるけど、あの役人ども必ずこれは切り傷だから。とか、あーだこーだ言い掛かりつけて報酬を寄越さないから。国め!絶対に許さん(2回目)。

「……もし、襲われたらどうすんだ?反撃すんのもダメ?」

少し拗ねたような有栖川がそんな事を言ってきた。

「心配すんな。魔獣がどんな動きをしても、俺が絶対にお前を守り通してやるよ。指1本、毛1本、牙1本触れさせねぇよ」

俺は絶対に有栖川に戦闘して欲しくないため、らしくなくも真面目な顔でそう返した。

「……あ、う、うん……」

そしたら何故か顔を真っ赤にして、有栖川らしからぬ口調でたどたどしく返事をした後、俯いてしまったのである。

………を?なんだ?風邪気味か?体調悪いのか?

なんて、らしくない有栖川を少し、ほんの少し心配していたら、なんか、私、不機嫌です!といった表情の上栫に服を引っ張られて、こう言われた。

「……ふぅん。風音を守るのにそんなに真剣になるんだ。どうせ、あたしなんてついでなんでしょ?」

何故か少し涙目である。

馬鹿な事を言うんじゃない!

有栖川よりも、お前が一番心配なんだよ!

瑠依もあいもアレだから、転んだりしない限り怪我はしないだろうけど、お前の魔法は戦闘向きじゃないだろうが!しかも、傷一つ付いたらタダ働きっつークソゲー仕様なんだぞ。

「……なにを勘違いしてるか知らんが、お前より有栖川が大事だとかそんな問題じゃない。お前を守るのに手を抜くなんてあるわけない。むしろ、俺はお前の方こそ傷付いてもらいたくないからな。有栖川は魔法の都合上、戦闘には慣れてるだろうし。勘違いするなよ?俺はお前を全力で守るに決まってんだろ」

「う、うん。ほんと……?風音の方が大事とかじゃない……?」

「だから、そう言ってんだろ。どっちが大事じゃねぇんだよ!どっちも大事なんだよ!」

報酬が掛かってるからな!!

愛らしい顔を赤く染めて上目遣いに見つめてくる上栫にそうきちんと伝えた。

「ふふっ、女の敵だな師匠」

それを見ていたあいは、からからと楽しそうに笑いながらそう呟く。

は?やめろ。この4人が敵に回ったら、俺生きてけねーじゃんか。





と、あれからしおらしくなった女子中学生コンビは何故か、俺に身体を寄せながら歩いている。

なにがあったか知らんが、このクエストが終わったあと、なんか俺、痛い目に遭いそうな気がする。気のせいだと思いたい。気のせいだきっと。

と、そんな感じで歩いていたら鬱蒼と茂る森が見えてきた。

中に入ると、方向感覚が狂い、磁石すら効果がなく迷ってしまうと言われている、今回の目的地である、迷いの森が。
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