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瀬戸井街道
観光かよ
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「ちょっと、先輩。痛いです。抓らないで。」
「だって葛城。私、空ダメなの。」
「この計画を立てたの、先輩でしょ。」
「いゃぁぁ。」
ロープウェイで登って、ケーブルカーで降りてこようって企画したの南さんですよね。
なんで行きのロープウェイで貴女が怖がってるの?
お姉ちゃんの腕に無理矢理捕まっているし。
「私、高所恐怖症だったみたい。」
だったみたい?みたいって何?
そんなメジャーな恐怖症、その歳になるまで気が付かないの?
或いは、急性高所恐怖症が発症したのかな。
「今まで飛行機に乗っても、FUJIYAMAに乗っても平気だったのぉ。」
後者っぽいですね。
富士急ハイランドのジェットコースターは乗った事ありませんけど、なんでも替えの下着を売っているって聞いたことあります。
お漏らししちゃうくらい怖いんですね。
「コサキンDVDに有川くんの絶叫って巻があってね。怖がりの放送作家・有川周一くんを無理矢理FUJIYAMAに乗せて泣き叫ばせるってだけのDVD。」
「コンプラ違反もいいところのDVDですね。」
「大丈夫。番組も終わって、DVDも廃刊だから。」
社長はいつどんないかなる状況でも変わらないね。
でもですね。あのぅ。
今日は日曜日だから、お客さん多いですよぉ。
ゴンドラの中ではしゃぐと迷惑ですよぉ。
まぁ、ここのゴンドラって巨石の直ぐ上を結構な速度で登って行くから、その中途半端な高さ(低さ)と速度が(外から見てると)わりかし怖い。
でも、中だよ?
乗っちゃってるよ?
南さん。
「ふむ。来月の''脇''は房州往還にしようか。」
社長は社長で、いきなり何を言い出すのやら。
「…房州往還は何度かこの''脇''でも掠ってますけど、船橋から館山ですよ。長くないですか?里見のお姫様なら死んじゃう距離ですよ。」
里見公園には、ついこの間行ったばかりだ。
ウチの馬鹿親父大暴走の回。
あ、ボウソウ繋がりの交通事故だ。
「鋸山のロープウェイ。あれね。結構な高さと急勾配があるから、降りのゴンドラで前の方に陣取って下を眺めていると、高所恐怖症の人でなくともちょっと来るよ。桜玉吉なら金玉キュー。」
「鋸山かぁ。千葉県民だけど行った事ないなぁ。」
あと、下ネタは禁止!
「県外の特に旅番組に顕著だけど、千葉ではネズミの国や、マザー牧場に次ぐ観光地みたいだよ。僕らにはイマイチぴんと来ないけどね。あそこはフェリーがあるから、特急かアクアラインで行ってフェリーで帰るってパターンが都民と神奈川県民にはあるみたい。」
「なるほどね。」
「あの、先生…。何かくだらない無駄知識をください。」
「南さん、くだらないって言っちゃダメでしょ。」
「でも葛城。それが欲しいの。」
何いやらしい事言い出してんの?
この編集長。
「鋸山でどんな番組が収録されたかなら直ぐ出るよ。」
欲しいのだの、出るだの。
「笑福亭鶴光師匠なら、いくらでも下ネタに結びつけるよね。」
「だから私の頭の中を覗かないで。」
って言うか、私の思考が単純なのか。
シモ方面には中学生程度の発想力しか無いのか。
我ながら情け無い。
………
「先ず浮かんだのが、ゲームセンターCXだな。確か有野がたまゲーで、ゲームコーナーの景品にあったアダルトビデオを取ろうとしてたら、観光に来てた子供達に囲まれてしまい、必死に誤魔化してた。」
「あの。このゴンドラにもお子様いらっしゃるので社長。」
30秒前まで私も下ネタを考えていたけど、自分の事を上げる棚ならたくさんあるぞ。
私の周りには、そんな人ばかりだ。
「確か番組スタッフの谷澤さん、通称タニーの紹介じゃなかったかな。たまゲーにはロケバスじゃなく自前のバイクで走ってくる太ったおじさん。」
「知らんがな。」
「スタッフだか業者だかがミスして、そのお詫びに鰻重を差し入れした時に、タニーの分だけ大盛りだったそうな。」
「知らんがな。私達には石ちゃんがいるから、これ以上大食いキャラを増やさないでよ。」
そうか。
石ちゃんこと三丸さんにもご挨拶に行かないとね。
社長の悪巧みで親戚付き合いが復活した事に、お義父さんは大喜びだったし。
「あと、みうらじゅんが勝手に観光協会で来てるね。」
「出た。みうらじゅん。」
「白浜の海女祭りを見学したり、銚子のかっぱハウスを見学したり、館山のシェイクスピアパークで安斎肇共々ギロチンで晒し首になったり、あそうそう。シェイクスピアの生没年は1564年生まれ1616年没だから、ヒトゴロシイロイロと覚えられるよ。ここ試験に出ます。」
「ちょっとちょっと。あと、試験に出ません。」
「あと養老渓谷で野生動物では無く明らかな人糞を見つけたりしてた。」
「…最後のオチが最低なんですけど。」
「因みに養老渓谷の粟又の滝は、千葉県最大の滑滝、天然のウォータースライダーなので、昔、ビックリ日本新記録って番組で滝登り競技の舞台になった。」
「ズレたズレた。鋸山がどっか行っちゃった。」
みうらじゅんならともかく、そんな知らない番組の蘊蓄を語られ出しても困るから、強引に軌道修正します。
これ、秘書かつ婚約者の役目。
「みうらじゅんは鋸山で何したんですか?」
「みうらじゅんも高所恐怖症だから、地獄覗きって言う、石切場の跡がオーバーハングしている場所でヘタレてた。」
「それだけ?」
「それだけ。」
おい!
「済みません社長。今のところ鋸山のネガキャンでしか無いので、もう少しマシな話題はないんですか?」
「そうだね。あとは、吉田類がNHKの日本100低山って番組で登ってるな。」
「吉田類って酒場放浪記の人?」
「そ。この人は登山家でもあるんだよ。お酒呑んでるばかりの人じゃない。この番組では標高1,000メートル以下の低山に、女性ゲストと登っては、下山後に1杯やるまでがコンセプトになってる。」
「へぇ。」
吉田類のキャラをきちんとわきまえてるな、日本放送協会。
「アンジャッシュ渡部がMXテレビでハシゴマンって、せんべろ級の安い呑み屋をはしごする番組は、同じ事やっててDVDがブックオフでシュリンプが開いてない新品が110円だった。」
「ひゃくじゅうえんて。あと、またズレて来てますよ。…もう直ぐ着くから、筑波山で締めてください。」
「筑波山にも吉田類は登ってるよ。鋸山は南果穂だったけど、筑波山は元タカラジェンヌの中島亜梨沙だった。」
…本当に締めるネタを持ってやんの。
「因みに日本百低山のDVDは5話入って4700円です。」
「可哀想だから、渡部と比べないで。」
「はい、頂上駅到着でぇす。」
ぱちぱちぱちぱち。
…なんで知らない同乗者の皆さんから、拍手をいただいてるの?
あと、南さんが涙目なのが、ちょっと可愛い。
★ ★ ★
筑波山は双耳峰、すなわち耳(猫耳)の形をした山だ。
関東平野の北の果てに、猫が地面からニャーと顔を出していると考えると、なんか可愛い。
その耳の間、昔この連載でも触れた峠はちょっとした土産物屋街です。
峠って言っても独立峰なので、山登りして越えていく暇な人は居ませんけど。
避けて平野を山の裏に行ったのが筑波鉄道であり、瀬戸井街道だから。
「ウチの市は、小学5年生に筑波山登山遠足があったんだよ。」
そう言って社長は、一件の土産物屋を覗く。
「これこれ。」
社長が嬉しそうに店頭から、すっかり埃まみれになったビニール袋を取り出す。
何か?
…ゴム製のマスクでした。
メガネって商品名が書いてあるのは、サングラスにオールバックの髪型にすきっ歯。
タモリだよね。
出っ歯って商品名が書いてあるのは、吊り目の明石家さんま。
ちょび髭って商品名が書いてあるのは、波平ハゲの真ん中に毛が1本、いわゆるカトちゃん。
「元は渡辺プロの先輩、クレイジーキャッツの植木等が、植木等ショーでウンジャラゲを歌った時が1番有名かな。あれをカトちゃんが真似したんだ。因みにウンジャラゲは志村けんがカバーしてヒットさせてるし、のちに植木等がセルフカバーして紅白に出場してる。」
社長が凄い早口で説明してくれたけど、私達はぽかぁんです。
調べてみたら、オリジナルのウンジャラゲが1969年。志村けん版が1988年。スーダラ伝説が1990年。
社長を含めて、全員生まれる前の話やんけ。
「でもやっぱり経年劣化が激しそうだなぁ。被ると破れそうだ。」
「なんでそんなもの買うの?」
「ネタ。」
…一言で言い切りやがった。
でも瑞稀の場合、そう言ったサブカル系の原稿依頼も来るし、絶賛建築中のガレージが出来れば収納スペースに問題はないか。
「領収書を貰って来てね。」
「あいよ。」
さて、さっきまで急性高所恐怖症に陥った編集長様とその後輩はというと。
「あははは。」
「よく、考えたなぁ。あと先輩笑いすぎ。」
…助兵衛キーホルダーを見定めて爆笑してました。
男女が交尾する様子を2つのパーツをビス留めして作った明らかに南部鉄の無駄遣いとか、よく見たら女性器が必ず隠れている平面人形とか。
男日照りは大変だね、とか。
もうおばちゃん考えして来てる、とか。
思ってませんよ、ええ。
「ラビットボールって、プロ野球でも使ってたなぁ。単純な語句の組み合わせだから使い勝手が良いんだろうなぁ。」
ウチの亭主は、毛玉のキーホルダーを選ぶことに夢中だ。
あれだ。
もふもふの長い毛が、なんか知らないけど意味不明な物体から生えているキーホルダー。
本物の獣毛だと腐るし、それが税込600円で売っているわけがない。
あぁでも、このもふもふは癒されるわぁ。
「あと、おみくじと、さすがは筑波山だなぁ。ガマガエルのキーホルダーばかりだ。」
ウチの旦那様はキーホルダーを買い漁っている。
名物・蝦蟇の油には誰も目を向けようとしません。
なんで?
「だってそれ、ただのワセリンだもん。」
「はい?…そりゃまぁ、実際のガマガエルがどうたらじゃないと思っていたけど。」
「馬の皮膚の下にある油分だよ。切り傷には効くけど、だったらオロナイン軟膏の方が効くから。」
「そりゃそうでしょうけど。」
「あと、油売りの口上でね。1枚の紙を刀で切って、2枚。2枚が4枚。4枚が8枚。って数えて行って、128枚あたりで暗算が追いつかなくなって、はいお終いって言うのも、クレイジーキャッツのネタだな。ジャズ喫茶時代の。」
「それいつ?」
「1950年代。」
「私らの親すら生まれてない時代やんか!」
「だって葛城。私、空ダメなの。」
「この計画を立てたの、先輩でしょ。」
「いゃぁぁ。」
ロープウェイで登って、ケーブルカーで降りてこようって企画したの南さんですよね。
なんで行きのロープウェイで貴女が怖がってるの?
お姉ちゃんの腕に無理矢理捕まっているし。
「私、高所恐怖症だったみたい。」
だったみたい?みたいって何?
そんなメジャーな恐怖症、その歳になるまで気が付かないの?
或いは、急性高所恐怖症が発症したのかな。
「今まで飛行機に乗っても、FUJIYAMAに乗っても平気だったのぉ。」
後者っぽいですね。
富士急ハイランドのジェットコースターは乗った事ありませんけど、なんでも替えの下着を売っているって聞いたことあります。
お漏らししちゃうくらい怖いんですね。
「コサキンDVDに有川くんの絶叫って巻があってね。怖がりの放送作家・有川周一くんを無理矢理FUJIYAMAに乗せて泣き叫ばせるってだけのDVD。」
「コンプラ違反もいいところのDVDですね。」
「大丈夫。番組も終わって、DVDも廃刊だから。」
社長はいつどんないかなる状況でも変わらないね。
でもですね。あのぅ。
今日は日曜日だから、お客さん多いですよぉ。
ゴンドラの中ではしゃぐと迷惑ですよぉ。
まぁ、ここのゴンドラって巨石の直ぐ上を結構な速度で登って行くから、その中途半端な高さ(低さ)と速度が(外から見てると)わりかし怖い。
でも、中だよ?
乗っちゃってるよ?
南さん。
「ふむ。来月の''脇''は房州往還にしようか。」
社長は社長で、いきなり何を言い出すのやら。
「…房州往還は何度かこの''脇''でも掠ってますけど、船橋から館山ですよ。長くないですか?里見のお姫様なら死んじゃう距離ですよ。」
里見公園には、ついこの間行ったばかりだ。
ウチの馬鹿親父大暴走の回。
あ、ボウソウ繋がりの交通事故だ。
「鋸山のロープウェイ。あれね。結構な高さと急勾配があるから、降りのゴンドラで前の方に陣取って下を眺めていると、高所恐怖症の人でなくともちょっと来るよ。桜玉吉なら金玉キュー。」
「鋸山かぁ。千葉県民だけど行った事ないなぁ。」
あと、下ネタは禁止!
「県外の特に旅番組に顕著だけど、千葉ではネズミの国や、マザー牧場に次ぐ観光地みたいだよ。僕らにはイマイチぴんと来ないけどね。あそこはフェリーがあるから、特急かアクアラインで行ってフェリーで帰るってパターンが都民と神奈川県民にはあるみたい。」
「なるほどね。」
「あの、先生…。何かくだらない無駄知識をください。」
「南さん、くだらないって言っちゃダメでしょ。」
「でも葛城。それが欲しいの。」
何いやらしい事言い出してんの?
この編集長。
「鋸山でどんな番組が収録されたかなら直ぐ出るよ。」
欲しいのだの、出るだの。
「笑福亭鶴光師匠なら、いくらでも下ネタに結びつけるよね。」
「だから私の頭の中を覗かないで。」
って言うか、私の思考が単純なのか。
シモ方面には中学生程度の発想力しか無いのか。
我ながら情け無い。
………
「先ず浮かんだのが、ゲームセンターCXだな。確か有野がたまゲーで、ゲームコーナーの景品にあったアダルトビデオを取ろうとしてたら、観光に来てた子供達に囲まれてしまい、必死に誤魔化してた。」
「あの。このゴンドラにもお子様いらっしゃるので社長。」
30秒前まで私も下ネタを考えていたけど、自分の事を上げる棚ならたくさんあるぞ。
私の周りには、そんな人ばかりだ。
「確か番組スタッフの谷澤さん、通称タニーの紹介じゃなかったかな。たまゲーにはロケバスじゃなく自前のバイクで走ってくる太ったおじさん。」
「知らんがな。」
「スタッフだか業者だかがミスして、そのお詫びに鰻重を差し入れした時に、タニーの分だけ大盛りだったそうな。」
「知らんがな。私達には石ちゃんがいるから、これ以上大食いキャラを増やさないでよ。」
そうか。
石ちゃんこと三丸さんにもご挨拶に行かないとね。
社長の悪巧みで親戚付き合いが復活した事に、お義父さんは大喜びだったし。
「あと、みうらじゅんが勝手に観光協会で来てるね。」
「出た。みうらじゅん。」
「白浜の海女祭りを見学したり、銚子のかっぱハウスを見学したり、館山のシェイクスピアパークで安斎肇共々ギロチンで晒し首になったり、あそうそう。シェイクスピアの生没年は1564年生まれ1616年没だから、ヒトゴロシイロイロと覚えられるよ。ここ試験に出ます。」
「ちょっとちょっと。あと、試験に出ません。」
「あと養老渓谷で野生動物では無く明らかな人糞を見つけたりしてた。」
「…最後のオチが最低なんですけど。」
「因みに養老渓谷の粟又の滝は、千葉県最大の滑滝、天然のウォータースライダーなので、昔、ビックリ日本新記録って番組で滝登り競技の舞台になった。」
「ズレたズレた。鋸山がどっか行っちゃった。」
みうらじゅんならともかく、そんな知らない番組の蘊蓄を語られ出しても困るから、強引に軌道修正します。
これ、秘書かつ婚約者の役目。
「みうらじゅんは鋸山で何したんですか?」
「みうらじゅんも高所恐怖症だから、地獄覗きって言う、石切場の跡がオーバーハングしている場所でヘタレてた。」
「それだけ?」
「それだけ。」
おい!
「済みません社長。今のところ鋸山のネガキャンでしか無いので、もう少しマシな話題はないんですか?」
「そうだね。あとは、吉田類がNHKの日本100低山って番組で登ってるな。」
「吉田類って酒場放浪記の人?」
「そ。この人は登山家でもあるんだよ。お酒呑んでるばかりの人じゃない。この番組では標高1,000メートル以下の低山に、女性ゲストと登っては、下山後に1杯やるまでがコンセプトになってる。」
「へぇ。」
吉田類のキャラをきちんとわきまえてるな、日本放送協会。
「アンジャッシュ渡部がMXテレビでハシゴマンって、せんべろ級の安い呑み屋をはしごする番組は、同じ事やっててDVDがブックオフでシュリンプが開いてない新品が110円だった。」
「ひゃくじゅうえんて。あと、またズレて来てますよ。…もう直ぐ着くから、筑波山で締めてください。」
「筑波山にも吉田類は登ってるよ。鋸山は南果穂だったけど、筑波山は元タカラジェンヌの中島亜梨沙だった。」
…本当に締めるネタを持ってやんの。
「因みに日本百低山のDVDは5話入って4700円です。」
「可哀想だから、渡部と比べないで。」
「はい、頂上駅到着でぇす。」
ぱちぱちぱちぱち。
…なんで知らない同乗者の皆さんから、拍手をいただいてるの?
あと、南さんが涙目なのが、ちょっと可愛い。
★ ★ ★
筑波山は双耳峰、すなわち耳(猫耳)の形をした山だ。
関東平野の北の果てに、猫が地面からニャーと顔を出していると考えると、なんか可愛い。
その耳の間、昔この連載でも触れた峠はちょっとした土産物屋街です。
峠って言っても独立峰なので、山登りして越えていく暇な人は居ませんけど。
避けて平野を山の裏に行ったのが筑波鉄道であり、瀬戸井街道だから。
「ウチの市は、小学5年生に筑波山登山遠足があったんだよ。」
そう言って社長は、一件の土産物屋を覗く。
「これこれ。」
社長が嬉しそうに店頭から、すっかり埃まみれになったビニール袋を取り出す。
何か?
…ゴム製のマスクでした。
メガネって商品名が書いてあるのは、サングラスにオールバックの髪型にすきっ歯。
タモリだよね。
出っ歯って商品名が書いてあるのは、吊り目の明石家さんま。
ちょび髭って商品名が書いてあるのは、波平ハゲの真ん中に毛が1本、いわゆるカトちゃん。
「元は渡辺プロの先輩、クレイジーキャッツの植木等が、植木等ショーでウンジャラゲを歌った時が1番有名かな。あれをカトちゃんが真似したんだ。因みにウンジャラゲは志村けんがカバーしてヒットさせてるし、のちに植木等がセルフカバーして紅白に出場してる。」
社長が凄い早口で説明してくれたけど、私達はぽかぁんです。
調べてみたら、オリジナルのウンジャラゲが1969年。志村けん版が1988年。スーダラ伝説が1990年。
社長を含めて、全員生まれる前の話やんけ。
「でもやっぱり経年劣化が激しそうだなぁ。被ると破れそうだ。」
「なんでそんなもの買うの?」
「ネタ。」
…一言で言い切りやがった。
でも瑞稀の場合、そう言ったサブカル系の原稿依頼も来るし、絶賛建築中のガレージが出来れば収納スペースに問題はないか。
「領収書を貰って来てね。」
「あいよ。」
さて、さっきまで急性高所恐怖症に陥った編集長様とその後輩はというと。
「あははは。」
「よく、考えたなぁ。あと先輩笑いすぎ。」
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男女が交尾する様子を2つのパーツをビス留めして作った明らかに南部鉄の無駄遣いとか、よく見たら女性器が必ず隠れている平面人形とか。
男日照りは大変だね、とか。
もうおばちゃん考えして来てる、とか。
思ってませんよ、ええ。
「ラビットボールって、プロ野球でも使ってたなぁ。単純な語句の組み合わせだから使い勝手が良いんだろうなぁ。」
ウチの亭主は、毛玉のキーホルダーを選ぶことに夢中だ。
あれだ。
もふもふの長い毛が、なんか知らないけど意味不明な物体から生えているキーホルダー。
本物の獣毛だと腐るし、それが税込600円で売っているわけがない。
あぁでも、このもふもふは癒されるわぁ。
「あと、おみくじと、さすがは筑波山だなぁ。ガマガエルのキーホルダーばかりだ。」
ウチの旦那様はキーホルダーを買い漁っている。
名物・蝦蟇の油には誰も目を向けようとしません。
なんで?
「だってそれ、ただのワセリンだもん。」
「はい?…そりゃまぁ、実際のガマガエルがどうたらじゃないと思っていたけど。」
「馬の皮膚の下にある油分だよ。切り傷には効くけど、だったらオロナイン軟膏の方が効くから。」
「そりゃそうでしょうけど。」
「あと、油売りの口上でね。1枚の紙を刀で切って、2枚。2枚が4枚。4枚が8枚。って数えて行って、128枚あたりで暗算が追いつかなくなって、はいお終いって言うのも、クレイジーキャッツのネタだな。ジャズ喫茶時代の。」
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