高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

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第三十八話 ※3/20 加筆

アーシュが助けに来たことに混乱しつつも、心は喜びに震える。よく考えなければいけないはずなのに抱きしめられ普段は分からないアーシュの甘い匂いに頭が回らなくなる。

「ヴィル、怖い思いをさせてごめん。こんなことになるなら、ヴィルに全部話しておくべきだった」

「アーシュ…」

申し訳なさそうに言うアーシュに対して反発する気は起きなくて、アーシュの背中に手を回した。アーシュが何を考えているかわからなくても、僕はアーシュが好きだ。嫌いになんてなれやしない。
アーシュの温もりを感じ、先程まで強張っていた体から力が抜けた。そしてアーシュを欲して腹の奥底が疼き始める。

「ねぇヴィル、キスしてもいい?」

「だからっ!…聞かなくていいから…んっ、ふあっ」

アーシュに顎を持ち上げられて深い口付けをする。舌が僕の口腔を舐られ、アーシュに応えるように舌を絡めると舌先で僕の舌をなぞられる。それに体はゾクリと反応し下半身が熱くなっていく。そして腹の疼きは強くなり、後孔がドロリと濡れる。

「ヴィルの匂いが強くなって、俺ももう限界なんだ。ヴィル、俺の番になってくれる?」

「僕を…僕だけを番にするなら、いいよ」

「ヴィル以外の番なんていらない。昔から欲しいのはヴィルだけ、それはこれからも変わらない。ヴィル、愛してる」

「僕もアーシュを愛してる。だから、僕以外によそ見をしたら許さないから」

うまく回らない頭では最近の不安や心に渦巻いていた嫉妬を隠すことができなくなる。心のままに言葉を紡ぎ、醜い独占欲を顕にしてしまう。

「もちろんだよ」

アーシュは嬉しそうに笑うと、首からさげていた鍵でネックガードの南京錠を外す。無防備になった僕の頸を撫でながら、また僕にキスをした。それから首筋に唇を這わせる。

「んあっ…はっ」

「ここ痛くない?」

「いっ…あっ、うあ」

レトア卿に短剣で傷つけられた傷を舐められ一瞬しみてじくじくと痛んだ。でも、それは一時で、舌先でくすぐるようになぞられ快感に変わる。

「んっ…あっ…アーシュっ、お腹の奥がキュンキュンするのっ…」

「子宮が疼いてるんだね。今、楽にしてあげるから」

アーシュが僕の首筋の傷に沿って吸い付き紅い花を散らしていく。背中がゾワゾワし体は熱を帯びる。

* * *
「びちゃびちゃになってる。ほらヴィル聞こえる?」

僕の後孔を指で慣らすアーシュがわざと音をたてて触る。

「やっ…それダメっ」

自分がどんな状態なのかを思い知らされ恥ずかしくなり、僕は耳を塞ぐ

「だーめ。きちんと聞いて、俺を感じて」

「やだっ…いじわるしないでっ」

「全くもう可愛いすぎだよ。もう挿れていい?」

「うん。きてアーシュ」

アーシュは僕の足を抱えあげ、濡れそぼった後孔に彼の屹立をあてがった。そして一気に僕を貫く。硬く熱を持ち膨張したものが体の中に入り込む。圧迫感を感じるものの僕の体は容易く受け入れ、アーシュの子種を強請り絞り取ろうと締め付ける。

「んっ…ヴィルの中うねってる」

「もおっ…言わないで。やっ…はあっ」

アーシュは中をかき混ぜるように腰を動かす。内壁をひろげるように刺激され背中が弓形になる。でもそれだけじゃ足りなくて、無意識のうちに腰が揺れる。

「腰動いてる。もの足りない?ねぇ、ヴィル。どうして欲しい?」

「やだぁ…なんで」

アーシュは腰を動かすのをやめて僕の耳元で囁く。どうして欲しいかなんて分かっている癖に目に涙を貯める僕をアーシュは楽しそうに見つめる。その様子から僕が言うまでアーシュは動かないつもりなのだと察する。アーシュの屹立の拍動を体内で感じて堪らず自分で腰を振る。それでも刺激が欲しい所には当たらず体の熱はどんどんふくれあがる。

「ねぇ、アーシュ。…んっ、お願い」

「なぁに?言ってくれなきゃ分からないよ」

「…うごいて」

「どうやって動けばいい?浅いところをグリグリして欲しいの?」

「あっ…はあっ、んあっ」

アーシュが入り口付近まで屹立を引き抜く。そして先端で中の浅い所をさする。それなのに、一番弱い所は突いてくれない。気持ちいいのに達することができなくてもどかしくなる。

「それとも奥の方をガンガン突かれたいの?」

「ひあっ…あ"っ…急にっ…んん」

アーシュが腰を打ちつけ奥を刺激する。物足りなさを感じていた体は待ち望んでいた刺激によろこぶ。アーシュが与える快楽しか考えられなくなる。

「あっ…いいっ…んぁっあっ…イく、イッちゃう……え?」

「イきたかった?それなら、きちんとおねだりして」

体も快楽の高みへと昇り達そうになった時、アーシュがまた動きを止める。

「さっき言ったじゃん!…ねぇアーシュ」

「動いてって言われたから動いたよ?そこから先はまだ聞いてない」

「そんなのっ…言わなくても、分かってるでしょ?…もう辛いの!ねぇお願い」

「分かってるけど、ヴィルの口からきちんと聞きたい。言えないなら、このまま抜いちゃうよ?」

直前で寸止めされた熱は出口を求め体の中をのたうち回る。それを知っていてアーシュは僕の中から自身をゆっくり引き抜こうとする。

「やだぁ。抜かないで!」

「じゃあ、おねだりしなきゃ。ほら、あぁもう少しで抜けちゃうよ」

アーシュの屹立の傘の部分が僕の入り口の縁まで出かかる。アーシュは僕の胸の突起を爪先でかすめ煽ってくる。

「ひぅっ…あっ…アーシュ。ぜ、前立腺を…グリグリして。そ、それから…奥を思い切り突いて」

発情期の最中で理性が飛んでいる状態ならまだしも、始まりたてで意識がはっきりしているなか求めるのは恥ずかしく顔が熱くなる。赤面した顔を見られたくなくて手のひらで顔を覆った。
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