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第二十二話
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「それじゃあ、執務が終わったらすぐに来る」
「おぅ」
シャロルが部屋から出る前に俺を抱きしめ言う。俺は背後からの視線を感じ、すぐにシャロルの腕から抜け出す。それにシャロルといると、ここ数日の夜のことを思い出してしまい、照れくさくて仕方ない。
「もし体調が悪かったら無理はするな。あと」
「オメガの園から外に出るな、だろ?分かってるから、早くしないと執務に遅れるぞ」
「あぁ、じゃあ、いってくる」
触れるだけのキスをされ顔に熱が昇る。シャロルはそんな俺の様子をみて満足気に出て行った。
俺が熱くなった頬を両手で挟み、深呼吸して気持ちを落ち着けていると
「お熱いわね」
「ひぃっ」
カリーノ様に後ろから肩を捕まれて変な声がでた。
「あら、ごめんなさい。今日も仲睦まじくて、見ているこっちが照れちゃいそうになるわ。それにしても、シャロルには私達の姿は見えてないのね」
「すみません。シャロルに注意はしているんですが、中々改善されなくて…」
カリーノ様が色々と暴露した日から、シャロルは足繁くこの部屋に通い俺に会いに来ている。それ自体は嬉しいのだが、人目を憚らずスキンシップをとって来るから対応に手を焼いている。
「まぁ、数年追いかけ続けたリディとまた恋仲になれて浮かれているのね。落ち着くまでは、好きにさせてあげたら?私達は全然気にしないし、ねぇ、アルヴィ!」
「そうですね。ここ以外ではイチャイチャできないんだから、思う存分イチャついていいからね」
アルヴィさんまでカリーノ様に同意して、生暖かい目でこちらを見て来る。
「そういうお二人だって、イチャイチャしていただいていいんですよ?俺だって気にしませんから!」
居た堪れなくなった俺は大人気なく言い返す。
「まぁ、私達は…」
「イチャイチャする時期は過ぎたんだ。お気遣いありがとう」
カリーノ様は顔を赤らめ言い淀んだが、アルヴィさんからは完全に大人の対応をされる。にしても、カリーノ様はアルヴィさんの話題になると途端に乙女になるな。シャロルからは俺の身柄をカリーノ様の部屋で匿う代わりに、寵妃の役割を卒業する約束をしたと聞いた。つまり、カリーノ様もアルヴィさんも初めから俺の素性を分かってて、今まで寵妃と使用人を演じ切っていたのだから、本当に演技派だと思う。
「そうなんですね…。じゃあ、俺はお洗濯しに行ってきます!」
「うん。お願いするよ」
「いってらしゃーい」
二人に心よく送り出され部屋を出た俺を待っていたのは…
「リーテ!ちょっと来て」
「え?なになになに?」
「いいからこっち」
使用人仲間数人に取り囲まれたと思ったら両腕をガッチリ捕まれ、持っていた洗濯物も取り上げられる。そのままズルズルとどこかに連行された。
---
「一体どうしたんだよ?」
「いや、それはこっちの台詞だよ」
「そうだよ!殿下が毎日のようにカリーノ様の部屋に来てるじゃん」
「カリーノ様はまだ発情期じゃないよね?もしかして、ご懐妊?」
最近のシャロルの御渡りの頻度について、それぞれが疑問を口にしていく
「ご懐妊したかは俺は知らないけど…殿下が来るのは気まぐれなんじゃない?」
「それはないよ!今まで発情期以外で、こんなに御渡りしていたことは無いよ!」
「そうだよ!殿下がずっと通っているなんて、ご懐妊以外考えられないよ」
俺の適当な誤魔化しに、さらなる追撃がくる
「でも、ご懐妊なら大変だよね」
「え?何で?」
一人が言った内容の意図が分からず聞き返す。
「だってカリーノ様は、ハルバー侯爵の姫君でしょ?殿下の派閥にはエイメ侯爵もいるから、そっちの顔もたてるとなると、次はエイメ侯爵の姫君にも御渡りしなきゃ派閥の中のバランスが崩れちゃうじゃん?」
「派閥とかあるんだ…」
「そりゃあるみたいだよ。貴族のパワーゲーム。下々の俺たちは中々実感ないけど、うちの姫様は時々、貴族から発破をかけられてるみたいで、ピリピリしてる」
「そうなんだ」
カリーノ様が言っていた言葉の意味がやっと理解できた気がした。カリーノ様が、シャロルが生きているのは、皆が自分の利益のために腹の探りあいをして、他人を平気で蹴落とす世界。シャロルと生きるってことは、その世界を渡らなきゃいけないってことなんだ。
「エイメ侯爵の姫君…悪い人ではないんだろうけど、アレだから大変そう」
「アレ?」
「ものすごく…」
「うちの姫様が何?」
エイメ侯爵の姫君について、一人が全てを言う前に横槍が入った。
「サージャ、いや、何も。エイメ侯爵の姫君は可愛らしい方だよね」
「そうそう!お菓子とか美味しそうに食べるし!」
「うん、わかる!時々、椅子の足とか壊しちゃうのもご愛嬌だよね」
「うん。うちの姫様は可愛いらしい方なんだ。話が終わったならリーテを借りていってもいいかな?」
「もちろん!」
皆が口々にエイメ侯爵の姫君を褒めるとサージャは満足したように微笑む。そして俺は一言も喋っていないのに話がまとまっていた。
---
「話の途中で連れ出して、ごめん」
「いや、大丈夫!むしろ助かったよ。みんな殿下とカリーノ様のことを聞きたくて仕方なかったみたいだからさ」
「まぁ、殿下がこれだけ通い詰めていたら、気にはなるだろうしね。それよりも、僕の番から美味しいクッキーを貰ったから、良かったら一緒にどうかな?」
「それはもちろん。でも、番から貰ったのに俺も頂いちゃっていいの?」
「うん。一人より二人で食べる方が美味しいからさ」
「それなら、お言葉に甘えさせてもらう」
「じゃあ、僕の部屋に用意してあるから…」
俺たちはお茶をするためにサージャの部屋に向かった。
「ごめんね、少し散らかってるけど、ここどうぞ」
サージャの部屋は物が少なく、殺風景にも見えた。部屋の中央のテーブルセットの椅子をサージャが引いてくれたので、そこに座る。テーブルセットは古くはあったが、側面にも装飾がされており高価なものだと分かった。
「全然散らかってないよ。わぁ、美味しそう。これ高いんじゃないか?」
「んー?どうだろ?貰いものだから分からないや」
サージャがお茶と一緒に城下の有名パティスリーの名前が書かれた箱を出した。その中のクッキーを小皿に出して俺の前に置いた。
サージャは発情期休暇明けには必ず怪我をして帰ってくるから、番に大切にされていないのではと心配していた。でも、有名店のクッキーをプレゼントするくらいには、大事にされているのかもしれない。
「なぁ、サージャの番ってどんな人なの?」
「僕の番?どうしたのいきなり」
「いや、そういう話したことなかったなぁと思ってさ」
「うーん。僕の番は…あ、クッキー食べてね。彼はね、愛に飢えている人かな」
「愛に飢えているから、愛情表現が下手とか?」
サージャから勧められるままクッキーを頬張ると、バターの香りと上品な甘さが口に広がる。美味しくて次々とクッキーに手が伸びる。さすが有名店のクッキー、手が止まらない。
「まぁ、そんな感じかな。手が出るのも愛情表現だと勘違いしている節があるからさ。でも、僕は彼のそんな弱い所を含めて全部が愛おしいんだ」
「番のことすきなんだな」
サージャが番に向けているのは母が子に向ける無償の愛に似ている気がした。それにしてもさっきから腹の奥がチクチクと痛む。お腹でも壊しただろうか。
「うん。大好き。彼のためなら何だってしてあげられる、たとえ」
腹の奥の小さな痛みは、徐々に甘い疼きに変わっていき、体全体を支配する。指先まで、甘く痺れる。
「なにこれ…」
「リディごめんね。たとえ友達を裏切っても、僕はヒュイ様の願いを叶えてあげたいんだ」
「おぅ」
シャロルが部屋から出る前に俺を抱きしめ言う。俺は背後からの視線を感じ、すぐにシャロルの腕から抜け出す。それにシャロルといると、ここ数日の夜のことを思い出してしまい、照れくさくて仕方ない。
「もし体調が悪かったら無理はするな。あと」
「オメガの園から外に出るな、だろ?分かってるから、早くしないと執務に遅れるぞ」
「あぁ、じゃあ、いってくる」
触れるだけのキスをされ顔に熱が昇る。シャロルはそんな俺の様子をみて満足気に出て行った。
俺が熱くなった頬を両手で挟み、深呼吸して気持ちを落ち着けていると
「お熱いわね」
「ひぃっ」
カリーノ様に後ろから肩を捕まれて変な声がでた。
「あら、ごめんなさい。今日も仲睦まじくて、見ているこっちが照れちゃいそうになるわ。それにしても、シャロルには私達の姿は見えてないのね」
「すみません。シャロルに注意はしているんですが、中々改善されなくて…」
カリーノ様が色々と暴露した日から、シャロルは足繁くこの部屋に通い俺に会いに来ている。それ自体は嬉しいのだが、人目を憚らずスキンシップをとって来るから対応に手を焼いている。
「まぁ、数年追いかけ続けたリディとまた恋仲になれて浮かれているのね。落ち着くまでは、好きにさせてあげたら?私達は全然気にしないし、ねぇ、アルヴィ!」
「そうですね。ここ以外ではイチャイチャできないんだから、思う存分イチャついていいからね」
アルヴィさんまでカリーノ様に同意して、生暖かい目でこちらを見て来る。
「そういうお二人だって、イチャイチャしていただいていいんですよ?俺だって気にしませんから!」
居た堪れなくなった俺は大人気なく言い返す。
「まぁ、私達は…」
「イチャイチャする時期は過ぎたんだ。お気遣いありがとう」
カリーノ様は顔を赤らめ言い淀んだが、アルヴィさんからは完全に大人の対応をされる。にしても、カリーノ様はアルヴィさんの話題になると途端に乙女になるな。シャロルからは俺の身柄をカリーノ様の部屋で匿う代わりに、寵妃の役割を卒業する約束をしたと聞いた。つまり、カリーノ様もアルヴィさんも初めから俺の素性を分かってて、今まで寵妃と使用人を演じ切っていたのだから、本当に演技派だと思う。
「そうなんですね…。じゃあ、俺はお洗濯しに行ってきます!」
「うん。お願いするよ」
「いってらしゃーい」
二人に心よく送り出され部屋を出た俺を待っていたのは…
「リーテ!ちょっと来て」
「え?なになになに?」
「いいからこっち」
使用人仲間数人に取り囲まれたと思ったら両腕をガッチリ捕まれ、持っていた洗濯物も取り上げられる。そのままズルズルとどこかに連行された。
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「一体どうしたんだよ?」
「いや、それはこっちの台詞だよ」
「そうだよ!殿下が毎日のようにカリーノ様の部屋に来てるじゃん」
「カリーノ様はまだ発情期じゃないよね?もしかして、ご懐妊?」
最近のシャロルの御渡りの頻度について、それぞれが疑問を口にしていく
「ご懐妊したかは俺は知らないけど…殿下が来るのは気まぐれなんじゃない?」
「それはないよ!今まで発情期以外で、こんなに御渡りしていたことは無いよ!」
「そうだよ!殿下がずっと通っているなんて、ご懐妊以外考えられないよ」
俺の適当な誤魔化しに、さらなる追撃がくる
「でも、ご懐妊なら大変だよね」
「え?何で?」
一人が言った内容の意図が分からず聞き返す。
「だってカリーノ様は、ハルバー侯爵の姫君でしょ?殿下の派閥にはエイメ侯爵もいるから、そっちの顔もたてるとなると、次はエイメ侯爵の姫君にも御渡りしなきゃ派閥の中のバランスが崩れちゃうじゃん?」
「派閥とかあるんだ…」
「そりゃあるみたいだよ。貴族のパワーゲーム。下々の俺たちは中々実感ないけど、うちの姫様は時々、貴族から発破をかけられてるみたいで、ピリピリしてる」
「そうなんだ」
カリーノ様が言っていた言葉の意味がやっと理解できた気がした。カリーノ様が、シャロルが生きているのは、皆が自分の利益のために腹の探りあいをして、他人を平気で蹴落とす世界。シャロルと生きるってことは、その世界を渡らなきゃいけないってことなんだ。
「エイメ侯爵の姫君…悪い人ではないんだろうけど、アレだから大変そう」
「アレ?」
「ものすごく…」
「うちの姫様が何?」
エイメ侯爵の姫君について、一人が全てを言う前に横槍が入った。
「サージャ、いや、何も。エイメ侯爵の姫君は可愛らしい方だよね」
「そうそう!お菓子とか美味しそうに食べるし!」
「うん、わかる!時々、椅子の足とか壊しちゃうのもご愛嬌だよね」
「うん。うちの姫様は可愛いらしい方なんだ。話が終わったならリーテを借りていってもいいかな?」
「もちろん!」
皆が口々にエイメ侯爵の姫君を褒めるとサージャは満足したように微笑む。そして俺は一言も喋っていないのに話がまとまっていた。
---
「話の途中で連れ出して、ごめん」
「いや、大丈夫!むしろ助かったよ。みんな殿下とカリーノ様のことを聞きたくて仕方なかったみたいだからさ」
「まぁ、殿下がこれだけ通い詰めていたら、気にはなるだろうしね。それよりも、僕の番から美味しいクッキーを貰ったから、良かったら一緒にどうかな?」
「それはもちろん。でも、番から貰ったのに俺も頂いちゃっていいの?」
「うん。一人より二人で食べる方が美味しいからさ」
「それなら、お言葉に甘えさせてもらう」
「じゃあ、僕の部屋に用意してあるから…」
俺たちはお茶をするためにサージャの部屋に向かった。
「ごめんね、少し散らかってるけど、ここどうぞ」
サージャの部屋は物が少なく、殺風景にも見えた。部屋の中央のテーブルセットの椅子をサージャが引いてくれたので、そこに座る。テーブルセットは古くはあったが、側面にも装飾がされており高価なものだと分かった。
「全然散らかってないよ。わぁ、美味しそう。これ高いんじゃないか?」
「んー?どうだろ?貰いものだから分からないや」
サージャがお茶と一緒に城下の有名パティスリーの名前が書かれた箱を出した。その中のクッキーを小皿に出して俺の前に置いた。
サージャは発情期休暇明けには必ず怪我をして帰ってくるから、番に大切にされていないのではと心配していた。でも、有名店のクッキーをプレゼントするくらいには、大事にされているのかもしれない。
「なぁ、サージャの番ってどんな人なの?」
「僕の番?どうしたのいきなり」
「いや、そういう話したことなかったなぁと思ってさ」
「うーん。僕の番は…あ、クッキー食べてね。彼はね、愛に飢えている人かな」
「愛に飢えているから、愛情表現が下手とか?」
サージャから勧められるままクッキーを頬張ると、バターの香りと上品な甘さが口に広がる。美味しくて次々とクッキーに手が伸びる。さすが有名店のクッキー、手が止まらない。
「まぁ、そんな感じかな。手が出るのも愛情表現だと勘違いしている節があるからさ。でも、僕は彼のそんな弱い所を含めて全部が愛おしいんだ」
「番のことすきなんだな」
サージャが番に向けているのは母が子に向ける無償の愛に似ている気がした。それにしてもさっきから腹の奥がチクチクと痛む。お腹でも壊しただろうか。
「うん。大好き。彼のためなら何だってしてあげられる、たとえ」
腹の奥の小さな痛みは、徐々に甘い疼きに変わっていき、体全体を支配する。指先まで、甘く痺れる。
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