彼氏欲しいだけなの！

12話

 集合場所に到着すると、あたしに遅れてまりあ、先輩の順番で現れた。…何故か二人とも両手に色々抱えて。

「それ、どうしたの？」

「人に聞きながら探してたら、何かおまけって言って貰った～！役得～！」

「僕はお店とか見ながら買い物してたら、いきなり女性二人が服の取り合いで喧嘩してるのに巻き込まれて。仲裁したらお礼にって…」

「そ、そうなんだ………」

うわぁ、先輩開始早々に何か巻き込まれてる！そして、それを見事仲裁出来るのところに尊敬するわ。
まりあは………まあ、いつものことだからいっか。

我らがお姫様は、こうして知らない間にファンを増やして仲良くなるのだ。特に、年上の人がファンになりやすい。………前にヤのつく人の親分連れてきたときは仰天したなぁ。何よ、『コガちゃんっていうの～』って。良く仲良くなったな。どこで拾ってきたよ、マジで。

「見てみて～！こんなキレイな珠貰ったの～！ひーちゃんにもあげるね」

「流石まりあだ。こんなピカピカした如何にも高そうな珠貰ってくるなんて。30分の間に誰と仲良くなったんだか………今度は誰連れてくるんだろ？」

「ゲーム開始早々に、町の重役とか騎士とかと仲良くなってそうですね」

まりあの発言ですぐにそこまで発想ができる先輩、流石です。良くわかってらっしゃる。

ちなみに、先輩の荷物は主に男性用服とかアクセサリーだったので、あたしにもお裾分けがきた。ラッキー。まりあのやつは色々ありすぎるから本人に持たせてる。

「さて、キレイな小石3つでしたね。それなら、この門を出た『始まりの草原』に生息するラビッターのドロップ品なんだ。レアだけど」

「レアドロップかぁ。それってクエスト受けてたやつだよね？」

「初心者用のクエストだから、一番弱い敵らしいよ～？見た目は可愛いけど、ダメージはそれなりに痛いって。この周りって、すっごく沢山いるんだって～」

ちなみに、これがそのクエスト。

【ラビッター討伐！】／常時クエスト
・子どもたちが安心して遊べるように、『始まりの草原』に生息しているラビッターを10匹討伐してください。討伐証明：ラビッターの尻尾
『報酬：200ロム』

さぁて、成り行きで２つのクエスト同時進行になっちゃったけど頑張るか！