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17 エピローグ~手紙~
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フィーリアが逮捕されてからちょうど一ヶ月後、アーデルから手紙が届いた。
親愛なるティファニアへ
ティファニア、元気にしているかい? 僕は今、多忙な毎日を送っているよ。
その手紙は、簡単な挨拶から始まっていた。
最初に書かれていたのは、私と最後に言葉を交わし別れた直後、すぐに街に戻り両親に真実を話してフィーリアとの婚約をすぐさま破棄したという報告だった。その直後にフィーリアが逮捕されたのもあり、アーデルとの婚約解消が関係しているのかと貴族の間で囁かれたそうだが、時間が経つにつれ蜘蛛の子を散らすように静かになったそうだ。
また、フィーリアと両親を訴えたということが記載されていた。フィーリアはこの街でイグニスに薬を盛ろうとしたことで逮捕され牢に入れられていたが、イグニスは未遂だったこと、アーデルに行った強姦に関しての事情聴取の件もあり、両親のいる街にすぐさま移送された。この街の牢に居る際、イグニスから「自分は悪くない」と言い続け、全く反省の色がないと報告を受けていたが……、アーデルの手紙にも、移送されても全く反省していないと綴られていた。物的証拠があるのだから、彼女は確実に罪に問われる筈だというのにも関わらず、態度は変らないという。
アーデルは強姦罪に対しての慰謝料と、家督簒奪罪の適応を求めているそうだ。
そうなれば、フィーリアは良くて修道院送りか強制労働、もしくは一生を牢屋で過ごすかのどれかだ。最悪の場合、極刑になることも考えられる。反省をしていないと言う彼女は、それを理解しているだろうか? いや、していないのだろうと思えた。だって、もし知っていたら嘘でも反省しているという素振りを見せる筈だ。
そして、アーデルは反省の色がないフィーリアを絶対に許さないと綴っていた。
こればかりは私も、アーデルの意見に賛同する。彼にはそうする理由がある。また、彼女を恨む権利がある。最終的に法によって裁かれることになるだろうが、彼はそれまで傷が癒えることは確実にないだろう。
父と母は爵位が上の令息に行った娘の蛮行、及び家督簒奪ともとれる行為は貴族院にも知れ渡り、爵位の剥奪という重い処罰を受けたそうだ。そして今、二人は元自分達の屋敷に仮住まいをしているらしい。
確実に支払うことになる多額の賠償金を用意するには、元男爵家の全財産を投じても支払える額ではない。代々受け継がれてきた屋敷を手離すしか、方法は無かったのだろう。隠居した父方の祖父母には金銭的な援助を断られ、かつ勘当され、両親は本当の意味で無一文になったそうだ。現在、両親の住んでいる屋敷はアーデルの家が管理し、法の裁きが下されるまで姿をくらまされないよう、そのまま屋敷に住まわせておくと書かれていた。勿論、終始監視付きで。とも付け加えられている。
私? 私は……。
「ティファニアお嬢様、お茶の用意が出来ましたよ」
「今行くわ、アニマ」
ティファニアは席を立ち、部屋を出た。
私は両親が帰ったあの後、すぐに養子縁組の手続きをとった。祖父の威圧に負けた父が、こちらの催促の前に素早く手続きに必要な書類を送付してきたからだ。その後は何事もなく、数週間後には無事に祖父母の養子になることが出来た。
その後なのだろう。両親が爵位を剥奪されたのも、屋敷を売り払ったのも。もしかすると、アーデルが情報を探って、わざわざ私の養子縁組の手続きが終わるのを待ってから動いてくれたのかもしれない。
アーデルの手紙の最後には、また新たな恋を探しに、社交界に出ると書かれていた。噂は広がっているだろうけど、それでも、こんな自分を愛してくれる人を今度こそ見つける。そう綴られていた。
今までありがとう。君も、幸せを掴んでくれ。
そう締めくくられた手紙。ティファニアはその手紙を、大切にしようと思った。
「お邪魔します」
「あら、イグニスさん。いらっしゃい。ちょうどお茶にしようと思っていたの」
「なら、同伴させていただきます」
アーデルの手紙に思いを寄せていると、何時ものようにイグニスがお茶の時間に現れた。にこやかに微笑みながら、イグニスが隣に座る。
「どうしたの? 何かいいことでもあったかい」
「……そうね。あったのかも」
ティファニアはイグニスに肩を寄せながら、思いを馳せる。
両親に対し、思うことは何もない。ただ一つ、なにかあるかと問われれば……今度こそ、責任を果たして欲しい。これはフィーリアにも言えることだが、法の裁きをきちんと受け入れて欲しい。それだけだ。
「どうかした? ティファニア」
「なんでもないわ」
首を傾げるイグニスに、小さく微笑むティファニア。イグニスに抱き着き、彼の胸に顔を埋める。
どうか、今度こそアーデルにもいい人が見つかりますように。そして、私とイグニスにも、幸せが訪れますように……。そう、強く思ったティファニアだった。
アーデルの手紙が届いてから、更に二週間後、再び彼から手紙が届いた。丁度、イグニスがお邪魔している時間だった。
手紙には、フィーリアと両親に法の裁きが下されたとの内容が書かれていた。
フィーリアは遠い地にある、四方を岸壁と高波に囲われた通称『監獄』とも呼ばれる場所に強制収容となったそうだ。そこは重罪を犯した者達が一生をかけて強制労働をし、己の罪を償わせる場所で、そこに行ったら俗世に戻ってくることは出来ない。そんな場所だそうだ。
両親はやはり多額の賠償金の支払い命令と、驚くことにフィーリア同様『監獄』への移送となった。フィーリアが反省していないことから、娘を唆して家督簒奪を謀った可能性も捨てきれないという貴族院の判断もあってのことだという。
無一文になっただけでなく、フィーリアを唆したかもしれないという罪まで着せられてしまった両親。
しかし、私はその判断は間違いではないと思えた。だって、アーデルの婚約者を入れ替えようと言い出したのは、両親だったから。
遠く離れた地で、三人には罪と向き合って欲しい。そう、静かに思った。
これで、少しは前に進めそうだ。
そう、アーデルは手紙の最後の方に綴っていた。これで、アーデルの心の傷が少しでも癒えたというのなら、私は良かったと思う。
「……大丈夫かい?」
ソファの隣に座るイグニスが、顔を覗き込んできた。顔色でも悪かっただろうか……。
「大丈夫よ」
そう答えるが、イグニスは納得しようとしてくれない。それ所か、手紙を持った私を引き寄せ、膝に抱えるとぎゅうっと強く抱きしめてくれた。
「痛いわ、イグニス」
「……悲しい時は、泣いてもいいんだよ」
悲しいのだろうか? いや、悲しいのかもしれない。戸籍上は既に家族ではなくなったが、血の繋がった肉親が、遠くもう会えない地に行ってしまったこと……うん、やっぱり悲しいかもしれない。でも……。
「……大丈夫よ。だって、あなたがいるもの」
そう言って、イグニスの背に腕を回す。彼の存在があれば、悲しいことも乗り越えられる。大丈夫だ。
いつかきっと、アーデルにもそんな存在と巡り会って欲しい。いや、もう巡り会ってるのかもしれない。そんなことを、イグニスの温もりを感じながら思った。
手に持っていた手紙が、窓の隙間から入ってきた風に揺られて音を立てる。その小さな音を耳に入れながら、イグニスの肩口に頬を摺り寄せた。
*************
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!
最後はティファニア視点で書いてみましたが、どうだったでしょうか……? 最後に判決と称してざまあを纏めてみましたが、物足りなさがあったらすみません!
ここまでティファニアの物語を読んでくださり、また、お気に入りや感想で励ましてくださり、本当にありがとうございました!!番外編を期待する声を頂いておりますので、何話か番外編を書こうと思っています。もしよろしかったら、そちらも読んでくださると幸いです!
親愛なるティファニアへ
ティファニア、元気にしているかい? 僕は今、多忙な毎日を送っているよ。
その手紙は、簡単な挨拶から始まっていた。
最初に書かれていたのは、私と最後に言葉を交わし別れた直後、すぐに街に戻り両親に真実を話してフィーリアとの婚約をすぐさま破棄したという報告だった。その直後にフィーリアが逮捕されたのもあり、アーデルとの婚約解消が関係しているのかと貴族の間で囁かれたそうだが、時間が経つにつれ蜘蛛の子を散らすように静かになったそうだ。
また、フィーリアと両親を訴えたということが記載されていた。フィーリアはこの街でイグニスに薬を盛ろうとしたことで逮捕され牢に入れられていたが、イグニスは未遂だったこと、アーデルに行った強姦に関しての事情聴取の件もあり、両親のいる街にすぐさま移送された。この街の牢に居る際、イグニスから「自分は悪くない」と言い続け、全く反省の色がないと報告を受けていたが……、アーデルの手紙にも、移送されても全く反省していないと綴られていた。物的証拠があるのだから、彼女は確実に罪に問われる筈だというのにも関わらず、態度は変らないという。
アーデルは強姦罪に対しての慰謝料と、家督簒奪罪の適応を求めているそうだ。
そうなれば、フィーリアは良くて修道院送りか強制労働、もしくは一生を牢屋で過ごすかのどれかだ。最悪の場合、極刑になることも考えられる。反省をしていないと言う彼女は、それを理解しているだろうか? いや、していないのだろうと思えた。だって、もし知っていたら嘘でも反省しているという素振りを見せる筈だ。
そして、アーデルは反省の色がないフィーリアを絶対に許さないと綴っていた。
こればかりは私も、アーデルの意見に賛同する。彼にはそうする理由がある。また、彼女を恨む権利がある。最終的に法によって裁かれることになるだろうが、彼はそれまで傷が癒えることは確実にないだろう。
父と母は爵位が上の令息に行った娘の蛮行、及び家督簒奪ともとれる行為は貴族院にも知れ渡り、爵位の剥奪という重い処罰を受けたそうだ。そして今、二人は元自分達の屋敷に仮住まいをしているらしい。
確実に支払うことになる多額の賠償金を用意するには、元男爵家の全財産を投じても支払える額ではない。代々受け継がれてきた屋敷を手離すしか、方法は無かったのだろう。隠居した父方の祖父母には金銭的な援助を断られ、かつ勘当され、両親は本当の意味で無一文になったそうだ。現在、両親の住んでいる屋敷はアーデルの家が管理し、法の裁きが下されるまで姿をくらまされないよう、そのまま屋敷に住まわせておくと書かれていた。勿論、終始監視付きで。とも付け加えられている。
私? 私は……。
「ティファニアお嬢様、お茶の用意が出来ましたよ」
「今行くわ、アニマ」
ティファニアは席を立ち、部屋を出た。
私は両親が帰ったあの後、すぐに養子縁組の手続きをとった。祖父の威圧に負けた父が、こちらの催促の前に素早く手続きに必要な書類を送付してきたからだ。その後は何事もなく、数週間後には無事に祖父母の養子になることが出来た。
その後なのだろう。両親が爵位を剥奪されたのも、屋敷を売り払ったのも。もしかすると、アーデルが情報を探って、わざわざ私の養子縁組の手続きが終わるのを待ってから動いてくれたのかもしれない。
アーデルの手紙の最後には、また新たな恋を探しに、社交界に出ると書かれていた。噂は広がっているだろうけど、それでも、こんな自分を愛してくれる人を今度こそ見つける。そう綴られていた。
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そう締めくくられた手紙。ティファニアはその手紙を、大切にしようと思った。
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「あら、イグニスさん。いらっしゃい。ちょうどお茶にしようと思っていたの」
「なら、同伴させていただきます」
アーデルの手紙に思いを寄せていると、何時ものようにイグニスがお茶の時間に現れた。にこやかに微笑みながら、イグニスが隣に座る。
「どうしたの? 何かいいことでもあったかい」
「……そうね。あったのかも」
ティファニアはイグニスに肩を寄せながら、思いを馳せる。
両親に対し、思うことは何もない。ただ一つ、なにかあるかと問われれば……今度こそ、責任を果たして欲しい。これはフィーリアにも言えることだが、法の裁きをきちんと受け入れて欲しい。それだけだ。
「どうかした? ティファニア」
「なんでもないわ」
首を傾げるイグニスに、小さく微笑むティファニア。イグニスに抱き着き、彼の胸に顔を埋める。
どうか、今度こそアーデルにもいい人が見つかりますように。そして、私とイグニスにも、幸せが訪れますように……。そう、強く思ったティファニアだった。
アーデルの手紙が届いてから、更に二週間後、再び彼から手紙が届いた。丁度、イグニスがお邪魔している時間だった。
手紙には、フィーリアと両親に法の裁きが下されたとの内容が書かれていた。
フィーリアは遠い地にある、四方を岸壁と高波に囲われた通称『監獄』とも呼ばれる場所に強制収容となったそうだ。そこは重罪を犯した者達が一生をかけて強制労働をし、己の罪を償わせる場所で、そこに行ったら俗世に戻ってくることは出来ない。そんな場所だそうだ。
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無一文になっただけでなく、フィーリアを唆したかもしれないという罪まで着せられてしまった両親。
しかし、私はその判断は間違いではないと思えた。だって、アーデルの婚約者を入れ替えようと言い出したのは、両親だったから。
遠く離れた地で、三人には罪と向き合って欲しい。そう、静かに思った。
これで、少しは前に進めそうだ。
そう、アーデルは手紙の最後の方に綴っていた。これで、アーデルの心の傷が少しでも癒えたというのなら、私は良かったと思う。
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「大丈夫よ」
そう答えるが、イグニスは納得しようとしてくれない。それ所か、手紙を持った私を引き寄せ、膝に抱えるとぎゅうっと強く抱きしめてくれた。
「痛いわ、イグニス」
「……悲しい時は、泣いてもいいんだよ」
悲しいのだろうか? いや、悲しいのかもしれない。戸籍上は既に家族ではなくなったが、血の繋がった肉親が、遠くもう会えない地に行ってしまったこと……うん、やっぱり悲しいかもしれない。でも……。
「……大丈夫よ。だって、あなたがいるもの」
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いつかきっと、アーデルにもそんな存在と巡り会って欲しい。いや、もう巡り会ってるのかもしれない。そんなことを、イグニスの温もりを感じながら思った。
手に持っていた手紙が、窓の隙間から入ってきた風に揺られて音を立てる。その小さな音を耳に入れながら、イグニスの肩口に頬を摺り寄せた。
*************
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!
最後はティファニア視点で書いてみましたが、どうだったでしょうか……? 最後に判決と称してざまあを纏めてみましたが、物足りなさがあったらすみません!
ここまでティファニアの物語を読んでくださり、また、お気に入りや感想で励ましてくださり、本当にありがとうございました!!番外編を期待する声を頂いておりますので、何話か番外編を書こうと思っています。もしよろしかったら、そちらも読んでくださると幸いです!
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