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手乗り姫と旅立ち
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おじいさんに遂に許可を貰えたニアは、早速、荷造りの用意です。数着の着替えに、保存性の高い食料をたくさん、鞄に詰め込んでいきます。詰め込みながら、ニアは外の世界がどんな所なのか、想像を膨らませます。
「きっと、周りのものが全て大きいんだわ」
小人族はとても小さな種族です。小人族よりも小さい種族はそんなにいません。となると、自然と周りのものは大きな筈です。どこまで大きいのか、どれだけの出会いが待っているのか……ニアには楽しみで仕方ありませんでした。
「ニア、いるかい?」
窓の外から、コニックの声が聞こえました。こんな夜に、一体どうしたのでしょうか?
ニアは窓を開け、コニックに挨拶します。
「コニック! 私、外の世界に行けるわ!」
「そっか。おめでとう」
そう微笑むコニックですが、少し元気が無さそうです。ニアは首を傾げます。
「コニック、どうしたの?」
そっとコニックの鼻先を撫でますが、それでも元気がなさそうです。一体、何があったのでしょうか?
「ニア、先に言っておくね。人間は怖い生き物だよ。それだけは忘れないで」
「コニック……」
真剣な眼差しでそう告げるコニックの目は、憂いを帯びているように感じられました。何度も人の世界に行っているコニックだからこそ、わかることなのかもしれません。
「いいかい? 絶対に、僕の言うことを聞いてね。村長から聞いたよ。それが条件だって」
そこで一度だけ深呼吸し、コニックは言葉を続けました。
「外の……人の世界は、怖いことがいっぱいな場所だ。僕から絶対に、絶対に離れないでね」
「うん、わかった。約束する」
真剣なコニックに、ニアは真面目に返事を返します。その表情を見ると、コニックは笑みを浮かべました。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日ね」
言いたかったことを伝えきったのでしょう。コニックはニアの部屋の外から離れていきました。
コニックは何度も人の世界に行っています。そのコニックが危険だというのならば、用心に越したことはないかもしれません。ニアは唯一の小人族の武器である、人の使う縫い針も鞄に詰め込みました。
「ニア、必ず、帰ってくるんじゃよ」
「うん」
早朝、ニアとコニックは、おじいさんに見送られながら、ハートフットの村を出ました。コニックの背に乗り、一人と一匹はゆっくりと村を出ます。
「……怖いかい?」
「うーん……少しだけ。後は興味と楽しみでいっぱいよ!」
微笑みながら、ニアは答えます。
さあ、ニアにどんな出合いがまっているでしょうか。
「きっと、周りのものが全て大きいんだわ」
小人族はとても小さな種族です。小人族よりも小さい種族はそんなにいません。となると、自然と周りのものは大きな筈です。どこまで大きいのか、どれだけの出会いが待っているのか……ニアには楽しみで仕方ありませんでした。
「ニア、いるかい?」
窓の外から、コニックの声が聞こえました。こんな夜に、一体どうしたのでしょうか?
ニアは窓を開け、コニックに挨拶します。
「コニック! 私、外の世界に行けるわ!」
「そっか。おめでとう」
そう微笑むコニックですが、少し元気が無さそうです。ニアは首を傾げます。
「コニック、どうしたの?」
そっとコニックの鼻先を撫でますが、それでも元気がなさそうです。一体、何があったのでしょうか?
「ニア、先に言っておくね。人間は怖い生き物だよ。それだけは忘れないで」
「コニック……」
真剣な眼差しでそう告げるコニックの目は、憂いを帯びているように感じられました。何度も人の世界に行っているコニックだからこそ、わかることなのかもしれません。
「いいかい? 絶対に、僕の言うことを聞いてね。村長から聞いたよ。それが条件だって」
そこで一度だけ深呼吸し、コニックは言葉を続けました。
「外の……人の世界は、怖いことがいっぱいな場所だ。僕から絶対に、絶対に離れないでね」
「うん、わかった。約束する」
真剣なコニックに、ニアは真面目に返事を返します。その表情を見ると、コニックは笑みを浮かべました。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日ね」
言いたかったことを伝えきったのでしょう。コニックはニアの部屋の外から離れていきました。
コニックは何度も人の世界に行っています。そのコニックが危険だというのならば、用心に越したことはないかもしれません。ニアは唯一の小人族の武器である、人の使う縫い針も鞄に詰め込みました。
「ニア、必ず、帰ってくるんじゃよ」
「うん」
早朝、ニアとコニックは、おじいさんに見送られながら、ハートフットの村を出ました。コニックの背に乗り、一人と一匹はゆっくりと村を出ます。
「……怖いかい?」
「うーん……少しだけ。後は興味と楽しみでいっぱいよ!」
微笑みながら、ニアは答えます。
さあ、ニアにどんな出合いがまっているでしょうか。
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