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運命の交差
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/サヨナラのはずなのに/ サァーーーー。小雨の降る日。
もう、こんな世界とはお別れだ。「ふぅ」息をゆっくりとはく。良かった、雨が降っているおかげで、視界は悪いし、音も聞こえずらい。
ここから、一歩踏み出せば、全てが終わる、世界は、面白いことに、下に落ちれば、上にいくようになっている。そんなことを考えていると、後ろの遠くから、カンカンカン階段を登る音がする。「早くしなきゃな」そう思うのに、自然と目から雫がこぼれ落ちる。止まらない。
何でこうなったんだっけ?
/私だけの地獄/ コレが始まったのは、去年のクリスマスイブ。私(七瀬 千夏)(ななせ ちなつ)がその小さな勇気を表に出したのがきっかけだ。あの日・・・
クラスで人気なのに私なんかの幼なじみ、結城 裕人(ゆうき ひろと)に遊びに誘われた。私は、裕人のことが、好き?だったんだと思う。とても舞い上がっていた。そして、こんな日に誘ってくれるなんてもしかして、(結局理由は妹のプレゼント選びだったけど)なんて思って、告白、してしまった。裕人は、ふざけだと思ったらしく、アハハハと笑って無かったことになった。でも、その光景を、クラスに一人はいる、リーダー的でいじめっこの須藤 舞(すどう まい)
に見られていたらしく、次の日学校にいくと、上靴がなかった。高校生にもなって、低レベルだな。と思っていた、それでは終わらないとは知らずに。
ガッシヤァン机の倒れる音。
あぁ、またアイツやられてるよ、俺はアイツがなんでイジメられているのか見当もつかなかった。もう一ヶ月も続いている。「おい。千夏」
須藤、怒ってんなぁー、怖っ。誰か千夏助けてやれよ。トントン、肩を叩かれる、「ん?」「助けてあげてよ」千夏の親友、安野実穂(やすの みほ)が言う。「幼なじみでしょ」
確かにそうだ、俺と千夏は幼稚園から家も近所でよく遊んでいた。けど、「ありゃ無理だろ」俺と実穂の目線の先には女子5人くらいが千夏を囲んで髪を引っ張ったり、蹴ったり、さすがにあそこに入っていく勇気はない。
「確かに・・・」誰も助けられる状況じゃない
というか笑って楽しんでるやつもいる、千夏と目があった、とっさに、そらしてしまう。好きな人も助けられないなんて、
俺は最低だ。笑ってる奴等とおんなじだ、つくづく思う。
それが半年近くつづいただろうか、千夏が学校に来なくなった。原因はもちろんイジメ、でもうちの担任の笹倉 智也(ささくら ともや)は、見てみぬふりだ。教師のくせに、そう思ったが、俺も人のことを言えた立場ではない。「はぁ」ため息しかでない。「ねぇ」実穂が話しかけてくる、「千夏、ヤバイよ、朝電話来てさ、 「もうダメ、ごめんね、今までありがと」
とか言うのヤバイよほんとに」まさか、嫌な事しか想像できない。死ぬ。なんてないよな千夏。
/終わる地獄/ 家で閉じこもっている私は何がしたいのだろうか。もう、何をするにも気力がわかない、わりと本気で死にたい。気がつけば、ケータイを持って実穂に電話をしていた
トゥル着信音はすぐに途切れ「もしもし?」実穂の声、実穂だけは、学校以外ではいつもと変わらず接してくれたなぁ。「ねぇ、実穂、朝からごめんね、もうダメ、ごめんね、今までありがと」口にしたら、ほんの少し、ほんの少し楽になったような気がした。よし、自分に決意して、学校に向かった。教室に入ると丁度昼休みだった。皆がこっちをにらむ、でももう怖くない。「舞!!」大声を出してみる。すると舞とそのの周りの女子何人かが近寄ってくる。 「なに?」おこってるな、これだけ言って、お別れだ 。「私で終わりにしなよ。じゃあね」周りが、一瞬静まり返った。私はそのまま教室をあとにする。屋上行こーとっ。「良かった」そこには誰もいなかった。
入れ違いになったらしい。俺がトイレから戻ってくると、教室が静まり返っていた。「なんかあった?」・・・なんだ?「ちょい、ちょい」
実穂に呼ばれる、なぜか小声で、今、「千夏が来てさ、舞にたんかきって教室出ていった」
アイツ、なに考えてんだ、予想が当たりそうで怖い。「ねぇ、実穂ぉ」舞いに呼ばれた、実穂の顔からは、恐怖しか読み取れなかった、「あんたさぁー千夏とまだ仲良くしてたでしょ?無視しろって言ったよねぇー?」「それは・・」
「なぁ?」全員が察した次は実穂が標的だ。
このままじゃ、ダメだ変わらなきゃ、そう思うのに、身体が動かない。動け!動け!このままじゃ千夏がいなくなるかもしれないんだ。そう思った瞬間、身体の固さが消えた。「おい」クラス中の注目が俺に集まる。「いい加減、やめろよ、何人、やりゃ気がすむんだよ。もう、やめろよ」 「なんなのよ、あんたに関係ないでしょ?」関係ない。だと?「ふざけんなよ。・・・関係ないわけないだろうが、幼なじみの親友まで標的にされて、もう我慢の限界だよ」
「ごめんなさぁい」急に可愛い子ぶって、腕にしがみついてくる。舞の上目遣い、何なんだ?
「許して、お願い。ひ。ろ。と。君?」コロコロ性格が変わりすぎだ。話にならない。
「もういい」教室をでる。どうしよ、出た瞬間後悔が襲ってきた。まぁ。やったもんはしょうがない。と思った瞬間ピロリン、ケータイがなった、メールだ。実穂からだ、(ありがと、多分、千夏、屋上じゃないかな) 返事に(いってくる)そう残して、屋上へ足を進める。
急がないと。早足になる。階段を登る音が響く
カンカンカン、やたら大きく聞こえる心臓の音は多分緊張じゃない。
/二人の決意と思い/ 階段の音だ。誰かくる前に早くしなきゃな、誰か、多分、分かってるんだよな私は。だから。涙が止まらないんだ。
裕人。「うぅ、ぐすっ」止まらない。
千夏、待ってろよ。いまいく、もうアイツは戻れる。場所は出来てるんだ、屋上の扉を開けようとしたとき。千夏の泣き声だ。やば、いつ入ろう。・・・さっきのより緊張すんだけど。
「あーもう」やばっ。声に出た。千夏の声が止まる。
いるじゃん、入ってきてよ、もーしょうがないな。自殺しようとしてる奴に気を使わせるな、まったく。まぁ、気づいてないふりしてやるか寒い、雨が降ってるせいだ。早くして!!
「クスクス」あっヤバイ、笑っちゃった。
あーもう、裕人まだあんなとこにいるよ。まぁ、さっき助けてもらったし。恩返しよね。実穂の恩返し、なんてね。へへ。ん? 「あーもう」・・・・・「クスクス」絶対二人とも、今喋っちゃったって思ったでしょ。もー
「あんたら、似すぎーーー」ビックリしてる裕人、たぶん千夏もだな。トン裕人の背中を押して無理やり扉を開く。「あとは、頑張んな🎵」
「ありがと」
/運命の言葉/「・・・・・・千夏」「・・裕人」そろった。「なに?」「なんだよ」また。
「いいよ、先」「こーゆーときは男から」
「そうだな。千夏」「はい」「死ぬなんて、言わないでくれよ」「なんで?」「当たり前だろ・・・・・誰だって、大切な人には、死んでほしくないもんなんだよ。」不思議とドキドキがおさまっていた。「・・・裕人・・・ありがと」小さな声で言った、普通なら聞き逃してしまいそうな声だった。でも、聞こえてる。
「好きだよ、千夏」「ひっ裕人、好き」揃った
「ほんとに、」「俺達」「私たち」「似てるな」「似てるね」
「ふふ」笑いが込み上げる。「千夏、戻ろ」 「うん!!」
/最後に/
偶然かそれともわざとやったのか、覚えてないけど、手を繋いで教室に戻った時の、冷やかしが、すごかったなぁ、舞もその後はおとなしくなったし、女の嫉妬って怖いねー。おっと、これ以上言うと、千夏に怒られるな。でも、モテるって辛いねー、あははは。好きなひとがいる君ー、俺からのアドバイスだ。いつその人がいなくなるかわからない、だから、いけそうだった、コクっちゃえー、バシッ。痛っ。あんたが言うな。実穂?私が居なかったらどうするつもりだったんだ、まったく。それは言わないお約束。うっさい。いじめられてる子。これを読んだんなら、知っといて、私みたいに、死のうなんて馬鹿な考えは捨ててね。真似するなら、舞にたんかきった所だけね。ふふ。じゃあ、・・・・せーの 「「「ありがとーーー」」」
もう、こんな世界とはお別れだ。「ふぅ」息をゆっくりとはく。良かった、雨が降っているおかげで、視界は悪いし、音も聞こえずらい。
ここから、一歩踏み出せば、全てが終わる、世界は、面白いことに、下に落ちれば、上にいくようになっている。そんなことを考えていると、後ろの遠くから、カンカンカン階段を登る音がする。「早くしなきゃな」そう思うのに、自然と目から雫がこぼれ落ちる。止まらない。
何でこうなったんだっけ?
/私だけの地獄/ コレが始まったのは、去年のクリスマスイブ。私(七瀬 千夏)(ななせ ちなつ)がその小さな勇気を表に出したのがきっかけだ。あの日・・・
クラスで人気なのに私なんかの幼なじみ、結城 裕人(ゆうき ひろと)に遊びに誘われた。私は、裕人のことが、好き?だったんだと思う。とても舞い上がっていた。そして、こんな日に誘ってくれるなんてもしかして、(結局理由は妹のプレゼント選びだったけど)なんて思って、告白、してしまった。裕人は、ふざけだと思ったらしく、アハハハと笑って無かったことになった。でも、その光景を、クラスに一人はいる、リーダー的でいじめっこの須藤 舞(すどう まい)
に見られていたらしく、次の日学校にいくと、上靴がなかった。高校生にもなって、低レベルだな。と思っていた、それでは終わらないとは知らずに。
ガッシヤァン机の倒れる音。
あぁ、またアイツやられてるよ、俺はアイツがなんでイジメられているのか見当もつかなかった。もう一ヶ月も続いている。「おい。千夏」
須藤、怒ってんなぁー、怖っ。誰か千夏助けてやれよ。トントン、肩を叩かれる、「ん?」「助けてあげてよ」千夏の親友、安野実穂(やすの みほ)が言う。「幼なじみでしょ」
確かにそうだ、俺と千夏は幼稚園から家も近所でよく遊んでいた。けど、「ありゃ無理だろ」俺と実穂の目線の先には女子5人くらいが千夏を囲んで髪を引っ張ったり、蹴ったり、さすがにあそこに入っていく勇気はない。
「確かに・・・」誰も助けられる状況じゃない
というか笑って楽しんでるやつもいる、千夏と目があった、とっさに、そらしてしまう。好きな人も助けられないなんて、
俺は最低だ。笑ってる奴等とおんなじだ、つくづく思う。
それが半年近くつづいただろうか、千夏が学校に来なくなった。原因はもちろんイジメ、でもうちの担任の笹倉 智也(ささくら ともや)は、見てみぬふりだ。教師のくせに、そう思ったが、俺も人のことを言えた立場ではない。「はぁ」ため息しかでない。「ねぇ」実穂が話しかけてくる、「千夏、ヤバイよ、朝電話来てさ、 「もうダメ、ごめんね、今までありがと」
とか言うのヤバイよほんとに」まさか、嫌な事しか想像できない。死ぬ。なんてないよな千夏。
/終わる地獄/ 家で閉じこもっている私は何がしたいのだろうか。もう、何をするにも気力がわかない、わりと本気で死にたい。気がつけば、ケータイを持って実穂に電話をしていた
トゥル着信音はすぐに途切れ「もしもし?」実穂の声、実穂だけは、学校以外ではいつもと変わらず接してくれたなぁ。「ねぇ、実穂、朝からごめんね、もうダメ、ごめんね、今までありがと」口にしたら、ほんの少し、ほんの少し楽になったような気がした。よし、自分に決意して、学校に向かった。教室に入ると丁度昼休みだった。皆がこっちをにらむ、でももう怖くない。「舞!!」大声を出してみる。すると舞とそのの周りの女子何人かが近寄ってくる。 「なに?」おこってるな、これだけ言って、お別れだ 。「私で終わりにしなよ。じゃあね」周りが、一瞬静まり返った。私はそのまま教室をあとにする。屋上行こーとっ。「良かった」そこには誰もいなかった。
入れ違いになったらしい。俺がトイレから戻ってくると、教室が静まり返っていた。「なんかあった?」・・・なんだ?「ちょい、ちょい」
実穂に呼ばれる、なぜか小声で、今、「千夏が来てさ、舞にたんかきって教室出ていった」
アイツ、なに考えてんだ、予想が当たりそうで怖い。「ねぇ、実穂ぉ」舞いに呼ばれた、実穂の顔からは、恐怖しか読み取れなかった、「あんたさぁー千夏とまだ仲良くしてたでしょ?無視しろって言ったよねぇー?」「それは・・」
「なぁ?」全員が察した次は実穂が標的だ。
このままじゃ、ダメだ変わらなきゃ、そう思うのに、身体が動かない。動け!動け!このままじゃ千夏がいなくなるかもしれないんだ。そう思った瞬間、身体の固さが消えた。「おい」クラス中の注目が俺に集まる。「いい加減、やめろよ、何人、やりゃ気がすむんだよ。もう、やめろよ」 「なんなのよ、あんたに関係ないでしょ?」関係ない。だと?「ふざけんなよ。・・・関係ないわけないだろうが、幼なじみの親友まで標的にされて、もう我慢の限界だよ」
「ごめんなさぁい」急に可愛い子ぶって、腕にしがみついてくる。舞の上目遣い、何なんだ?
「許して、お願い。ひ。ろ。と。君?」コロコロ性格が変わりすぎだ。話にならない。
「もういい」教室をでる。どうしよ、出た瞬間後悔が襲ってきた。まぁ。やったもんはしょうがない。と思った瞬間ピロリン、ケータイがなった、メールだ。実穂からだ、(ありがと、多分、千夏、屋上じゃないかな) 返事に(いってくる)そう残して、屋上へ足を進める。
急がないと。早足になる。階段を登る音が響く
カンカンカン、やたら大きく聞こえる心臓の音は多分緊張じゃない。
/二人の決意と思い/ 階段の音だ。誰かくる前に早くしなきゃな、誰か、多分、分かってるんだよな私は。だから。涙が止まらないんだ。
裕人。「うぅ、ぐすっ」止まらない。
千夏、待ってろよ。いまいく、もうアイツは戻れる。場所は出来てるんだ、屋上の扉を開けようとしたとき。千夏の泣き声だ。やば、いつ入ろう。・・・さっきのより緊張すんだけど。
「あーもう」やばっ。声に出た。千夏の声が止まる。
いるじゃん、入ってきてよ、もーしょうがないな。自殺しようとしてる奴に気を使わせるな、まったく。まぁ、気づいてないふりしてやるか寒い、雨が降ってるせいだ。早くして!!
「クスクス」あっヤバイ、笑っちゃった。
あーもう、裕人まだあんなとこにいるよ。まぁ、さっき助けてもらったし。恩返しよね。実穂の恩返し、なんてね。へへ。ん? 「あーもう」・・・・・「クスクス」絶対二人とも、今喋っちゃったって思ったでしょ。もー
「あんたら、似すぎーーー」ビックリしてる裕人、たぶん千夏もだな。トン裕人の背中を押して無理やり扉を開く。「あとは、頑張んな🎵」
「ありがと」
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「いいよ、先」「こーゆーときは男から」
「そうだな。千夏」「はい」「死ぬなんて、言わないでくれよ」「なんで?」「当たり前だろ・・・・・誰だって、大切な人には、死んでほしくないもんなんだよ。」不思議とドキドキがおさまっていた。「・・・裕人・・・ありがと」小さな声で言った、普通なら聞き逃してしまいそうな声だった。でも、聞こえてる。
「好きだよ、千夏」「ひっ裕人、好き」揃った
「ほんとに、」「俺達」「私たち」「似てるな」「似てるね」
「ふふ」笑いが込み上げる。「千夏、戻ろ」 「うん!!」
/最後に/
偶然かそれともわざとやったのか、覚えてないけど、手を繋いで教室に戻った時の、冷やかしが、すごかったなぁ、舞もその後はおとなしくなったし、女の嫉妬って怖いねー。おっと、これ以上言うと、千夏に怒られるな。でも、モテるって辛いねー、あははは。好きなひとがいる君ー、俺からのアドバイスだ。いつその人がいなくなるかわからない、だから、いけそうだった、コクっちゃえー、バシッ。痛っ。あんたが言うな。実穂?私が居なかったらどうするつもりだったんだ、まったく。それは言わないお約束。うっさい。いじめられてる子。これを読んだんなら、知っといて、私みたいに、死のうなんて馬鹿な考えは捨ててね。真似するなら、舞にたんかきった所だけね。ふふ。じゃあ、・・・・せーの 「「「ありがとーーー」」」
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