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第二十七話
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ユオサイド
今から美沙さんと一緒に誠司さんオススメの店に行くという事で、昨日もオシャレを頑張った私は今日もおしゃれを頑張った。
家にあった昔着ていた服を引っ張り出してきて、久しぶりに鏡の前でファッションショーをしていると、美沙さんが遠巻きに嬉しそうな顔して私を見ていた。
Y「そんな見られたら恥ずかしい…」
美「やっぱユオはそういう方がユオらしいよ…」
Y「え?おしゃれしてるのが?」
美「それが本来のユオじゃん…」
美沙さんにも褒められて上機嫌な私は美沙さんの背中について行き、薄暗いお洒落すぎる店内をマジマジと見つめながら個室に案内され、座り心地のいいソファに身を委ねる。
私「なんでこんな暗いの?お洒落すぎて落ち着かないんだけど…(小声)」
美「誠司さんの行きつけらしいよ。こんなお洒落で薄暗い個室に誰を連れ込んでんだか。」
私「ヤキモチ?」
美「んなわけ。」
そんな話をしていると扉をノックする音が聞こえた。
トントン
「お連れさまがご来店されました。」
美「あっ!誠司さんが来た…あれ…?」
Y「えっ…」
S「お待たせ~!今日は我が社オススメの愛嬌男子を連れてきましたよ~じゃじゃ~ん♪」
M「いやぁ~どぉ~も!お疲れ様で~す!お2人と一緒にお酒飲めるなんて俺嬉しいっす!」
誠司さんの横には真人くんが立っていた。
Y「真人くん…あなたはなんでここにいるんですか…?」
私は真人くんが嫌なんじゃない。
真人くんは優しくて可愛いくていい人。
だからまた会えたことがすごく嬉しい。
だけど…
真人くんがここにいたら、真人くんと練習すると言っていた純太くんの話がおかしくなる…
よね…?
M「えっ?いや…なんでって…俺来ちゃダメだった?」
美「いや、そう言うわけじゃなくてね?今日、純太くんと練習するんじゃなかったの?」
S「真人、そうだったのか?」
M「えっ?練習…いや、そんな話聞いてませんけど…」
Y「………。」
美「あっ!なにか純太くんにも事情があったんだよ。2人とも来てくれたんだからとりあえず何か飲もう?ね?」
S「そ…そうだね!ほら、ユオちゃんなに飲む?」
美沙さんと誠司さんは私の様子を察して2人で目配せをするとそう言った。
M「えっ?どういうことですか?俺たちが帰るまで純太、普通に店にいましたよ?ねっ?誠司さん?」
S「真人…お前とりあえず…一回黙ろうか…?」
純太くんは普通に店にいたんだ…
じゃ、なんで私は断られたんだろ?
急に面倒くさくなった…?
それとも私が…
冴えない女だから?
陰キャラだから?
ダサいから?
どうでもよくなった?
だったら…はじめからほっといて欲しかったな…
優しくなんてしないで欲しかった。
って、私めちゃくちゃ被害妄想激しいな…
頭の中で嫌なことばかりがぐるぐると巡る自分自身に私は苦笑いをした。
つづく
今から美沙さんと一緒に誠司さんオススメの店に行くという事で、昨日もオシャレを頑張った私は今日もおしゃれを頑張った。
家にあった昔着ていた服を引っ張り出してきて、久しぶりに鏡の前でファッションショーをしていると、美沙さんが遠巻きに嬉しそうな顔して私を見ていた。
Y「そんな見られたら恥ずかしい…」
美「やっぱユオはそういう方がユオらしいよ…」
Y「え?おしゃれしてるのが?」
美「それが本来のユオじゃん…」
美沙さんにも褒められて上機嫌な私は美沙さんの背中について行き、薄暗いお洒落すぎる店内をマジマジと見つめながら個室に案内され、座り心地のいいソファに身を委ねる。
私「なんでこんな暗いの?お洒落すぎて落ち着かないんだけど…(小声)」
美「誠司さんの行きつけらしいよ。こんなお洒落で薄暗い個室に誰を連れ込んでんだか。」
私「ヤキモチ?」
美「んなわけ。」
そんな話をしていると扉をノックする音が聞こえた。
トントン
「お連れさまがご来店されました。」
美「あっ!誠司さんが来た…あれ…?」
Y「えっ…」
S「お待たせ~!今日は我が社オススメの愛嬌男子を連れてきましたよ~じゃじゃ~ん♪」
M「いやぁ~どぉ~も!お疲れ様で~す!お2人と一緒にお酒飲めるなんて俺嬉しいっす!」
誠司さんの横には真人くんが立っていた。
Y「真人くん…あなたはなんでここにいるんですか…?」
私は真人くんが嫌なんじゃない。
真人くんは優しくて可愛いくていい人。
だからまた会えたことがすごく嬉しい。
だけど…
真人くんがここにいたら、真人くんと練習すると言っていた純太くんの話がおかしくなる…
よね…?
M「えっ?いや…なんでって…俺来ちゃダメだった?」
美「いや、そう言うわけじゃなくてね?今日、純太くんと練習するんじゃなかったの?」
S「真人、そうだったのか?」
M「えっ?練習…いや、そんな話聞いてませんけど…」
Y「………。」
美「あっ!なにか純太くんにも事情があったんだよ。2人とも来てくれたんだからとりあえず何か飲もう?ね?」
S「そ…そうだね!ほら、ユオちゃんなに飲む?」
美沙さんと誠司さんは私の様子を察して2人で目配せをするとそう言った。
M「えっ?どういうことですか?俺たちが帰るまで純太、普通に店にいましたよ?ねっ?誠司さん?」
S「真人…お前とりあえず…一回黙ろうか…?」
純太くんは普通に店にいたんだ…
じゃ、なんで私は断られたんだろ?
急に面倒くさくなった…?
それとも私が…
冴えない女だから?
陰キャラだから?
ダサいから?
どうでもよくなった?
だったら…はじめからほっといて欲しかったな…
優しくなんてしないで欲しかった。
って、私めちゃくちゃ被害妄想激しいな…
頭の中で嫌なことばかりがぐるぐると巡る自分自身に私は苦笑いをした。
つづく
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