キミのとなり

樺純

文字の大きさ
36 / 92

第三十六話

しおりを挟む
アヨサイド

みなさんごきげんよう。

純太の元カノのアヨです。

みんな私の事、最低な女だって思ったでしょ?

そうだよね…私もそう思うわ…

私は美容専門学校を卒業してすぐにお金持ちの男性と結婚したの。

でも、主人を愛していたわけではない。

主人の地位と名誉そして、裕福な生活を愛していたの。

私は幼い頃に父を亡くし母の女手一つで育てられた。

母は毎日毎日働き、体を壊しながらも私を育てるために必死で仕事に行っていたわ。

そんな生活にも関わらず、母は苦労して私を美容専門学校にまで入学させてくれたわ。

美容専門学校に通うようになってすぐ夜のバイトを始めたの。

煌びやかな世界でお金と男と女がまみれた世界…

そこで主人とも知り合ったわ。

彼の裕福な生活は私の憧れになり手に入れたいと思ったの。

卒業後すぐ主人と結婚し、欲しいものは何でも与えられる生活がはじまった。

私は裕福な生活に満足していたけど仕事柄、家に帰ることが少ない主人に対して、寂しさと虚しさをおぼえ…愛に飢えていたの。

その気持ちを埋めるため社会経験をしたいと主人にお願いをして誠司の所で働きはじめた。

誠司にはスタッフのみんなに気を使わせたくないからと言って私が結婚してることを内緒にしてもらった。

はじめはホントにそのつもりだったけど…

純太と出会って結婚を隠したことが正解だったと思ったの。

純太に想いを告げらた日、私はすごく心が満たされた。

主人との裕福な生活と純太という愛する人との甘い生活。

この二重生活が本当に幸せだった。

そして、私は主人に趣味の部屋が欲しいとお願いをして私だけのマンションを購入してもらったわ。

主人に与えられたマンションで純太に愛される日々。

こんなときがずっと続くと思っていた…

でも、それは1年で主人にバレてしまった。

逆に1年もバレなかった方が不思議だったけど、私は愛していたはずの純太よりも主人との裕福な生活を選んだ。

純太と別れるよりこの裕福な生活から離れる方が怖かったから。

突然、純太に別れを告げ、純太の前から消えた。

なのに…主人は許してくれなかった…

どんなにすがり付いて泣き叫んでも主人は冷たく「離婚してくれ」そう言った。

あんなに幸せだったはずなのに結局…

私には何も残らなかった…

だから、取り戻させて?

今まで欲しいと思えば手に入ったんだもの。

純太は優しいから私を捨てたりできないでしょ?

私が本当に愛したのは純太ひとり…

だから、私以外の女をそんな目で見つめるなんて許さない。

純太がそんな目で見つめていいのは私だけなんだから…

私と純太の邪魔をしないで。

つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。

泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。 でも今、確かに思ってる。 ―――この愛は、重い。 ------------------------------------------ 羽柴健人(30) 羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問 座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』 好き:柊みゆ 嫌い:褒められること × 柊 みゆ(28) 弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部 座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』 好き:走ること 苦手:羽柴健人 ------------------------------------------

おじさんは予防線にはなりません

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「俺はただの……ただのおじさんだ」 それは、私を完全に拒絶する言葉でした――。 4月から私が派遣された職場はとてもキラキラしたところだったけれど。 女性ばかりでギスギスしていて、上司は影が薄くて頼りにならない。 「おじさんでよかったら、いつでも相談に乗るから」 そう声をかけてくれたおじさんは唯一、頼れそうでした。 でもまさか、この人を好きになるなんて思ってもなかった。 さらにおじさんは、私の気持ちを知って遠ざける。 だから私は、私に好意を持ってくれている宗正さんと偽装恋愛することにした。 ……おじさんに、前と同じように笑いかけてほしくて。 羽坂詩乃 24歳、派遣社員 地味で堅実 真面目 一生懸命で応援してあげたくなる感じ × 池松和佳 38歳、アパレル総合商社レディースファッション部係長 気配り上手でLF部の良心 怒ると怖い 黒ラブ系眼鏡男子 ただし、既婚 × 宗正大河 28歳、アパレル総合商社LF部主任 可愛いのは実は計算? でももしかして根は真面目? ミニチュアダックス系男子 選ぶのはもちろん大河? それとも禁断の恋に手を出すの……? ****** 表紙 巴世里様 Twitter@parsley0129 ****** 毎日20:10更新

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される

山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」  出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。  冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?  

俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛

ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。 そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う これが桂木廉也との出会いである。 廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。 みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。 以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。 二人の恋の行方は……

処理中です...