キミのとなり

樺純

文字の大きさ
37 / 92

第三十七話

しおりを挟む
ユオサイド

あぁ…きのうは飲み過ぎた…

私は一体どうやって帰ってきたんだっけ…?

お店で酔いが回ってきてトイレに行く前までの記憶はあるのに何故かそれ以降の記憶が…全くない。

まぁ、美沙さんも一緒だったし明日、会社で誠司さんと真人くんに変な事言わなかったか聞けばいいか。

そんなことを思っていると、何故だか胸の奥が悲しいというか…苦しいというか…不思議な感覚に襲われた。

昨日最後に飲んだワインがダメだったかな?

そう反省しながら外をみると、夕日が差し込んでいて、慌てて時計を見るともう既に夕方の17時前だった。

飲み過ぎて1日を無駄にしてしまった。

あ…スマホ充電しなきゃ…

そう思いスマホを手にすると純太くんからの数えきれないほどのトークが入っていた。


【トーク 純太】
8:30「きのうはごめん、話したい」
9:02「ちゃんとご飯食べた?」
9:25「二日酔いになってない?」 
11:10「まだ、起きてないの?」
15:06「昨日の事怒ってますよね ?」
15:12「あの写真渡したい」
15:25「今日会えない?」
15:45「会いたい」


何故か私は純太くんの名前をみると胸がズキズキと疼いた。

今日は日曜日で日曜の美容室だと凄く忙しいはずなのにこれだけのトークが入っているだなんて…純太くんって…暇なの?っと私はクスッと笑った。

初めの頃は人の心にズカズカ入ってきそうな雰囲気の人だなと思っていたけど、トークの内容は私の事を気遣ってくれる内容ばっかりで少し嬉しい。

トークの間には純太くんから着信もなん度も入っていて私は不思議に思う。

飲み過ぎたとはいえ、ここまで意識を飛ばした経験はなかったのに、なぜか昨日のことは何ひとつ思い出すことが出来なかった。


【トーク ユオ】
迷惑メールみたいなトークはやめて下さい。
昨日、真人ぬんと練習じゃなかったんですね?怒ってませんので気にしないでください。今日はかなりの二日酔いです。辛いです。なので今日は会えません。


私は純太にそう返信をしてスマホを置いた。

つづく
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

愛想笑いの課長は甘い俺様

吉生伊織
恋愛
社畜と罵られる 坂井 菜緒 × 愛想笑いが得意の俺様課長 堤 将暉 ********** 「社畜の坂井さんはこんな仕事もできないのかなぁ~?」 「へぇ、社畜でも反抗心あるんだ」 あることがきっかけで社畜と罵られる日々。 私以外には愛想笑いをするのに、私には厳しい。 そんな課長を避けたいのに甘やかしてくるのはどうして?

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。

泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。 でも今、確かに思ってる。 ―――この愛は、重い。 ------------------------------------------ 羽柴健人(30) 羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問 座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』 好き:柊みゆ 嫌い:褒められること × 柊 みゆ(28) 弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部 座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』 好き:走ること 苦手:羽柴健人 ------------------------------------------

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛

ラヴ KAZU
恋愛
みゆは付き合う度に騙されて男性不信になり もう絶対に男性の言葉は信じないと決心した。 そんなある日会社の休憩室で一人の男性と出会う これが桂木廉也との出会いである。 廉也はみゆに信じられない程の愛情を注ぐ。 みゆは一瞬にして廉也と恋に落ちたが同じ過ちを犯してはいけないと廉也と距離を取ろうとする。 以前愛した御曹司龍司との別れ、それは会社役員に結婚を反対された為だった。 二人の恋の行方は……

処理中です...