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第四十四話
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ユオサイド
美沙さんが帰ってすぐ、またインターホンがなった。
ピンポーン
Y「はぁ~い!!」
ガチャ
扉を開けるとすぐ、純太くんがニコッと笑いながら紙袋を見せた。
J「はい!ご希望のプリンとチョコだよ。」
Y「買いすぎですよ…これ。しかも…チョコは頼んでませんよ。」
紙袋の中には沢山のチョコの袋が入っていて、チョコ好きな私は自然と笑みが溢れる。
J「いいじゃん。チョコ好きでしょ?いらないなら俺が食べる!」
純太くんはそう言って子供みたいにイタズラに笑った。
私は純太くんにチョコが好きなんて話したことないのに何故か純太くんは私がチョコ好きであることを知っていてまた、私の心臓がドキッとした。
Y「いや!私だって食べますから!」
J「ごめんごめんwあの…男子禁制のお部屋の中には…いれて…くれ…ない…よね?」
純太くんは探るように子犬のようなキラキラとした目で私を見つめながらそう問いかける。
直視してしまったらもう、私の心臓はきっと止まってしまうだろう。
私は少し視線を逸らして言った。
Y「汚いところですがどうぞ。」
J「お邪魔します。」
純太くんは大きな体を縮こめて綺麗に靴を揃えて部屋の中に入っていき、ソファではなく床に正座をして座っている。
Y「ソファに座ってください。」
J「その前に…ちょっとこっち来て?少し話したい。」
そう言って純太くんは手を伸ばして私の腕を引くと私をソファに座らせて、私の前で向き合うようにして正座で座り直した。
えっ?なに?
そんな来て早々改まってなんの話し?
やだやだ…まだ心の準備が出来てないのに…どうしよう。
J「ユオ…」
そう言って純太くんに見つめられた私は緊張からごくりと唾を飲み込んだ。
Y「はい…」
私が小さな声でそう返事をすると純太くんは突然、勢いよく頭を下げた。
J「ユオ…マジでごめん!!」
私が純太くんの言葉に呆気に取られていると純太くんは話を続けた。
J「昨日、真人くんと練習とか嘘ついてゴメン。正直に言えば良かったのに変な嘘ついて嫌な思いさせてマジでごめん…」
すると、なぜか純太くんの話を聞いていると胸の奥がズキズキと痛くなり息が苦しくなり始めた。
それを誤魔化すように私は純太くんに言った。
Y「嘘つかれたのは少し悲しかったけど私に気にしてないので大丈夫です。ただ、ひとつ聞きたいのですが私、昨日飲みすぎて記憶飛んじゃってるんですよ。もしかして…私となにかありました?」
なにか大事なこと忘れてるような気がする私は純太くんにそう問いかけた。
J「えっと…あの…実は……」
美沙さんはなんもないって言ってたが、今、目の前にいる純太くんの様子を見れば私と何かあったと顔に書いてある。
私、酔っ払ってなにかヤラカしちゃったんだ…恥ずかしさのあまり咄嗟に純太くんの言葉を遮った。
Y「やっぱり大丈夫です。純太くんから着信が何度も入ってて気になっただけなんで…」
言いにくそうな顔をしている純太くんを前にして私は怖くて聞けない。
さっきから心臓がバクバクして苦しいし何故か、涙が溢れそうな感覚に襲われる。
すると、純太くんが言った。
J「ごめん…やっぱもう、ユオには嘘つきたくない。だから…ちゃんと聞いて?」
真剣な眼差しで私にそう言う純太くんに私は嫌な予感しかしない。
Y「もう、大丈夫ですよ!本当に怒ってませんから!」
J「俺が大丈夫じゃない…苦しいんだよ…ユオにウソついたから…だからお願い話聞いて?」
純太くんが目の前で苦しんでる。
私はどうしたらいい?
得ないの知れないこの感情。
恐怖とも違うのになにかが怖くて悲しい複雑な気持ちなのに純太くんのために聞いた方が…いいの?
そう思ってる時点で私は純太くんにカナリ惚れてしまってる。
私は恐る恐る純太くんの話に耳を傾けた。
つづく
美沙さんが帰ってすぐ、またインターホンがなった。
ピンポーン
Y「はぁ~い!!」
ガチャ
扉を開けるとすぐ、純太くんがニコッと笑いながら紙袋を見せた。
J「はい!ご希望のプリンとチョコだよ。」
Y「買いすぎですよ…これ。しかも…チョコは頼んでませんよ。」
紙袋の中には沢山のチョコの袋が入っていて、チョコ好きな私は自然と笑みが溢れる。
J「いいじゃん。チョコ好きでしょ?いらないなら俺が食べる!」
純太くんはそう言って子供みたいにイタズラに笑った。
私は純太くんにチョコが好きなんて話したことないのに何故か純太くんは私がチョコ好きであることを知っていてまた、私の心臓がドキッとした。
Y「いや!私だって食べますから!」
J「ごめんごめんwあの…男子禁制のお部屋の中には…いれて…くれ…ない…よね?」
純太くんは探るように子犬のようなキラキラとした目で私を見つめながらそう問いかける。
直視してしまったらもう、私の心臓はきっと止まってしまうだろう。
私は少し視線を逸らして言った。
Y「汚いところですがどうぞ。」
J「お邪魔します。」
純太くんは大きな体を縮こめて綺麗に靴を揃えて部屋の中に入っていき、ソファではなく床に正座をして座っている。
Y「ソファに座ってください。」
J「その前に…ちょっとこっち来て?少し話したい。」
そう言って純太くんは手を伸ばして私の腕を引くと私をソファに座らせて、私の前で向き合うようにして正座で座り直した。
えっ?なに?
そんな来て早々改まってなんの話し?
やだやだ…まだ心の準備が出来てないのに…どうしよう。
J「ユオ…」
そう言って純太くんに見つめられた私は緊張からごくりと唾を飲み込んだ。
Y「はい…」
私が小さな声でそう返事をすると純太くんは突然、勢いよく頭を下げた。
J「ユオ…マジでごめん!!」
私が純太くんの言葉に呆気に取られていると純太くんは話を続けた。
J「昨日、真人くんと練習とか嘘ついてゴメン。正直に言えば良かったのに変な嘘ついて嫌な思いさせてマジでごめん…」
すると、なぜか純太くんの話を聞いていると胸の奥がズキズキと痛くなり息が苦しくなり始めた。
それを誤魔化すように私は純太くんに言った。
Y「嘘つかれたのは少し悲しかったけど私に気にしてないので大丈夫です。ただ、ひとつ聞きたいのですが私、昨日飲みすぎて記憶飛んじゃってるんですよ。もしかして…私となにかありました?」
なにか大事なこと忘れてるような気がする私は純太くんにそう問いかけた。
J「えっと…あの…実は……」
美沙さんはなんもないって言ってたが、今、目の前にいる純太くんの様子を見れば私と何かあったと顔に書いてある。
私、酔っ払ってなにかヤラカしちゃったんだ…恥ずかしさのあまり咄嗟に純太くんの言葉を遮った。
Y「やっぱり大丈夫です。純太くんから着信が何度も入ってて気になっただけなんで…」
言いにくそうな顔をしている純太くんを前にして私は怖くて聞けない。
さっきから心臓がバクバクして苦しいし何故か、涙が溢れそうな感覚に襲われる。
すると、純太くんが言った。
J「ごめん…やっぱもう、ユオには嘘つきたくない。だから…ちゃんと聞いて?」
真剣な眼差しで私にそう言う純太くんに私は嫌な予感しかしない。
Y「もう、大丈夫ですよ!本当に怒ってませんから!」
J「俺が大丈夫じゃない…苦しいんだよ…ユオにウソついたから…だからお願い話聞いて?」
純太くんが目の前で苦しんでる。
私はどうしたらいい?
得ないの知れないこの感情。
恐怖とも違うのになにかが怖くて悲しい複雑な気持ちなのに純太くんのために聞いた方が…いいの?
そう思ってる時点で私は純太くんにカナリ惚れてしまってる。
私は恐る恐る純太くんの話に耳を傾けた。
つづく
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