キミのとなり

樺純

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第五十八話

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ユオサイド

やっぱりあれは私の都合のいい勘違いだった。

純太くんと過ごしたあの胸がキュって縮こまるような心が満たされるような幸せな時間は夢だったんだ。

純太くんはやっぱりアヨさんの事が好きだった。

私は泣きそうになりながらおもむろにスマホを取り出し美沙さんに電話をする

美「もしもし?」

Y「美沙さん…やっぱり…私の勘違いだった全部…」

美「ユオ?何、言ってんの?今どこ?」

Y「純太くんが好きって言ってくれたのは私の勘違いだった…純太くんは…やっぱりアヨさんが…うぅ…」

涙で言葉が出てこない私は思わずグッと唇を噛み堪える。

美「ユオ?どういうこと?今すぐ行くから!どこにいるの!?」

Y「美沙さんなんで…家にいないのよ…」

私は何とかの思いでたどり着いた美沙さんの部屋の前で泣きながらしゃがみ込んだ。

美「家?私の家にいるの?待ってて!すぐ帰るから!」

そう言って美沙さんとの電話が切れた後、すぐにスマホの充電が切れた。

数分後

美沙さんは息を切らしながら帰ってきた。

誠司さんと一緒に。

2人は涙でぐちゃぐちゃになる私をみて驚きのあまり息を飲んだ。

美「とりあえず部屋に入ろう?」

美沙さんが優しく私を立ち上がらせてくれて、誠司さんが心配そうに支えてくれた。

S「……大丈夫だから。ユオはひとりじゃないからね?」

誠司さんの真っ直ぐなその言葉がやけに胸に響いてまた涙が溢れた。

つづく
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