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2話
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ジョウキside
朝からずっと体調は悪かったが、仕事を休むワケにもいかず俺は重い体を起こして仕事に向かった。
なんとか収録を終え、マネージャーに家に送ってもらって部屋に入るなりベッドに倒れ込んだ。
頭がガンガンと痛いくカラダが焼けるように熱くて死にそうだ。
足元がフラつきながら冷蔵庫に向かうが中身は空っぽ…
俺は虚な頭のまま財布を手に取り、鍵を腰に引っ掛けコンビニへと向かったはず…
なのに?
気づけば酒の匂いが漂う女が必死な顔して俺に話しかけている。
背中に伝わるコンクリートの冷たさと見上げた星空を見て俺は気づいた。
あぁ…俺…倒れたんだ…と。
J「すいません…迷惑かけて…もう大丈夫なんで…」
俺は必死に起き上がろうとしても体に力が入らない。
A「今、救急車呼びます?」
J「本当に大丈夫なんで…」
俺はゆっくりと起き上がり、何度か頭を振ってヨタヨタと立ち上がったが自分の体が自分の体じゃないみたいだ。
A「本当に大丈夫なんですか?」
J「……はい…」
そう言って歩き出したものの、俺の足が言うことを聞いてくれず力が入らない。
A「大丈夫じゃないですよ。」
何やったんだろ…俺…女に支えらるなんて情けないな…
そう思いながら息を吸い込むと、想像以上の女の酒臭さに吐きそうになり思わず息を止めた。
J「すいません…歩いて帰れるんで…」
A「どう考えても無理でしょう!?救急車で病院に…」
その声はフェードアウトするかのように消えていき、目の前の女は俺の顔を見てまるで目をまん丸とさせ、金魚のように口をパクパクとさせていた。
Y「えっ!?ジョウキじゃん!?アナ!UNoのジョウキだよ!あんたの王子様じゃん!」
後ろの黒髪の女が甲高い声でそう叫び、目の前にいる小柄な女は小動物みたいに目を丸くし、両手を合わせ俺を拝んでた。
J「助けていただいてありがとうございます。すいません…失礼します…」
俺は一刻も早くこの場所から逃げたくて、回らない頭をフル回転しながら、ヨタヨタの足でその場を立ち去った。
すると、後ろから女2人の会話が微かに聞こえてきて俺は聞き耳を立てる。
Y「アナ!いいの!?ジョウキだよ!このままでいいの!?」
A「いいの…熱出てんだよ!?そっとしといてあげようよ!可哀想じゃん!私の王子様!」
なんだよ…勝手にお前の王子様にすんなよ…
そう内心思いながらも、今の俺にはそっとしといてもらえる事のありがたみが身にしみた。
そして、俺はマンションに着きいつものように腰のチェーンに手をやり気づく…
家の鍵を落としたことに………
つづく
朝からずっと体調は悪かったが、仕事を休むワケにもいかず俺は重い体を起こして仕事に向かった。
なんとか収録を終え、マネージャーに家に送ってもらって部屋に入るなりベッドに倒れ込んだ。
頭がガンガンと痛いくカラダが焼けるように熱くて死にそうだ。
足元がフラつきながら冷蔵庫に向かうが中身は空っぽ…
俺は虚な頭のまま財布を手に取り、鍵を腰に引っ掛けコンビニへと向かったはず…
なのに?
気づけば酒の匂いが漂う女が必死な顔して俺に話しかけている。
背中に伝わるコンクリートの冷たさと見上げた星空を見て俺は気づいた。
あぁ…俺…倒れたんだ…と。
J「すいません…迷惑かけて…もう大丈夫なんで…」
俺は必死に起き上がろうとしても体に力が入らない。
A「今、救急車呼びます?」
J「本当に大丈夫なんで…」
俺はゆっくりと起き上がり、何度か頭を振ってヨタヨタと立ち上がったが自分の体が自分の体じゃないみたいだ。
A「本当に大丈夫なんですか?」
J「……はい…」
そう言って歩き出したものの、俺の足が言うことを聞いてくれず力が入らない。
A「大丈夫じゃないですよ。」
何やったんだろ…俺…女に支えらるなんて情けないな…
そう思いながら息を吸い込むと、想像以上の女の酒臭さに吐きそうになり思わず息を止めた。
J「すいません…歩いて帰れるんで…」
A「どう考えても無理でしょう!?救急車で病院に…」
その声はフェードアウトするかのように消えていき、目の前の女は俺の顔を見てまるで目をまん丸とさせ、金魚のように口をパクパクとさせていた。
Y「えっ!?ジョウキじゃん!?アナ!UNoのジョウキだよ!あんたの王子様じゃん!」
後ろの黒髪の女が甲高い声でそう叫び、目の前にいる小柄な女は小動物みたいに目を丸くし、両手を合わせ俺を拝んでた。
J「助けていただいてありがとうございます。すいません…失礼します…」
俺は一刻も早くこの場所から逃げたくて、回らない頭をフル回転しながら、ヨタヨタの足でその場を立ち去った。
すると、後ろから女2人の会話が微かに聞こえてきて俺は聞き耳を立てる。
Y「アナ!いいの!?ジョウキだよ!このままでいいの!?」
A「いいの…熱出てんだよ!?そっとしといてあげようよ!可哀想じゃん!私の王子様!」
なんだよ…勝手にお前の王子様にすんなよ…
そう内心思いながらも、今の俺にはそっとしといてもらえる事のありがたみが身にしみた。
そして、俺はマンションに着きいつものように腰のチェーンに手をやり気づく…
家の鍵を落としたことに………
つづく
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