二人の王子様はどっちが私の王様？

66話

トウヤside

マハロが朝から心配してくれてることには気づいてた。

はじめは自分の気持ちを押し込めようと頑張ったけど…無理だったんだ。

でも、外に出てマハロに話したら少し気持ちが楽になった。

おまけになんか応援してくれて元気付けられちゃったし。

2人で可愛い姫達にスィーツを買おうとコンビニに入ったら、なんと良いタイミングと言うべきなのか…悪いと言うべきなのか… 

ジョウキが大きなビニール袋片手に立っていた。

隣に立つマハロは俺に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で恋敵とか言っていた。

T「ジョウキがこんな時間から行動してるとか珍しいじゃん？」

J「あぁ～うんちょっとね？2人こそこんなとこで何してんですか？」

T「俺たちアナの家に遊びに行っててさ？姫達にスイーツの差し入れを買ってこようと思って！な？マハロ！」

俺がマハロを見ながら言うとマハロはスーっとコンビニの奥へと無言のまま消えて行った。

J「へ？あ…アナの家に行くんだ…じゃ、これアナに持って行ってくれません？あいつこれ好きだから…！」

そう言って渡されたビニール袋の中には色んな種類のシュークリームとミネラルウォーターが入っていた。

T「え？これジョウキのんでしょ？」

J「えっと…そうなんだけど…まぁ～俺からの差し入れ？ってことで！MVの事もあるしよろしく言っといてください！ね？」

ジョウキはそう言いながらコンビニから足早に消えて行った。

え？これだけシュークリームあったらもうスイーツなんて買う必要ねぇじゃん。

俺が扉をボンヤリと眺めていると、消えたはずのマハロが何事もなかったかのような顔をして戻ってきた。

M「ジョウキもう帰ったの？」

T「知らん顔して逃げたくせに。あっ、これ…ジョウキが差し入れにって渡してきたんだけど…」

俺がビニール袋の中身をマハロにみせるとマハロは驚きながら笑っている。

M「どんなけシュークリーム買ったんだよあいつ！？これだけあったらもうスイーツ買う必要ないよ！？」

どうやらマハロもシュークリームの量を見て同じ事を思った様子で俺は袋を閉じる。

T「だよな？じゃ、これ持って帰るとするか…」

そう言って俺たちはコンビニに入ったものの特に買い物をする事なく、そのままアナの家へと戻ることにした。

そして俺はふと思った。

もしかしてジョウキはアナの家にこれを持って行こうとしてたのかもしれないと。


つづく