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74話
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ユナside
アミを家まで送ってから自分の部屋についてすぐにスマホがなった。
着信を確認すると相手はマハロからで、表示された名前を見るだけで胸の奥がギュッと掴まれて離さない。
苦しくて切なくて…名前を見ただけでも涙が溢れてきそうになる。
そんな間でも着信は何度も何度も繰り返され、私の手の中でスマホが鳴り響いている。
震える指先で画面に触れ、平然を装い声をしぼり出す。
Y「しつこい…」
やっと出た言葉が天邪鬼で自分が嫌いなる。
M「あ!もしもし!ごめんごめん!」
Y「なに?」
M「今から会えない?」
嬉しすぎる言葉に胸がギュッと締め付けられた。
けど…もう…そろそろ夢からさめなきゃ。
Y「無理。じゃね」
M「ちょ!ちょっと待って!少しでいいから会いたいんだけど…」
お願いもう…無理だよ?苦しいんだよ。
あんなに楽しかったのが嘘みたいに今では苦しくて切なくて…辛いの…
Y「……あのさ…やめよ?もう…」
M「え…?何を…?」
今から自分が言おうとしている言葉が怖くて全身が震える。
あの時は軽い気持ちだった。
本当に今が楽しければそれでいい…そう思ってた。
だけど、マハロと仲良くなればなるほど…
楽しさよりも…さみしさが膨らんだ。
だから…2人で会うのはもう終わり。
MV撮影が終わったらもう連絡も取らない…
それがお互いのためだよ。
Y「もう…2人で会うのは…やめ…」
M「じゃ、三人で会おう?」
マハロは私の言葉を遮り理解の出来ない言葉を発する。
Y「三人って…」
M「ユナと俺とゴナの3人でこれからは会おう?それだったら…いいでしょ?」
Y「なに言ってるか…分かって…」
M「分かってる…ユナだって分かってるだろ?俺の立場で軽い気持ちじゃこんな事は言えないってことぐらい…」
Y「マハロでもね…」
M「ユナ…すぐに付き合ってとは言わない…でも俺…本気だから…ユナが頼れる男になるからさ…ちゃんと俺が告白出来るようになるまで…答えは出さないで…?」
私の中で母親である自分と女である自分がぐちゃぐちゃに混ざり合って自分でも処理できない。
Y「マハロごめん…ホントは好きだよ…」
つい…本音がポロリとこぼれ…涙が溢れ出す。
M「うん…ユナの気持ち…分かったから…待ってて…じゃ…」
そう言って電話は切れた。
もう…大切な人がそばからいなくなるのは嫌だよ。
つづく
アミを家まで送ってから自分の部屋についてすぐにスマホがなった。
着信を確認すると相手はマハロからで、表示された名前を見るだけで胸の奥がギュッと掴まれて離さない。
苦しくて切なくて…名前を見ただけでも涙が溢れてきそうになる。
そんな間でも着信は何度も何度も繰り返され、私の手の中でスマホが鳴り響いている。
震える指先で画面に触れ、平然を装い声をしぼり出す。
Y「しつこい…」
やっと出た言葉が天邪鬼で自分が嫌いなる。
M「あ!もしもし!ごめんごめん!」
Y「なに?」
M「今から会えない?」
嬉しすぎる言葉に胸がギュッと締め付けられた。
けど…もう…そろそろ夢からさめなきゃ。
Y「無理。じゃね」
M「ちょ!ちょっと待って!少しでいいから会いたいんだけど…」
お願いもう…無理だよ?苦しいんだよ。
あんなに楽しかったのが嘘みたいに今では苦しくて切なくて…辛いの…
Y「……あのさ…やめよ?もう…」
M「え…?何を…?」
今から自分が言おうとしている言葉が怖くて全身が震える。
あの時は軽い気持ちだった。
本当に今が楽しければそれでいい…そう思ってた。
だけど、マハロと仲良くなればなるほど…
楽しさよりも…さみしさが膨らんだ。
だから…2人で会うのはもう終わり。
MV撮影が終わったらもう連絡も取らない…
それがお互いのためだよ。
Y「もう…2人で会うのは…やめ…」
M「じゃ、三人で会おう?」
マハロは私の言葉を遮り理解の出来ない言葉を発する。
Y「三人って…」
M「ユナと俺とゴナの3人でこれからは会おう?それだったら…いいでしょ?」
Y「なに言ってるか…分かって…」
M「分かってる…ユナだって分かってるだろ?俺の立場で軽い気持ちじゃこんな事は言えないってことぐらい…」
Y「マハロでもね…」
M「ユナ…すぐに付き合ってとは言わない…でも俺…本気だから…ユナが頼れる男になるからさ…ちゃんと俺が告白出来るようになるまで…答えは出さないで…?」
私の中で母親である自分と女である自分がぐちゃぐちゃに混ざり合って自分でも処理できない。
Y「マハロごめん…ホントは好きだよ…」
つい…本音がポロリとこぼれ…涙が溢れ出す。
M「うん…ユナの気持ち…分かったから…待ってて…じゃ…」
そう言って電話は切れた。
もう…大切な人がそばからいなくなるのは嫌だよ。
つづく
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