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93話
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ジョウキside
ハヤセくんの家に来てからずっとトウヤくんは挙動不審で、ソワソワしてハヤセくんの後ろにべったりとくっ付いてる。
トウヤくんはそんなに俺と2人でいるのが気まずいかよ…
ケンカしたわけでもないのに面倒くさいな…
俺そう思い、いつもなら何も思わないのにそんなトウヤくんにイラついていた。
ハヤセくんが鍋の材料を持ってきてもずっとハヤセくんにくっ付いてるトウヤくん。
イラついてる俺は言いたい事があるならはっきり言えばいいのにと思った。
J「ってかさっきからトウヤくんなにやってんの?ずっとハヤセくんにべったりでさ?」
俺の言葉にトウヤくんは一瞬、動きを止めあの鋭い目で俺を睨んだ。
J「なんですかその目。」
T「は!?うるせぇ!!」
トウヤくんが吐き捨てるような言い方が気に入らなかった俺は我慢の限界で爆発してしまった。
J「そっちこそなんなんだよその言い方!?」
T「うるせぇからうるせぇって言って何が悪いんだよ!?」
J「気に入らねぇ事があんならハッキリ言えよ!?うぜぇな!!」
T「はぁ!?あるよ!!気に入らねぇ事だらけだよ!!なんなんだよ!なんでアナの初恋がよりによってお前なんだよ!記憶喪失ってなんだよ!なんで…俺の知らない事ばっかり…お前は知ってんだよ!チエリって誰だよ…ジョジョって何なんだよ!!?」
俺とアナ…いや俺とチエリのことを何故かトウヤくんが知っていて驚いて俺は思わず口籠る。
まさか、トウヤくん病院でアナのお母様との話を聞いていたのか?
そう思った俺はトウヤくんに言った。
J「トウヤくんもしかして…聞いてたのかよ!?」
T「あぁ!聞いてたよ!俺だってアナに会いたいよ…!なのにもう会っちゃいけないような気がして…俺がアナを想えば想うほどアナを苦しめてるような気がして…どんなに俺が頑張った所で…アナはジョウキのファンであり、その前にジョウキはアナにとっての大切な人じゃん…俺ひとりだけバカみたいじゃん…」
トウヤくん力なく座り込み俯いた拍子に涙の雫がぽたりと絨毯に落ちた。
J「…ごめん…」
何がごめんなのか自分でも分からない。
だけど初めてトウヤくんのそんな姿をみた俺は勝手に口がそう動いていた。
T「謝るなよ…俺は謝って欲しくて言ったんじゃねぇんだよ…俺はただアナが…アナの気持ちが欲しいんだよ…俺をみてほしいんだよ…」
トウヤくんの本音を聞いた俺の口はまた動く。
しかしさっきと違うのは勝手に動いたのではなく俺の意志で動いていた。
J「…ごめん…」
T「だから!謝んなって言ってんだろ!!?」
J「ごめん…俺…アナをトウヤくんに譲るつもりなんてねぇから…」
T「……黙れよ…」
トウヤくんは鼻で笑いながらそう吐き捨てるように言った。
J「アナが誰といるのを望むか。大事なのはそこだろ?だから俺はアナを諦めてトウヤくんに譲ったりしない…」
T「1人でカッコつけんなよ。俺だってお前に譲られた女なんて興味ねぇ…バカにすんな…」
俺たちの間には少しの沈黙が流れ、ハヤセくんがその空気を断ち切るかのように立ち上がった。
H「もう思う存分、お互いの気持ちブチまけただろう?さぁ!今日は飲もう!!」
そして、仲裁に入ったハヤセくんにグラスを渡され俺とトウヤくんは浴びるように酒を飲んだ。
つづく
ハヤセくんの家に来てからずっとトウヤくんは挙動不審で、ソワソワしてハヤセくんの後ろにべったりとくっ付いてる。
トウヤくんはそんなに俺と2人でいるのが気まずいかよ…
ケンカしたわけでもないのに面倒くさいな…
俺そう思い、いつもなら何も思わないのにそんなトウヤくんにイラついていた。
ハヤセくんが鍋の材料を持ってきてもずっとハヤセくんにくっ付いてるトウヤくん。
イラついてる俺は言いたい事があるならはっきり言えばいいのにと思った。
J「ってかさっきからトウヤくんなにやってんの?ずっとハヤセくんにべったりでさ?」
俺の言葉にトウヤくんは一瞬、動きを止めあの鋭い目で俺を睨んだ。
J「なんですかその目。」
T「は!?うるせぇ!!」
トウヤくんが吐き捨てるような言い方が気に入らなかった俺は我慢の限界で爆発してしまった。
J「そっちこそなんなんだよその言い方!?」
T「うるせぇからうるせぇって言って何が悪いんだよ!?」
J「気に入らねぇ事があんならハッキリ言えよ!?うぜぇな!!」
T「はぁ!?あるよ!!気に入らねぇ事だらけだよ!!なんなんだよ!なんでアナの初恋がよりによってお前なんだよ!記憶喪失ってなんだよ!なんで…俺の知らない事ばっかり…お前は知ってんだよ!チエリって誰だよ…ジョジョって何なんだよ!!?」
俺とアナ…いや俺とチエリのことを何故かトウヤくんが知っていて驚いて俺は思わず口籠る。
まさか、トウヤくん病院でアナのお母様との話を聞いていたのか?
そう思った俺はトウヤくんに言った。
J「トウヤくんもしかして…聞いてたのかよ!?」
T「あぁ!聞いてたよ!俺だってアナに会いたいよ…!なのにもう会っちゃいけないような気がして…俺がアナを想えば想うほどアナを苦しめてるような気がして…どんなに俺が頑張った所で…アナはジョウキのファンであり、その前にジョウキはアナにとっての大切な人じゃん…俺ひとりだけバカみたいじゃん…」
トウヤくん力なく座り込み俯いた拍子に涙の雫がぽたりと絨毯に落ちた。
J「…ごめん…」
何がごめんなのか自分でも分からない。
だけど初めてトウヤくんのそんな姿をみた俺は勝手に口がそう動いていた。
T「謝るなよ…俺は謝って欲しくて言ったんじゃねぇんだよ…俺はただアナが…アナの気持ちが欲しいんだよ…俺をみてほしいんだよ…」
トウヤくんの本音を聞いた俺の口はまた動く。
しかしさっきと違うのは勝手に動いたのではなく俺の意志で動いていた。
J「…ごめん…」
T「だから!謝んなって言ってんだろ!!?」
J「ごめん…俺…アナをトウヤくんに譲るつもりなんてねぇから…」
T「……黙れよ…」
トウヤくんは鼻で笑いながらそう吐き捨てるように言った。
J「アナが誰といるのを望むか。大事なのはそこだろ?だから俺はアナを諦めてトウヤくんに譲ったりしない…」
T「1人でカッコつけんなよ。俺だってお前に譲られた女なんて興味ねぇ…バカにすんな…」
俺たちの間には少しの沈黙が流れ、ハヤセくんがその空気を断ち切るかのように立ち上がった。
H「もう思う存分、お互いの気持ちブチまけただろう?さぁ!今日は飲もう!!」
そして、仲裁に入ったハヤセくんにグラスを渡され俺とトウヤくんは浴びるように酒を飲んだ。
つづく
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