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134話

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アナside

ジョウキの大好きな匂いと温もりに包まれてまた私の涙腺がゆるむ。

J「俺の気持ちはあの時から何も変わってないよ?むしろあの時よりもアナを想ってる。だから、アナの気持ちを聞かせほしい…。」

ジョウキの力が強くなり抱きしめられている私は少し息苦しい。

けれど今の私はそれすらも心地よく感じる。

A「ジョウキ…初めて出会った時の事覚えてる?」

J「初めてって…中学生のとき?それとも…」

A「私がジョウキのファンを辞めるって言ってたときだよ…?」

J「あぁ…」

ジョウキが私を自分の腕からスッと解放した。

A「あの時…なんで私はジョウキのファンをやめるって言ったと思う?」

J「う~ん。飽きたとか?」

ジョウキは口を尖らせながらそう言った。

A「そんなわけないでしょ?私ね?ジョウキのこと好きすぎて現実の恋ができなかったからだよ…?このまま現実みないで夢ばかりみてたらダメだと思ったの…」

ジョウキの顔は相変わらず正直で機嫌が悪くなっていくのが分かる。

A「だから、忘れなきゃって。ファンやめなきゃって想ってたのに…そう思えば思うほど離れられなくなって。今思えば…ジョウキのファンを卒業するって言いながらファンを卒業なんて出来きなかったし。いつの間にか1人の男としてジョウキを想うようになってた。夢の世界だけじゃなくて現実の世界でも恋をしてしまったんだよ…ジョウキに…」

J「ほんとに…?ほんとに俺だけに恋してた?」 

A「……。」

正直、その質問の答えはジョウキに1番隠しておきたい事だった。

でも、ジョウキをここまで傷つけておきながらそこを言わないでいると本当に私はダメな女になってしまうだろう。

A「正直、トウヤに全く気がなかったといえば嘘になる…。あんなに魅力的な人だもん。それはジョウキが1番分かってるでしょ?でもね?やっぱり最後に心の中にいたのはジョウキだった。何をしてても思い浮かぶのはジョウキだったの。だから…また…ジョウキのことを私の王子様って…呼んでもいいですか?」

こんな小っ恥ずかしいことを言えるのはきっと離れてもジョウキへのこの恋心が消えなかったから。

ジョウキは私のことをじっと見つめたまま無言でピクリともしない。

A「ジョウキ…聞いてる…?」

私はジョウキの腕を揺らしながら言った。

すると、無表情だったジョウキの顔は安心したように緩みはじめた。

J「そんな小っ恥ずかしいことよく言えるよ。恥ずかしくないの?//」

ジョウキはそう言って私を抱きしめながらベッドに寝転がった。

A「恥ずかしいけど、全部ホントの事だし…」

私はジョウキに身を任せるようにしてジョウキの胸に顔をうずめながらそう言った。

J「ごめんごめん。アナ…大好きだよ。」

ジョウキの優しい声でそう囁かれジョウキは私のおでこにそっと唇を押し当て、私はそれに応えるようジョウキを強く抱きしめた。

つづく
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