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178話
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ジョウキside
授賞式当日
生放送のリハを終えて楽屋に戻ってくると、ハヤセくんが難しい顔をして俺のスマホを手に取り俺に渡してきた。
J「なんですか…?」
H「明日、アナの手術なんだよ?このまま手術を受けさせるつもり?連絡…まだしてないんだろ?」
ハヤセくんのこの声はマジで怒っている時のトーンだ。
俺はずっとアナに連絡するのを迷っていた。
もうすぐ大切な手術なのに俺が電話して何かがまた、変わってしまうんじゃないだろうか…と。
そんな不安に襲われていた俺はハヤセくん言葉にすぐ返事ができなかった。
スマホを操作し久しぶりにそこに表示されるアナの名前が愛しくてたまらない。
H「きっとアナにもこの事は耳に入ってるよ?不安な気持ちのまま手術を受けさせるなんて…あまりにも残酷すぎる。」
J「分かってる…でも…」
H「もしかしたら、アナにとってのジョウキの最後の記憶がこれになってしまうかもしれないんだよ?ジョウキはそれでも後悔しない?本当にそれでいいの?自分の口で否定したいって言ってたの嘘?」
ハヤセくんは畳み掛けるようにそう俺を問い詰めながら近づいてきた。
J「で…でも、俺…お兄さんとアナに連絡しない約束しちゃったし…手術前に連絡したらアナを戸惑わせてしまうだけかもしれないから…」
俺だって出来ることならアナが手術する前にちゃんと話して誤解を解いておきたい。
記憶がなくなるリスクがあるアナにとって、最後の俺の記憶がチナのことだなんてそれは耐えられないから。
俺がぼんやりとスマホを見つめていると突然、背後からマハロくんの声が聞こえた。
M「………した方がいい!今すぐアナに連絡しなっ!!」
振り返ると後ろに立っていたマハロくんは真剣な顔でそう言った。
すると、マハロくんは大きく深呼吸をして話しはじめた。
M「ジョウキ…ごめん…」
深刻な顔をして下を向くマハロくんに違和感を感じた俺はマハロくんに近づく。
M「ジョウキが帰国したあと、アナのお兄さんは申し訳ない事をしたと謝ってたよ。ジョウキがいなきゃ生きてる意味がないって言われたらもう認めるしかないって。お兄さんは2人を会わせようとしたんだけどもう、その時にはジョウキは日本に帰る飛行機に乗ってたんだ。」
マハロくんは俺に申し訳なさそうな顔をして続けた。
M「俺はあの時のジョウキを見てて不安だった。アナの為なら仕事を放り出してしまうのではないかと思って。だから、手術日を知ってたけどジョウキに何もしらないと嘘をついた。ごめんな…だから、アナに電話してあげた方いい…きっと悲しんでる…!」
俺はマハロくんの話を聞いて正直、頭の中が混乱し整理しないとついていけなかった。
アナのお兄さんは俺たちのこと認めたの?
じゃ、あの時アナについた俺の嘘は無意味だったってこと?
アナは俺の嘘に気づいてたのか?
すると、俺のスマホが俺の手のひらの中で鳴り響いた。
俺はその表示された名前を見て固まる。
H「ジョウキ!アナから電話かかってきてるじゃん!早くでな!!」
J「あぁ…待って…でもまだ心の準備が…」
心臓を押さえてオロオロする俺。
その横ではハヤセくんが早く電話を取れと急かし苛立っている。
H「あぁ~もう~いいから!つべこべ言わず早くでろって!!男だろ!!」
そう言われた俺は震える手でスライドさせ心の準備もないままアナの電話にでた。
つづく
授賞式当日
生放送のリハを終えて楽屋に戻ってくると、ハヤセくんが難しい顔をして俺のスマホを手に取り俺に渡してきた。
J「なんですか…?」
H「明日、アナの手術なんだよ?このまま手術を受けさせるつもり?連絡…まだしてないんだろ?」
ハヤセくんのこの声はマジで怒っている時のトーンだ。
俺はずっとアナに連絡するのを迷っていた。
もうすぐ大切な手術なのに俺が電話して何かがまた、変わってしまうんじゃないだろうか…と。
そんな不安に襲われていた俺はハヤセくん言葉にすぐ返事ができなかった。
スマホを操作し久しぶりにそこに表示されるアナの名前が愛しくてたまらない。
H「きっとアナにもこの事は耳に入ってるよ?不安な気持ちのまま手術を受けさせるなんて…あまりにも残酷すぎる。」
J「分かってる…でも…」
H「もしかしたら、アナにとってのジョウキの最後の記憶がこれになってしまうかもしれないんだよ?ジョウキはそれでも後悔しない?本当にそれでいいの?自分の口で否定したいって言ってたの嘘?」
ハヤセくんは畳み掛けるようにそう俺を問い詰めながら近づいてきた。
J「で…でも、俺…お兄さんとアナに連絡しない約束しちゃったし…手術前に連絡したらアナを戸惑わせてしまうだけかもしれないから…」
俺だって出来ることならアナが手術する前にちゃんと話して誤解を解いておきたい。
記憶がなくなるリスクがあるアナにとって、最後の俺の記憶がチナのことだなんてそれは耐えられないから。
俺がぼんやりとスマホを見つめていると突然、背後からマハロくんの声が聞こえた。
M「………した方がいい!今すぐアナに連絡しなっ!!」
振り返ると後ろに立っていたマハロくんは真剣な顔でそう言った。
すると、マハロくんは大きく深呼吸をして話しはじめた。
M「ジョウキ…ごめん…」
深刻な顔をして下を向くマハロくんに違和感を感じた俺はマハロくんに近づく。
M「ジョウキが帰国したあと、アナのお兄さんは申し訳ない事をしたと謝ってたよ。ジョウキがいなきゃ生きてる意味がないって言われたらもう認めるしかないって。お兄さんは2人を会わせようとしたんだけどもう、その時にはジョウキは日本に帰る飛行機に乗ってたんだ。」
マハロくんは俺に申し訳なさそうな顔をして続けた。
M「俺はあの時のジョウキを見てて不安だった。アナの為なら仕事を放り出してしまうのではないかと思って。だから、手術日を知ってたけどジョウキに何もしらないと嘘をついた。ごめんな…だから、アナに電話してあげた方いい…きっと悲しんでる…!」
俺はマハロくんの話を聞いて正直、頭の中が混乱し整理しないとついていけなかった。
アナのお兄さんは俺たちのこと認めたの?
じゃ、あの時アナについた俺の嘘は無意味だったってこと?
アナは俺の嘘に気づいてたのか?
すると、俺のスマホが俺の手のひらの中で鳴り響いた。
俺はその表示された名前を見て固まる。
H「ジョウキ!アナから電話かかってきてるじゃん!早くでな!!」
J「あぁ…待って…でもまだ心の準備が…」
心臓を押さえてオロオロする俺。
その横ではハヤセくんが早く電話を取れと急かし苛立っている。
H「あぁ~もう~いいから!つべこべ言わず早くでろって!!男だろ!!」
そう言われた俺は震える手でスライドさせ心の準備もないままアナの電話にでた。
つづく
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