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64話
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ケイトside
ケントを園に連れて戻りテラと園を出る時、テラの手を離さないケントを見兼ねた園長が、仕方なくテラの手からケントの手を離させた。
テラはゆっくりとケントの前にしゃがみ込み、涙目でテラを見つめるケントの前髪を撫でながら言った。
T「ケンちゃん…私と約束して欲しいことがある。」
「うん…」
T「1人で園を出ないこと。人や車が多いところでは走らないこと。ちゃんと前を向いて歩くこと。いい子にして待ってたら私は絶対にまた、会いに来るから…ね?」
「ぜったいくる?」
T「来るよ…約束。」
テラはそう言ってケントと指切りをすると、何度も後ろを振り返りながらケントに手を振っていて…
ケントは寂しそうな顔をして俺たちのことを見送っていた。
俺たちは無言のまま2人並んで歩き、テラは浮かない顔をして下を向いている。
そして、俺は覚悟を決めて言った。
K「正直に話すよ。」
俺がそう言うとテラは俺の顔を見上げる。
K「テラの体の事を聞いてから俺は色々自分なりに調べた。その中で俺たちが子供を授かれるかもしれない方法は幾つかあった。でも、今のテラはあのケントって子に気持ちが惹かれてるよね?」
俺がそう言うとテラの目にはじわっと涙が溢れるだけで、頷く事も否定する事もない。
K「俺は自分が親父と血が繋がっててもすれ違って育ってしまったから…血が繋がってなかったからどんなに苦労するだろうって考えて養子は最終手段として考えてた。」
T「うん……」
K「テラは本当にいいの?妊活する前にあの子を引き取っても…もしかしたら自分のこのお腹に子供を授かれるかもしれないんだよ?」
俺がそう言うとテラは涙を流しながら優しく微笑んだ。
T「先生も可能性はゼロではないって言ってたから分かってる…分かってるんだけどね…ケンちゃんの瞳を見たら…ケントの子供の時と重ねて見ちゃうんだよ。」
テラはそう言って泣き出すと俺の胸にしがみついた。
それは俺自身も感じていた事。
ケントを見てまるで自分の子供の頃を見ているようだと思った。
でもまさか、テラが同じようにそう感じているだなんて俺は思ってもみなかった。
俺は泣いているテラの背中を撫でながら言った。
K「今度、園でパーティーが開かれるんだって。そこに養子縁組を希望する親たちが来て子どもたちと触れ合うらしい…」
俺がそう言うとテラは少し泣き止み俺の顔を見上げる。
T「そっか…そう…なんだ…ケンちゃん可愛いから…すぐに里親さん…見つかるね…」
テラの顔にはケントを誰にも渡したくないと書いてあるのにテラはそう言った。
K「俺たちも…一回行ってみる?」
俺がそう言うとテラの顔は驚いたように固まった。
K「テラの体が辛くなかったら…入籍準備と妊活もしながら…養子のことも考えてみよう?」
俺がそう言うとテラはまた、泣き出し頷いた。
K「じゃ、決まりだね。今から戻ってお店頑張ってください。」
テラの表情は少し明るくなり、一緒に屋敷にまで戻るとテラはププの運転でお店に戻った。
つづく
ケントを園に連れて戻りテラと園を出る時、テラの手を離さないケントを見兼ねた園長が、仕方なくテラの手からケントの手を離させた。
テラはゆっくりとケントの前にしゃがみ込み、涙目でテラを見つめるケントの前髪を撫でながら言った。
T「ケンちゃん…私と約束して欲しいことがある。」
「うん…」
T「1人で園を出ないこと。人や車が多いところでは走らないこと。ちゃんと前を向いて歩くこと。いい子にして待ってたら私は絶対にまた、会いに来るから…ね?」
「ぜったいくる?」
T「来るよ…約束。」
テラはそう言ってケントと指切りをすると、何度も後ろを振り返りながらケントに手を振っていて…
ケントは寂しそうな顔をして俺たちのことを見送っていた。
俺たちは無言のまま2人並んで歩き、テラは浮かない顔をして下を向いている。
そして、俺は覚悟を決めて言った。
K「正直に話すよ。」
俺がそう言うとテラは俺の顔を見上げる。
K「テラの体の事を聞いてから俺は色々自分なりに調べた。その中で俺たちが子供を授かれるかもしれない方法は幾つかあった。でも、今のテラはあのケントって子に気持ちが惹かれてるよね?」
俺がそう言うとテラの目にはじわっと涙が溢れるだけで、頷く事も否定する事もない。
K「俺は自分が親父と血が繋がっててもすれ違って育ってしまったから…血が繋がってなかったからどんなに苦労するだろうって考えて養子は最終手段として考えてた。」
T「うん……」
K「テラは本当にいいの?妊活する前にあの子を引き取っても…もしかしたら自分のこのお腹に子供を授かれるかもしれないんだよ?」
俺がそう言うとテラは涙を流しながら優しく微笑んだ。
T「先生も可能性はゼロではないって言ってたから分かってる…分かってるんだけどね…ケンちゃんの瞳を見たら…ケントの子供の時と重ねて見ちゃうんだよ。」
テラはそう言って泣き出すと俺の胸にしがみついた。
それは俺自身も感じていた事。
ケントを見てまるで自分の子供の頃を見ているようだと思った。
でもまさか、テラが同じようにそう感じているだなんて俺は思ってもみなかった。
俺は泣いているテラの背中を撫でながら言った。
K「今度、園でパーティーが開かれるんだって。そこに養子縁組を希望する親たちが来て子どもたちと触れ合うらしい…」
俺がそう言うとテラは少し泣き止み俺の顔を見上げる。
T「そっか…そう…なんだ…ケンちゃん可愛いから…すぐに里親さん…見つかるね…」
テラの顔にはケントを誰にも渡したくないと書いてあるのにテラはそう言った。
K「俺たちも…一回行ってみる?」
俺がそう言うとテラの顔は驚いたように固まった。
K「テラの体が辛くなかったら…入籍準備と妊活もしながら…養子のことも考えてみよう?」
俺がそう言うとテラはまた、泣き出し頷いた。
K「じゃ、決まりだね。今から戻ってお店頑張ってください。」
テラの表情は少し明るくなり、一緒に屋敷にまで戻るとテラはププの運転でお店に戻った。
つづく
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