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25話
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私は眠っているジユを起こさないように奥にしまい込んでいたトランクを引っ張りだして荷物を詰めた。
これ以上、もう彼に関わってはいけない…
取り返しのつかなくなる前に離れなきゃ…
彼のためにも…自分のためにも。
時計を見るともう、すでに午前1時を過ぎていて暗闇の中、トランクの音が響かないように持ち上げて部屋をでた。
ジユ、オサへ
今までありがとうございました。
ルリより
そう書いた手紙をテーブルそっと置き、静かに玄関の扉を開こうとしたとき…
O「ルリさん…こんな時間にどこにおでかけですか?」
その声が私を呼び止めた。
私が後ろを振り返ると暗闇の中、階段からオサがため息混じりに降りてきた。
O「はぁ…夜逃げなんて…ずるくない?」
私にそう言ったオサはまるで全てを見透かしているような目で少し怖かった。
*「ごめんね…でももう、私ここにはいられないから…」
私がまた、扉を開けると私の背後からオサは手を伸ばしバタンと扉を閉めた。
O「ユウアから聞いたよ?ジユの父親を見かけたんだってね?ユウアがルリさんの様子が変だったって心配してたよ?ねぇ、もしかしてさ?自分だけが苦しんでるとでも…思ってるの?」
今まで聞いたことのないような少し恐怖を覚えるオサの声に思わず振り返る。
*「それ…どういう意味…?」
O「ジユの事…何ひとつ知ろうとせずに一方的に拒絶するなって言ってんだよ……あ、そうだ!俺とドライブしない?」
オサはそう言って私の手からトランクを取り上げ玄関の横に置き、車のキーを慣れた手つきで取り私の手首を掴んで外のガレージへと向かった。
*「はぁ?何言ってんの!?こんな時間にドライブってなに考え…」
O「俺ってさ?お節介だから放っておけないんだよね…知ってるのに知らないフリは…やっぱ無理だわ。」
振り払おうとしても男の力に勝てるはずはなく、私を強引に助手席へと乗せたオサは車のエンジンをかけて車を走らせた。
この辺りは街灯が少なくて月明かりが青白く街を照らしている。
季節は夏が近づいているのにその月明かりが冷たくて私の体を震えあがらせた。
子供の頃、私はこの月が大嫌いだった。
太陽が沈み夜になると母は私と幼いトモキを置いて街に出た。
幼いトモキが母恋しさに涙しているのを私が抱きしめて毎夜あやして寝かしつけた。
そして、太陽が昇る頃…
母は酒とタバコの臭いをつけて家に帰ってきて私はそんな母が大嫌いだった。
そして、母も私のことが大嫌いだったのだろう。
父親に愛された記憶は捨てられた今も残っているのに…
母から愛された記憶はこの歳になるまで一緒にいても1つもない。
でも、トモキにとってはどんな母親でも大好きな母親で、トモキの世話なんてした事のない母親なのにも関わらず彼は純粋な愛で母親を愛していた。
父親の愛も母親の愛でさえもろくに知らずに育ってしまったトモキが私は姉として不憫で、せめて私だけはこの子に愛を尽くしてあげようとそう思った。
だから、トモキが大学院を卒業するまでは家にいて側で支えてあげたい…そう思ってた。
あんな事件が起きるまでは…
つづく
これ以上、もう彼に関わってはいけない…
取り返しのつかなくなる前に離れなきゃ…
彼のためにも…自分のためにも。
時計を見るともう、すでに午前1時を過ぎていて暗闇の中、トランクの音が響かないように持ち上げて部屋をでた。
ジユ、オサへ
今までありがとうございました。
ルリより
そう書いた手紙をテーブルそっと置き、静かに玄関の扉を開こうとしたとき…
O「ルリさん…こんな時間にどこにおでかけですか?」
その声が私を呼び止めた。
私が後ろを振り返ると暗闇の中、階段からオサがため息混じりに降りてきた。
O「はぁ…夜逃げなんて…ずるくない?」
私にそう言ったオサはまるで全てを見透かしているような目で少し怖かった。
*「ごめんね…でももう、私ここにはいられないから…」
私がまた、扉を開けると私の背後からオサは手を伸ばしバタンと扉を閉めた。
O「ユウアから聞いたよ?ジユの父親を見かけたんだってね?ユウアがルリさんの様子が変だったって心配してたよ?ねぇ、もしかしてさ?自分だけが苦しんでるとでも…思ってるの?」
今まで聞いたことのないような少し恐怖を覚えるオサの声に思わず振り返る。
*「それ…どういう意味…?」
O「ジユの事…何ひとつ知ろうとせずに一方的に拒絶するなって言ってんだよ……あ、そうだ!俺とドライブしない?」
オサはそう言って私の手からトランクを取り上げ玄関の横に置き、車のキーを慣れた手つきで取り私の手首を掴んで外のガレージへと向かった。
*「はぁ?何言ってんの!?こんな時間にドライブってなに考え…」
O「俺ってさ?お節介だから放っておけないんだよね…知ってるのに知らないフリは…やっぱ無理だわ。」
振り払おうとしても男の力に勝てるはずはなく、私を強引に助手席へと乗せたオサは車のエンジンをかけて車を走らせた。
この辺りは街灯が少なくて月明かりが青白く街を照らしている。
季節は夏が近づいているのにその月明かりが冷たくて私の体を震えあがらせた。
子供の頃、私はこの月が大嫌いだった。
太陽が沈み夜になると母は私と幼いトモキを置いて街に出た。
幼いトモキが母恋しさに涙しているのを私が抱きしめて毎夜あやして寝かしつけた。
そして、太陽が昇る頃…
母は酒とタバコの臭いをつけて家に帰ってきて私はそんな母が大嫌いだった。
そして、母も私のことが大嫌いだったのだろう。
父親に愛された記憶は捨てられた今も残っているのに…
母から愛された記憶はこの歳になるまで一緒にいても1つもない。
でも、トモキにとってはどんな母親でも大好きな母親で、トモキの世話なんてした事のない母親なのにも関わらず彼は純粋な愛で母親を愛していた。
父親の愛も母親の愛でさえもろくに知らずに育ってしまったトモキが私は姉として不憫で、せめて私だけはこの子に愛を尽くしてあげようとそう思った。
だから、トモキが大学院を卒業するまでは家にいて側で支えてあげたい…そう思ってた。
あんな事件が起きるまでは…
つづく
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