キミの首元に揺れる悲しい白詰草

樺純

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27話

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オサはエンジンを止めるとゆっくりと話しはじめた。

O「ここはジユの実家だよ。ここには今、ジユのお父さんだけが住んでる。ジユの母親は2年前に亡くなったんだ。」

*「え……」

オサの話によればジユの母親は結婚してからなかなか子供に恵まれず、病院の跡取りが必要だと周りからの凄いプレッシャーで心が病んでしまい身体を壊したんたと。

しかし、なんとかジユを授かりその代償は大きく、ジユが産まれてすぐほぼ、寝たっきりの生活になってしまったと。

*「寝たっきりって……」

O「だから、あいつは幼い頃、母親に甘えたくても我慢をして大人びた子供だったよ。ジユの父親はまだ、愛情が必要な年頃なのにも関わらずあいつにとてもキツく当たった。まるで毛嫌いするかのように。」

*「そんな…そんなわけ…!!」

私は捨てられたとはいえ、大好きな父親のことを悪く言われてオサに言い返そうとするが、その言葉を遮るようにオサが話を続けた。

O「ジユもそれに気づいてあいつは自ら父親と距離を置いた。今、ジユが住んでる家は会長、つまりジユのお祖父さんの別宅でね。1人で家を飛び出してあそこに住むようになったんだ…まだ13歳の時だったよ。」

*「13歳で…親元を離れたの…?」

O「そうだよ。俺はそんなあいつを1人にできなくて一緒にあの家に住むようになったんだ。」

オサがゆっくりと話していくジユの出生の秘密。

オサの目はまるで私の心の中まで見透かしているようだった。

私はそのオサの目を見ながらゆっくりと話し始めた。

*「…オサ…実は…ジユのお父さんは…私の父親でもあるの…」

自分で口にしておきながらその事実が恐ろしくて、軽く唇が震えだし私の言葉にオサは無言で頷いた。

O「うん…知ってるよ。ルリさんはジユと異母姉弟ってことだね…あの入院しているトモキっていう弟とジユも…」

オサの口から突然、トモキの名前が出て私は驚きを隠せずオサから目が離せない。

*「なんでオサがトモキの事まで知ってるの…?オサは一体、どこまで知ってるの?」

私がオサの腕を強く掴み、すがるように問いかけるとオサは小さく息吐き出し言った。

O「俺が知ってるのは…あと2つ。」

*「2つ?」

O「そう…1つ目は戸籍上…俺はジユの兄になってる。」

*「え!?どういうこと!?」

確か、オサはジユの家庭教師をしていた縁で仲良くなり一緒に住み始めたはずなのに…

O「ジユは5歳の頃ある病気になった。その時にこの家を継ぐ人間がいなくなるかもしれないと考えた親族が俺を施設から引き取ったんだ。その時、ジユの父親はトモキを引き取るつもりだったみたいだったけど、ルリさんの母親がトモキを手放さなかったんだ。」

まさか、私からトモキまで奪おうとしていたなんて考えると私は恐ろしくて微かに震えていた。

*「…そんな…お父さん酷い…私達を捨てて女を作ったくせにトモキまで奪おうとするなんて…」

O「それは違う。」

*「…え?」

O「本妻がジユの母親で…ルリさんの母親が愛人なんだよ……」

*「え…うそ…」

私は衝撃の事実を聞いて開いた口が塞がらない…

ジユが私たちから父親を奪ったんじゃなくて…

私たちがジユから父親を奪ったってこと…?

*「そんな…じゃ…私たちは愛人の子供だったってこと…?」

すると、オサは無言で頷いた。

O「そして俺が知ってるのはあともう1つ…それは…」

私はオサの口から次々と出る真実が恐ろしくて…身体の震えが止まらなかったが、それ以上にオサの手も震えていた。

*「………あと1つは…なんなの?」

O「それは……」

*「うん…」

O「ジユのその病気が…再発した。」

それを聞いた瞬間…私の心臓が止まった気がした。

つづく
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