キミの首元に揺れる悲しい白詰草

樺純

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41話

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目が痛くて寒い…

ガタガタと震える身体を縮こませながら重い目を開けた。

*「……ここ…どこ…。」

薄暗くて小さな窓から微かに光が射し込んでいる。

コンクリート張りの部屋を見渡しさらに恐怖が襲う。

あれは本当にマナトだったのだろうか…?

私は震える身体を起こし扉に向かう…

ガチャガチャ

ガチャガチャ

ドアノブを動かしても扉は開かない…

鍵がかかってる…

すると、扉越しに声が聞こえた。

M「ルリさん?やっと目覚めた?」

*「マナト…ここどこ?お願いこの扉…開けて…?」

私のその問い掛けにマナトは笑う

M「あははは。なに言ってんの?開ける訳ないでしょ?」

*「マナト…どうしちゃったの!?ねぇ…なんでこんな事…」

M「ずっとあの家にいればルリさんは…こうならなかったのにね…勝手にあの家から出て行っちゃうから…こうなったんだよ?」

*「どういう意味?」

M「ルリさん気づいてなかったの?ルリさんの部屋にカメラがあるの。」

*「え…なんのこと…?」

怖い…怖くて震える…

マナトは一体、何の話をしてるの?

M「ほんと…ルリさんはどうしようもないね?そんなんだから母親の男に襲われるんだよ?俺さ、ルリさんの部屋に隠しカメラつけてずっと監視してたんだよ?ルリさんのこと。危なくないようにね?」

*「なにを言ってるの?」

M「あの男に俺が言ったのはトモキをあの家から追い出すように仕向けろって言っただけなのに…ルリさんに手を出そうとした時はホントブチ切れそうだったけどね?まぁ、正直トモキと階段から落ちてくれてトモキが意識不明になったから俺にとっちゃ好都合だったけどね?」

え…あの男はただの母の恋人ではなく… 

マナトと繋がってたの…?

*「…あの男って…マナトと知り合いだったの…?」

M「知り合いな訳ないだろ?ルリさんの母親の男だって事は知ってたけどね?金をやるからトモキをあの家から追い出せって言ったらホイホイと喜んで引き受けてたよ。なのにあの男までルリさんに惚れてたとはね?ほんと…ルリさんは悪い女だよ。」

もう、私の知ってるマナトではないと確信した私は恐怖に怯えて、身体がさらに震え硬直し涙がとめどなく溢れる。

M「トモキさ?つい、最近になって俺がルリさんに惚れてるの気づきはじめて、ルリさんの事は諦めてくれってほんとうるさくてさ?俺をルリさんに近づかせないように必死だったからこうするしかなかったんだ。なのにルリさんは俺にも内緒で勝手に家を出てさ?連絡も無視するしホント…俺頭おかしくなっちゃいそうだったよ?」

そう言ってマナトはゲラゲラと笑っている。

M「ねぇ、ルリさん?ルリさんの母親は警察に連れて行かれたんでしょ?あの母親は本当にどうしようもない母親だね?あいつ何やらかしたの?ルリさんは父親もいないし…可愛い弟も意識不明。あの家の家主だって家政婦が居なくなっても仕事が嫌になって逃げ出したぐらいにしか思わないよ。ねぇ…ルリさん?誰もルリさんのこと探してくれる人いないね?俺と一緒にずっとここにいようね?大好きだよ…ルリ…」

私はマナトのその言葉を聞いて膝から崩れ落ちた。

M「…ずっと気になってたんだけもさ?俺と病院で会った時に割り込んできたあの背の高い男の子いたじゃん?あの子…誰?」

マナトの質問が恐ろしすぎて耳を塞ぎたくなる。

怖い…マナトには絶対知られたくない…

私の好きな人がジユだって事…

*「……と…友達の弟…」

M「そう?ルリって友達の弟にまで色目使ってあんな男の目にさせちゃうんだね?ほんと悪い女だな…ますます心配でここから出せないや。ここで大人しくしててね?愛してるよ。」

*「待って…お願い…ここから出して。」

腕時計を見ると朝の8時を示している。

もうすぐ、ジユの手術が始まるのに…

ここから出なきゃなのに…

でも、それは口が裂けても絶対に今のマナトには言えない…

今のマナトならジユになにをしでかすか分からない。

M「無理だって言ってんだろ。あまり同じ事何度も言わせないでね?次、言ったらお仕置きだよ。」

そう言い残してマナトの足音が遠ざかって行った。

絶望とはこの事を言うのだろうか…

どうする術もなく私はただ冷たい部屋の中でうずくまる事しか出来なかった。

つづく
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