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51話
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久しぶりにトモキと並んで眠ることに懐かしさがこみ上げとても不思議な気分だった。
T「ねぇ姉ちゃん…こうやってさ並んで寝ると…子供の頃思い出すね?」
*「うん……」
T「今までさ…恥ずかしくて言えなかったけど…姉ちゃんには本当に感謝してる。自分のことを我慢して…俺を育ててくれたのは姉ちゃんだから…」
*「ジユ…」
T「だからさ…姉ちゃんには幸せになってほしい。これからは俺のためじゃなく自分のために生きてよ…。」
*「うん…ありがとう。」
T「ありがとうは俺のセリフ。さぁ、寝よう…おやすみ。」
*「おやすみ。」
その日、私は大人になったトモキの言葉に涙しながら眠った。
次の日
私がトモキの入浴介助に一緒に行こうとしたら全力でトモキに断られた。
*「なんで!?1人で入るのまだ、不安でしょう!?」
T「やだよ!姉ちゃんと一緒に風呂なんてマジで勘弁だわ!付いてくるな!」
そう言って私の可愛い弟は看護師さんに車椅子を押されながら入浴室へと消えていった。
お姉ちゃんがやってあげるのに。←
そして、私はジユの部屋を覗くとベッドに座っているジユが見えた。
*「ジユおはよう!もう、座ったりして大丈夫なの!?」
J「うん。もう、ゆっくりなら歩いても大丈夫だよ?ルリは?ちゃんと寝れた?」
こんな時でもジユは私の心配をしてくれてそっと手を握ってくれる…
その度にこの手を離したくないと私の心が叫ぶ。
*「うん…トモキも意識がしっかりしてきて昨日は久しぶりに色んな話ししたよ。」
J「そっか…」
ジユはそう言って私の頬を優しく撫でて視線を下に落とした。
*「ジユ?大丈夫?体調…悪い?」
私が心配になりジユの顔を覗き込むとジユはなんとも言えない切ない表情をして私を見つめた。
J「ねぇ…ルリの子供の頃の話が聞きたい。」
*「え?」
私はジユの突然の言葉に戸惑う。
J「突然、親父を失ってさ俺ら親子には想い出もなんにも残らなかったな…ってだからルリが知ってる親父ってどんな感じだったのかな…?っと思って…」
*「うん…わかった。」
私は戸惑いながらもジユの手を握りながらゆっくりと話し始めた。
*「お父さんはすごく優しかったよ。本当に大好きだった。いつも私のこと抱っこしたり肩車したりして遊んでくれて、背も高くてカッコいいお父さんが本当に自慢で…でも、お父さんは出張で家を空けることが多かったけど子供心にそんなの何の疑問にも思わなかったんだよね…」
J「そっか……」
*「トモキが産まれてから母との喧嘩が少し多くなってた。私も母とあまりいい関係ではなくてそれをお父さんが庇ってくれたりしたからなのかもしれないけどね。あの日…お父さんが家に帰って来なくなった日からずっと…お父さんの事が大好きで会いたくて会いたくて毎日泣いた…お父さんに愛された記憶は今でもずっと残ったままかな…」
私の話を聞いているジユの腕にぎゅっと力がはいる。
J「うん…俺には親父に愛された記憶なんてないから…」
ジユの顔を見上げると涙を浮かべていた。
私がお父さんから愛情をもらっている裏側では愛情を与えられず悲しんでいたジユがいた…
そう考えると胸が締め付けられて息をするのさえも苦しかった。
つづく
T「ねぇ姉ちゃん…こうやってさ並んで寝ると…子供の頃思い出すね?」
*「うん……」
T「今までさ…恥ずかしくて言えなかったけど…姉ちゃんには本当に感謝してる。自分のことを我慢して…俺を育ててくれたのは姉ちゃんだから…」
*「ジユ…」
T「だからさ…姉ちゃんには幸せになってほしい。これからは俺のためじゃなく自分のために生きてよ…。」
*「うん…ありがとう。」
T「ありがとうは俺のセリフ。さぁ、寝よう…おやすみ。」
*「おやすみ。」
その日、私は大人になったトモキの言葉に涙しながら眠った。
次の日
私がトモキの入浴介助に一緒に行こうとしたら全力でトモキに断られた。
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T「やだよ!姉ちゃんと一緒に風呂なんてマジで勘弁だわ!付いてくるな!」
そう言って私の可愛い弟は看護師さんに車椅子を押されながら入浴室へと消えていった。
お姉ちゃんがやってあげるのに。←
そして、私はジユの部屋を覗くとベッドに座っているジユが見えた。
*「ジユおはよう!もう、座ったりして大丈夫なの!?」
J「うん。もう、ゆっくりなら歩いても大丈夫だよ?ルリは?ちゃんと寝れた?」
こんな時でもジユは私の心配をしてくれてそっと手を握ってくれる…
その度にこの手を離したくないと私の心が叫ぶ。
*「うん…トモキも意識がしっかりしてきて昨日は久しぶりに色んな話ししたよ。」
J「そっか…」
ジユはそう言って私の頬を優しく撫でて視線を下に落とした。
*「ジユ?大丈夫?体調…悪い?」
私が心配になりジユの顔を覗き込むとジユはなんとも言えない切ない表情をして私を見つめた。
J「ねぇ…ルリの子供の頃の話が聞きたい。」
*「え?」
私はジユの突然の言葉に戸惑う。
J「突然、親父を失ってさ俺ら親子には想い出もなんにも残らなかったな…ってだからルリが知ってる親父ってどんな感じだったのかな…?っと思って…」
*「うん…わかった。」
私は戸惑いながらもジユの手を握りながらゆっくりと話し始めた。
*「お父さんはすごく優しかったよ。本当に大好きだった。いつも私のこと抱っこしたり肩車したりして遊んでくれて、背も高くてカッコいいお父さんが本当に自慢で…でも、お父さんは出張で家を空けることが多かったけど子供心にそんなの何の疑問にも思わなかったんだよね…」
J「そっか……」
*「トモキが産まれてから母との喧嘩が少し多くなってた。私も母とあまりいい関係ではなくてそれをお父さんが庇ってくれたりしたからなのかもしれないけどね。あの日…お父さんが家に帰って来なくなった日からずっと…お父さんの事が大好きで会いたくて会いたくて毎日泣いた…お父さんに愛された記憶は今でもずっと残ったままかな…」
私の話を聞いているジユの腕にぎゅっと力がはいる。
J「うん…俺には親父に愛された記憶なんてないから…」
ジユの顔を見上げると涙を浮かべていた。
私がお父さんから愛情をもらっている裏側では愛情を与えられず悲しんでいたジユがいた…
そう考えると胸が締め付けられて息をするのさえも苦しかった。
つづく
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