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43話
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ジュイサイド
俺は毎日、ミラのマンションに通った。
実家にいることは知っていたけど、実家に行く勇気なんて俺にはなくて…
もしかしたから帰ってるかも…毎日そう思って仕事の合間に暇さえあればミラのマンションに通った。
帰ってくるわけないよな…そう呟いた俺は壁にもたれかかるようにしてしゃがみ込んだ。
ひと目でいいから会いたいんだよ…会ってミラに謝りたい。
そう思っていると聞きなれた大好きな声が聞こえた。
ミラは俺の姿を見て慌てた顔をして俺を引っ張って部屋に押し込み。
懐かしいミラの匂いが…俺の胸を締め付け震わせる。
もう、分かってる…俺とミラがもう無理なことぐらい…。
だから…ちゃんと謝って…
自らの言葉でお別れをしたかった。
俺はミラの口から先に出そうになる別れの言葉が怖くて、その言葉を遮るように抱きしめた。
その心地よいミラの温もりを感じれば、やっぱりもう離したくないと俺の心が痛々しく叫ぶ。
そして、その想いと比例するように涙が溢れ出した。
*「ジュイ…ごめんね…好きになって……」
…ミラ…頼むから……謝らないで…
俺なんかのこと…好きになってくれて…ありがとう…
俺はそう心の中で囁く。
J「俺こそごめん…ミラのこと信じてあげれなくて…俺…ミラ…がマジで好きだわ…」
俺がそう言うとミラは優しくその小さな手で俺の背中を撫でた。
*「ジュイ…」
J「…ミラ…最後に…お別れのキス…してもいい?」
自分の目に愛しいミラの姿を焼き付けるように見つめた…
すると、ミラは俺の首を優しく自分の元へ引き寄せ…
俺たちはまだ、なにも始まってもいないのに…
涙の味がする悲しい別れのキスをした。
お互い呼吸を整えながらゆっくり離れる…
その唇がもうすでに恋しくて…
また、求めてしまいそうになる。
*「ジュイ…そんな顔しないで…」
俺の涙を拭うミラ。
このキスでミラを想う恋心から醒める事が出来たらどんなに楽なんだろ…?
俺に恋を教えてくれた人…
誰かを想う切なさも辛さも苦しみも喜びも…
全部…ミラが俺に教えてくれた。
そして…俺から離れることで愛までも俺はミラに教えられようとしている。
J「あなたは…俺の全てでした……。」
そう呟いた俺はもう一度、ミラの唇に自分の唇を重ね…
俺はそのままミラの元を…
去った。
ソラサイド
さらに1カ月が過ぎねぇさんの謹慎が終わった。
リノンのことを知った上層部は、トウジの録音したボイスレコーダーを証拠に話し合いを繰り返し、リノンはウチの事務所を自主退社した。
いまだ、ねぇさんを襲った犯人は捕まらず…
リノンもその件に関しては無関係だと絶対に認めなかった。
ジュイはあの日からまともに食事を取っていないのか日増しに痩せていった。
私たちの婚約発表は延期になり、折を見て発表することになり…今日、ねぇさんが久しぶりに出社した。
周りのスタッフはねぇさんに冷たい視線を浴びせていたが、ねぇさんは気にするそぶりを見せず社長の所へ向かった。
ねぇさんが中に入ってから私はずっと廊下で待っていて、社長室から出てきたねぇさんに私が駆け寄る。
SR「ねぇさん…また、一から頑張ろ!」
*「ソラ…ありがとう。本当に感謝してる…今、退職届出してきた。」
SR「ねぇさん………」
*「それが私の答え。みんながもっと輝く所を今度は別の場所から見ることにするね…今までありがとう。」
そう言ってねぇさんは私を強く抱きしめた。
ねぇさんを玄関まで送ろうとすると、事務所の玄関先でちょうどメンバーが揃って事務所へ出社してきた。
ねぇさんはみんなに頭を下げると、ねぇさんに気づいたマサトとハヤトが少し嬉しそうな顔をしながらこっちに近づいて来た。
すると警備室の前が騒がしくなり、私たちが揃ってそちらに視線を向けると、警備の人を殴り倒しながら無断で敷地内に侵入した男がこちらに走ってきた。
よく見てみるとその男はナイフを振り回していて、警備員たちが近づけそうにない。
*「危ない!2人とも早く中に入って!」
ねぇさんはマサトとハヤトを事務所の入り口に押し込み、車から降りようとしてるユウくんとイチくんを庇うようにして事務所の中へ誘導する。
SR「ナオちゃんも早く中に入って!!」
私も自分の横にいたナオちゃんを無理やり事務所の中に入らせた。
そして、その男は何かに気づいたように私たちの方ではなく、後ろに付いていたジュイとトウジが乗る車の方へ向かって走っていく。
まだ、車から降りてない2人をみたねぇさんが叫んだ。
*「車から降りちゃダメ!鍵を閉めなさい!」
残酷にもねぇさんの声は届かず、自動で扉が開きそれと同時にジュイが顔を出す。
すると、暴れているその男はジュイの顔を確認すると一目散にジュイの元へと暴れながら突進していく。
ヤバイ…そう思った瞬間、私のそばにいたねぇさんはカバンを放り出し、ジュイの元へと走り出した。
そして、男はジュイに向かってナイフを振り下ろし…
*「ジュイ!」
ねぇさんの叫び声が辺りに響き渡った。
つづく
俺は毎日、ミラのマンションに通った。
実家にいることは知っていたけど、実家に行く勇気なんて俺にはなくて…
もしかしたから帰ってるかも…毎日そう思って仕事の合間に暇さえあればミラのマンションに通った。
帰ってくるわけないよな…そう呟いた俺は壁にもたれかかるようにしてしゃがみ込んだ。
ひと目でいいから会いたいんだよ…会ってミラに謝りたい。
そう思っていると聞きなれた大好きな声が聞こえた。
ミラは俺の姿を見て慌てた顔をして俺を引っ張って部屋に押し込み。
懐かしいミラの匂いが…俺の胸を締め付け震わせる。
もう、分かってる…俺とミラがもう無理なことぐらい…。
だから…ちゃんと謝って…
自らの言葉でお別れをしたかった。
俺はミラの口から先に出そうになる別れの言葉が怖くて、その言葉を遮るように抱きしめた。
その心地よいミラの温もりを感じれば、やっぱりもう離したくないと俺の心が痛々しく叫ぶ。
そして、その想いと比例するように涙が溢れ出した。
*「ジュイ…ごめんね…好きになって……」
…ミラ…頼むから……謝らないで…
俺なんかのこと…好きになってくれて…ありがとう…
俺はそう心の中で囁く。
J「俺こそごめん…ミラのこと信じてあげれなくて…俺…ミラ…がマジで好きだわ…」
俺がそう言うとミラは優しくその小さな手で俺の背中を撫でた。
*「ジュイ…」
J「…ミラ…最後に…お別れのキス…してもいい?」
自分の目に愛しいミラの姿を焼き付けるように見つめた…
すると、ミラは俺の首を優しく自分の元へ引き寄せ…
俺たちはまだ、なにも始まってもいないのに…
涙の味がする悲しい別れのキスをした。
お互い呼吸を整えながらゆっくり離れる…
その唇がもうすでに恋しくて…
また、求めてしまいそうになる。
*「ジュイ…そんな顔しないで…」
俺の涙を拭うミラ。
このキスでミラを想う恋心から醒める事が出来たらどんなに楽なんだろ…?
俺に恋を教えてくれた人…
誰かを想う切なさも辛さも苦しみも喜びも…
全部…ミラが俺に教えてくれた。
そして…俺から離れることで愛までも俺はミラに教えられようとしている。
J「あなたは…俺の全てでした……。」
そう呟いた俺はもう一度、ミラの唇に自分の唇を重ね…
俺はそのままミラの元を…
去った。
ソラサイド
さらに1カ月が過ぎねぇさんの謹慎が終わった。
リノンのことを知った上層部は、トウジの録音したボイスレコーダーを証拠に話し合いを繰り返し、リノンはウチの事務所を自主退社した。
いまだ、ねぇさんを襲った犯人は捕まらず…
リノンもその件に関しては無関係だと絶対に認めなかった。
ジュイはあの日からまともに食事を取っていないのか日増しに痩せていった。
私たちの婚約発表は延期になり、折を見て発表することになり…今日、ねぇさんが久しぶりに出社した。
周りのスタッフはねぇさんに冷たい視線を浴びせていたが、ねぇさんは気にするそぶりを見せず社長の所へ向かった。
ねぇさんが中に入ってから私はずっと廊下で待っていて、社長室から出てきたねぇさんに私が駆け寄る。
SR「ねぇさん…また、一から頑張ろ!」
*「ソラ…ありがとう。本当に感謝してる…今、退職届出してきた。」
SR「ねぇさん………」
*「それが私の答え。みんながもっと輝く所を今度は別の場所から見ることにするね…今までありがとう。」
そう言ってねぇさんは私を強く抱きしめた。
ねぇさんを玄関まで送ろうとすると、事務所の玄関先でちょうどメンバーが揃って事務所へ出社してきた。
ねぇさんはみんなに頭を下げると、ねぇさんに気づいたマサトとハヤトが少し嬉しそうな顔をしながらこっちに近づいて来た。
すると警備室の前が騒がしくなり、私たちが揃ってそちらに視線を向けると、警備の人を殴り倒しながら無断で敷地内に侵入した男がこちらに走ってきた。
よく見てみるとその男はナイフを振り回していて、警備員たちが近づけそうにない。
*「危ない!2人とも早く中に入って!」
ねぇさんはマサトとハヤトを事務所の入り口に押し込み、車から降りようとしてるユウくんとイチくんを庇うようにして事務所の中へ誘導する。
SR「ナオちゃんも早く中に入って!!」
私も自分の横にいたナオちゃんを無理やり事務所の中に入らせた。
そして、その男は何かに気づいたように私たちの方ではなく、後ろに付いていたジュイとトウジが乗る車の方へ向かって走っていく。
まだ、車から降りてない2人をみたねぇさんが叫んだ。
*「車から降りちゃダメ!鍵を閉めなさい!」
残酷にもねぇさんの声は届かず、自動で扉が開きそれと同時にジュイが顔を出す。
すると、暴れているその男はジュイの顔を確認すると一目散にジュイの元へと暴れながら突進していく。
ヤバイ…そう思った瞬間、私のそばにいたねぇさんはカバンを放り出し、ジュイの元へと走り出した。
そして、男はジュイに向かってナイフを振り下ろし…
*「ジュイ!」
ねぇさんの叫び声が辺りに響き渡った。
つづく
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