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14話
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ジュンペイside
もう…どうするのが正解なのか俺にも分からない。
一度抱いてしまえばただ、愛しさがこみ上げてきて今すぐにでもまた触れたくなる。
そんな世間知らずの女なんかやめて、俺にしとけって俺の中の本音が疼いてたまらない。
なのに目の前にいる坊っちゃんは俺の顔を見るだけで不服そうでまた、ソウタさんの元に行くと言うんだ…
俺の気も知らずに。
バタンっと強く閉められた部屋の扉をじっと見つめ俺は深呼吸をする。
落ち着け…
落ち着け…
落ち着け…
自分自身にそう言い聞かせて俺は坊っちゃんのあとを追いかけると、坊っちゃんはナツオさんとヤヨイさんにガッチリと腕を両脇から掴まれていた。
N「なんか今からソウタさんのとこに行くとか言うから捕まえておいた。」
J「ありがとうございます…」
T「なにがありがとうだよ…」
坊っちゃんはそっぽを向いてそう呟いた。
N「実は海外にいる時に仲良くなった俺の友達に化粧品のキャンペーン映像を作ってくれって頼まれてさ?それをトルハに任せることになったから。」
J「坊っちゃんおめでとうございます。」
T「はぁ!?ナツオくんが自分で作れよ!!そもそも、俺は写真は得意だけど映像は無理だって言ってんじゃん!!」
N「だから、俺がわざわざお前の部屋までこう出向いてトルハにじゃなくてジュンペイに言いに来てるんだろ!!」
T「じゃ、俺じゃなくてジュンペイに任せればいいじゃんか!!」
N「それだと叔父さんの許しが下りないのー!!っというわけで…ジュンペイ、申し訳ないがトルハの映像サポート…頼んだよ。お前は映像作るのが趣味だろ?」
J「え…いやまぁ…趣味なだけで…それを仕事にってなると…」
T「俺のこと手伝うの嫌だって。」
N「ジュンペイはそんなことひと言も言ってないだろう!?ジュンペイ、頼めるよな?」
J「はい…私で良ければ…」
そう返事をすると横にいたヤヨイさんが俺の腕の上にドッサリと資料を置いていく。
Y「早く返事しないから腕がもげるかと思ったわ。」
J「す…すいません。」
N「じゃ、ヤヨたん行こうか?お昼はなに食べたい?ヤヨたんの好きなの食べようねぇ~!」
ナツオさんは恥ずかしげもなくヤヨイさんの肩を抱きしめ、ツンツンとヤヨイさんのほっぺを突っつきイチャイチャながら俺達の元から去っていった。
T「はぁ…もう最悪…ソウタさんのとこ行けなくなったし。」
坊っちゃんはそう言って部屋に戻り、俺も後をついて部屋に入り資料を自分のデスクに置く。
T「資料…そっちに置かれたら俺が見れないんだけど。」
J「あぁ…すいません。坊っちゃんのデスクにお持ちします。」
T「俺のデスクに置いたら邪魔じゃん。」
でた。
坊っちゃんはご機嫌ななめだと俺を困らせるためにどうしようもない事を永遠に言い続ける。
そう、最強に性格が悪くなるのだ。
J「では、横にテーブルをお持ちしてそちらに置きますのでしばらくお待ち下さい。」
俺がそう言って代わりになるテーブルを探しに行こうと扉に手をかけると…
T「だから!!そうじゃなくって!!」
ほら、またこうやって1番ベストな策にまでゴネ始めるから、もうその機嫌が直るまで坊っちゃんは俺を永遠に困らせる。
はぁもう…ほんとなんなんだよ…
どうしろっていうんだよ…マジで…
なんでこんなに拗ねて不貞腐れてる顔がこんなにも可愛いって言うんだよ…!!!?
っと俺が思わず頭の中で叫びながら坊ちゃんをじーっと見つめると、坊っちゃんは俺から視線を外して言った。
T「お前のデスク…を…こう…さ?…なんていうか…」
J「え?私のデスクですか?」
T「そう!!お前のデスクを俺のデスクの横にくっ付けたらこうやって!!一緒に見れるだろ!!」
荒々しい口調なのにほっぺを膨らませて少し口を尖らすから可愛いな…愛しいな…めちゃくちゃ好きだな…キスしたい。
なんて思ってしまう俺はほんと…
この人の事どんな目で見てんだよマジでちゃんと仕事しろ。
J「ありがとうございます…では坊っちゃんの横に失礼しますね。」
俺は自分のデスクを坊っちゃんのデスクの横にくっ付け、資料を坊っちゃんが座る方へと置いた。
J「ソウタさんに行けなくなったとご連絡しなくてよろしいんですか?」
T「いいよ別に…約束してたわけじゃなし…」
J「そうですか…」
そうして俺は早速、デスクの上にある資料に手を伸ばしひとつひとつ丁寧に目を通していった。
つづく
もう…どうするのが正解なのか俺にも分からない。
一度抱いてしまえばただ、愛しさがこみ上げてきて今すぐにでもまた触れたくなる。
そんな世間知らずの女なんかやめて、俺にしとけって俺の中の本音が疼いてたまらない。
なのに目の前にいる坊っちゃんは俺の顔を見るだけで不服そうでまた、ソウタさんの元に行くと言うんだ…
俺の気も知らずに。
バタンっと強く閉められた部屋の扉をじっと見つめ俺は深呼吸をする。
落ち着け…
落ち着け…
落ち着け…
自分自身にそう言い聞かせて俺は坊っちゃんのあとを追いかけると、坊っちゃんはナツオさんとヤヨイさんにガッチリと腕を両脇から掴まれていた。
N「なんか今からソウタさんのとこに行くとか言うから捕まえておいた。」
J「ありがとうございます…」
T「なにがありがとうだよ…」
坊っちゃんはそっぽを向いてそう呟いた。
N「実は海外にいる時に仲良くなった俺の友達に化粧品のキャンペーン映像を作ってくれって頼まれてさ?それをトルハに任せることになったから。」
J「坊っちゃんおめでとうございます。」
T「はぁ!?ナツオくんが自分で作れよ!!そもそも、俺は写真は得意だけど映像は無理だって言ってんじゃん!!」
N「だから、俺がわざわざお前の部屋までこう出向いてトルハにじゃなくてジュンペイに言いに来てるんだろ!!」
T「じゃ、俺じゃなくてジュンペイに任せればいいじゃんか!!」
N「それだと叔父さんの許しが下りないのー!!っというわけで…ジュンペイ、申し訳ないがトルハの映像サポート…頼んだよ。お前は映像作るのが趣味だろ?」
J「え…いやまぁ…趣味なだけで…それを仕事にってなると…」
T「俺のこと手伝うの嫌だって。」
N「ジュンペイはそんなことひと言も言ってないだろう!?ジュンペイ、頼めるよな?」
J「はい…私で良ければ…」
そう返事をすると横にいたヤヨイさんが俺の腕の上にドッサリと資料を置いていく。
Y「早く返事しないから腕がもげるかと思ったわ。」
J「す…すいません。」
N「じゃ、ヤヨたん行こうか?お昼はなに食べたい?ヤヨたんの好きなの食べようねぇ~!」
ナツオさんは恥ずかしげもなくヤヨイさんの肩を抱きしめ、ツンツンとヤヨイさんのほっぺを突っつきイチャイチャながら俺達の元から去っていった。
T「はぁ…もう最悪…ソウタさんのとこ行けなくなったし。」
坊っちゃんはそう言って部屋に戻り、俺も後をついて部屋に入り資料を自分のデスクに置く。
T「資料…そっちに置かれたら俺が見れないんだけど。」
J「あぁ…すいません。坊っちゃんのデスクにお持ちします。」
T「俺のデスクに置いたら邪魔じゃん。」
でた。
坊っちゃんはご機嫌ななめだと俺を困らせるためにどうしようもない事を永遠に言い続ける。
そう、最強に性格が悪くなるのだ。
J「では、横にテーブルをお持ちしてそちらに置きますのでしばらくお待ち下さい。」
俺がそう言って代わりになるテーブルを探しに行こうと扉に手をかけると…
T「だから!!そうじゃなくって!!」
ほら、またこうやって1番ベストな策にまでゴネ始めるから、もうその機嫌が直るまで坊っちゃんは俺を永遠に困らせる。
はぁもう…ほんとなんなんだよ…
どうしろっていうんだよ…マジで…
なんでこんなに拗ねて不貞腐れてる顔がこんなにも可愛いって言うんだよ…!!!?
っと俺が思わず頭の中で叫びながら坊ちゃんをじーっと見つめると、坊っちゃんは俺から視線を外して言った。
T「お前のデスク…を…こう…さ?…なんていうか…」
J「え?私のデスクですか?」
T「そう!!お前のデスクを俺のデスクの横にくっ付けたらこうやって!!一緒に見れるだろ!!」
荒々しい口調なのにほっぺを膨らませて少し口を尖らすから可愛いな…愛しいな…めちゃくちゃ好きだな…キスしたい。
なんて思ってしまう俺はほんと…
この人の事どんな目で見てんだよマジでちゃんと仕事しろ。
J「ありがとうございます…では坊っちゃんの横に失礼しますね。」
俺は自分のデスクを坊っちゃんのデスクの横にくっ付け、資料を坊っちゃんが座る方へと置いた。
J「ソウタさんに行けなくなったとご連絡しなくてよろしいんですか?」
T「いいよ別に…約束してたわけじゃなし…」
J「そうですか…」
そうして俺は早速、デスクの上にある資料に手を伸ばしひとつひとつ丁寧に目を通していった。
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